DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。
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経産省主催の「キャリア教育アワード」最優秀賞を受賞!若者の未来を作るハッシャダイスクール、「無償提供」に込めた想い

DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。

「Choose Your Life!それでもなお、人生は選べる。」をスローガンに掲げるDMMグループの一般社団法人HASSYADAI social(以下、ハッシャダイソーシャル)。ハッシャダイソーシャルは、若者に「どんな環境からでも、あなたは人生を選べる」というメッセージを伝えるため、全国の高校や少年院、児童養護施設で講演などのプログラムを提供するハッシャダイスクールの取り組みのひとつ、「Choose Your Life! 講演」を行っています。 2024年12月、これまでの功績が認められ、経済産業省の「第14回キャリア教育アワード」で最優秀賞を受賞しました。どのような想いで運営され、講演に参加した生徒たちはどのように変わるのか。講演を受講した通信制高校の松実高等学園 齊藤友昭先生とハッシャダイスクール事業責任者の森本瑛に話を聞きました。

  • 齊藤 友昭(さいとう ともあき)松実高等学園 高等部校長代行

    1981年生まれ。生まれも育ちも、職場も埼玉県春日部市。義家弘介先生の『ヤンキー母校に生きる』を読み、生徒に寄り添う教育を志す。不登校を経験した児童、生徒が通う松実高等学園に創業期から勤め22年目。現在は健康麻雀部を創部、麻雀を通した人間教育を研究している。

  • 森本 瑛(もりもと あき)一般社団法人HASSYADAI social ハッシャダイスクール事業 責任者

    1998年生まれ、香川県出身。高校時代に映画『ビリギャル』を観て教育の世界に憧れ、大学時代にハッシャダイソーシャルでインターンを経験。その後、地元香川県で小学校教員として4年生・6年生の担任を務める。2023年春に教員を退職し、改めてハッシャダイソーシャルにジョイン。教員経験を活かし、若者も大人も「自分の人生を選べる」と思えるきっかけを届けるために活動中。

経産省「キャリア教育アワード」最優秀賞を受賞

経済産業省が実施する「第14回キャリア教育アワード」で、ハッシャダイスクールが「最優秀賞」を受賞しました。おめでとうございます!

森本:ありがとうございます!2024年の12月中旬に新千歳空港で受賞の知らせを聞いたんですが、嬉しすぎてロビーでめちゃくちゃとび跳ねました(笑)。実は、さきほど授賞式から帰ってきたばかりなんです。

この受賞は僕たちの目標のひとつでもありました。ハッシャダイソーシャルが取り組んでいる若者のための活動は、やはり実際に体験してもらわないと意義や効果が伝わりにくい。今回経産省の方に活動内容を評価いただいたことで、僕らの取り組みが伝わりやすくなるのではないかと期待しています。

齊藤:松実高等学園では4年ほど前からハッシャダイソーシャルに講演をお願いしていて、これまでに10回以上実施していると思います。私たちもこの取り組みが生徒のためになると思って依頼してきました。今回の受賞は自分たちが信頼する活動が認められたということでもあり、素直に嬉しいです。本当に、おめでとうございます。

ハッシャダイスクールの4つの取り組み

今回最優秀賞を受賞されたハッシャダイスクールについて、改めて教えてもらえますか?

森本:ハッシャダイスクールは4つのプログラムの総称です。

1つ目が「Choose Your Life! 講演」です。「どんな環境からでも、あなたは人生を選べる」というメッセージを伝えるため、ハッシャダイスクールのスタッフが全国の高校や少年院、児童養護施設などを訪れて、無償の講演活動を実施しています。

2つ目は「お仕事図鑑」。これは、各業界をリードする企業や地域に根差した伝統産業を支える企業と連携しながら、様々な職業や生き方を届ける高校生向けのキャリア教育プログラムです。

3つ目は「児童養護施設・少年院での活動」です。児童養護施設では体験格差を埋めるための文化的体験や学び、多様なロールモデルとの出会いを提供。少年院では語彙力不足や自己表現の難しさに起因する問題行動に焦点を当てたワークショップやビブリオバトルを実施しています。

そして4つ目が「スナックハッシャダイ」という取り組みです。様々な教育現場で奮闘する先生方と、若者を応援したい企業の方、教育関係者が交流する場を設けています。

いずれの活動でも大切にしているのは無償で実施するということ。もちろん交通費をいただけたら非常にありがたいですが、たとえそれが難しくても依頼があれば僕たちは全国の学校に足を運びたいと考えています。費用面がハードルになって、若者が自らを変える機会を潰したくないんです。そのために、協賛企業や寄付者の方々に支援いただく形で運営しています。

「良き大人」との出会いが若者の未来を拓く

なかでも「Choose Your Life! 講演」を実施することが多いと聞いています。この講演の背景にはどのような想いがあるんですか?

森本:一番の目的は、若い方たちに「自分の人生は選べる」という自信を持ってもらうことです。その上で大事な要素として、ロールモデルとなる大人との出会いを作ること、そして相談できる大人の存在を作ることを意識しています。

人生を選ぶ。これってすごく難しいように聞こえるんですけど、実際は日々の小さな選択の積み重ねじゃないですか。ほんの少し認識が変わるだけで、選び方が変わり、人生も前向きに変わっていきます。その認識を変えるきっかけのひとつが大人との出会いだと思うんです。

だから、講演を担当するスタッフは自らの人生や考え方などの話を通じて「こんな大人になりたい」と思ってもらえるように努めています。さらに講演を実施して終わりではなく、その後もSNSで生徒さんの人生相談にも乗っています。

齊藤:一般的な高校生の場合、周りにいる大人の分母がすごく小さいんです。両親、学校の先生、アルバイト先の上司や先輩……こんなものじゃないですか?憧れたり、頼れたりする大人に出会おうと思ってもなかなか出会えない。SNS上でもいろいろな大人を見つけられますが、なかなかアクションにつながらない。そういう意味でも、生徒たちに対して情熱をもって語りかけ、相談相手にもなってくれるハッシャダイソーシャルの取り組みは、すごく意義があると思うんです。

東京の通信制高校で「Choose Your Life! 講演」を行っている様子
講演時に、高校生からの回答を受けている様子

全生徒が釘付けになった「選択」の講演

そもそも齊藤先生がハッシャダイスクールを知ったきっかけは?

齊藤:2020年だったと思います。ハッシャダイソーシャルが行っていた「ヤンキーインターン」が、『ガイアの夜明け』で特集されているのを見たんです。そのとき、創業者のひとりである勝山(恵一)さんの姿勢にすごく感銘を受けまして。「中卒の自分が変われたからこそ、誰もが変われる」という熱い思いを持って非大卒のキャリア支援に取り組んでいたんですよね。

同時にご本人にすごく会いたいとも思いました。その頃ちょうど、大学を中退してしまった卒業生と一緒にハローワークに行くことがあったんです。その子は特にやりたいことはなかったのですが、働く意欲はきちんとありました。ところが、担当者の方に「やりたいことを見つけてからまた来てください」と言われてしまって。

そんなこともあって、将来に悩みを抱えた生徒の相談に乗ってくれたり、刺激を与えてくれたりする人生経験の豊かな人がどこかにいれば……と思っていたタイミングで、勝山さんが出演する番組をたまたま見たんですよね。「この人だったら頼れる」とビビっときてご本人にメールを差し上げたら、すぐに返事が来まして。早速うちの生徒に向けてオンラインで講演をしてくれることになったんです。

特に印象に残った講演はありますか?

齊藤:オンライン講演で勝山さんが紹介してくれた『選択の科学』という本の話が特に印象に残っています。野生のゾウと動物園のゾウの寿命の違いを例に、自分で選択する機会を奪われることの影響について話してくれたんです。

一見、安全な環境で暮らす動物園のゾウの方が長生きすると思いますよね?でも違うんだそうです。動物園のゾウは平均寿命が17歳なのに対して、野生のゾウは56歳まで生きる。自分で考え、選択する機会が奪われることで、生きる力が失われてしまうというエピソードを、自らの人生経験も交えて話してくれました。

オンライン講演だと必ず何人かは眠そうに聞いているものですが、この時は生徒全員が画面に釘付けになっていて、勝山さんの話を夢中で聞いていました。あの人の熱量は画面越しにも伝わるんだ、とすごく驚いた覚えがあります。 

講演後、生徒さんの行動が変化したりしましたか?

齊藤:ハッシャダイソーシャルのスタッフにSNSで相談DMを送る生徒は一定数います。例えば、不登校を経験するなどして自己肯定感が低くなっている生徒が、「この人たちに頼ってもいいんだ」と思って連絡をしている。自分の何かを変えようと実際にアクションを起こしているんです。これは本当に大きな変化だと思います。

森本:講演を担当するスタッフは、これまで直面した困難や人生で悩んできたことをありのまま話します。例えば、僕だったら中学時代のいじめにより学校に行きづらくなった経験や、それをどのように乗り越えたかなどを伝えます。スタッフである僕らに思うようにいかなかった過去があるからこそ、共感してもらえる部分もあると考えています。

齊藤:大人が自ら悩んだ過去を話すと、生徒たちも「この人も自分と同じなんだ」と安心するんですよ。一方でそれを実際に乗り越えているから、頼れる存在でもある。こういった大人と接することが生徒たちの成長にも必ずつながるはずです。

愛ある土壌を耕し続ける

最後に今後の展望をお聞かせください。

齊藤:これまで松実高等学園からは2000人以上の生徒が巣立っていきました。ただ、これまで18歳までの教育活動しかできていなかった反省があります。卒業生たちが納得いく人生を歩んでいるのか、きちんとフォローするのも教育者としての役割ではないかと思うんです。

だから、今後は卒業生のアフターフォローにもより力を入れていきたい。ハッシャダイソーシャルなど外部の方々とも協力しながら、卒業後も気軽に戻ってこられる場所、相談できる場所を作っていきたいなと思います。

森本:僕らとしては3つの方向性を考えています。

1つ目が「移動体験の強化」です。移動することで、地元を相対的に見られたり、新しいコミュニティとつながれたりする機会が生まれます。そういった体験の価値を、より多くの若者に伝えていきたいと考えています。

2つ目は「愛ある土壌作り」です。若者が自己を表現する、あるいは相談できる誰かと関係性を築く。これを実現するには、その若者を受け止める周囲の愛が不可欠です。そして、誰かから受けた愛は他者への思いやりとなって循環していく。現在の取り組みによって愛ある土壌をさらに耕し、若者が気軽に他者を頼れる環境を整えていきたいです。

最後は、僕らのスタンスの話です。「楽しさをエネルギー源にする」ことを忘れてはいけないな、と。どこか暗い顔で深刻に取り組むより、楽しさを原動力に社会課題を解決していくほうが良いと思っています。そのポジティブな想いが学校の先生方や企業にも伝わり、共感が広がっていく。この軸をぶらさず、これからも新たな挑戦を続けていきたいです。

公式noteでも、【社員インタビュー】僕たちが「Choose Your Life! それでもなお、人生は選べる。」を届け続ける理由 を紹介しています。ぜひご覧ください。

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