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【イベントレポート】 アドジェネ ビールナイトVol.16~当事者に聞こう!今だからこそ、クライアントが求めるメディア・広告枠を考えてみる~

【イベントレポート】 アドジェネ ビールナイトVol.16~当事者に聞こう!今だからこそ、クライアントが求めるメディア・広告枠を考えてみる~

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こんにちは! DMM Inside編集部です。

1月24日(木)Supership株式会社が主催する「アドジェネ ビールナイトVol.16」が、DMM.comオフィスにて開催されました。

「アドジェネ ビールナイト」とは、Supershipのパブリッシャー向け広告配信最適化プラットフォーム「Ad Generation」が、メディア運営・マネタイズのノウハウ共有を目的にアプリ・Webサイトを運営するパブリッシャー(メディア)の方を無料で招き、ビールを飲みながら参加者同士で交流を行うイベントです。

第16回目となる今回は、ZOZOテクノロジーズ代表取締役CINO 金山裕樹氏による基調講演「とにかくテンションが上がるお話」と、大手ブランド広告主側を経験する4名の経験豊富なマーケター陣によるパネルディスカッションの2つのコンテンツで開催されました。

本記事では後半のマーケター陣によるパネルディスカッションの様子をレポートいたします。

(以下、敬称略)

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 <ディスカッションテーマ>
当事者に聞こう! 今だからこそ、クライアントが求めるメディア・広告枠を考えてみる

 

<登壇者紹介>

パネリスト:

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武井 慎吾(合同会社DMM.com デジタルマーケティング部/トレーディングデスク責任者)

▼プロフィール

多岐に渡るDMM.comグループの事業を支援する横断組織であるデジタルマーケティング部において、Webプロモーションの運営や代理店・メディア・配信事業者との折衝を行うトレーディングデスクの責任者を務める。

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菅原 健一(Moonshot Inc. 代表取締役 CEO)

▼プロフィール

これまでのBtoC、BtoB、大企業、スタートアップ、女性向け、男性向け、サービス、メーカーなど、様々な企業へのコンサル、アドバイザーの経験を活かして企業の10倍成長を支援するアドバイザー業として2018年7月にムーンショットを創業。

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豊野 桂太(本田商事株式会社 代表取締役社長、ボルスト株式会社 Co-founder、ONNE Marketing Producer & Partner)

▼プロフィール

総合広告代理店、出版社、ネット専業代理店を経て、ボルスト株式会社を設立。2018年株式会社フリークアウトに入社。その後2019年1月より、アプリビジネス特化型専門商社「本田商事株式会社」を設立し、代表取締役に就任。フリークアウトグループのグローバルアプリ事業を統括する。アプリマーケティング領域においては、数々のセミナーに登壇するほかメディアに取り上げられることも多く、複数社の顧問やアドバイザーも務める。趣味で年間1,000店舗以上飲食店を食べ歩き、アプリ業界のグルメアドバイザー『トヨログ』としての顔も持つ。

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▼プロフィール

中村 大亮(Supership 執行役員CMO )

Web媒体社、家電メーカー、トイレタリーメーカーにおいてマーケティング業務を担当。テレビ、イベント、デジタルなど、オフライン・オンラインのマーケティングを経験し、直近はデジタルを中心にソーシャルメディア、アドテクノロジー、データ活用、コンテンツマーケティングとデジタルマーケティング業務全般に携わる。
現在は、Supership株式会社 執行役員CMOとしてデータを起点としたマーケティング事業の推進に携わる。無類の納豆好き。

モデレーター:

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池田 寛 (Supership 広告事業本部 サプライ事業部 事業部長)

▼プロフィール

SupershipのAd Generation責任者。猫が好き。「ジ・アドジェネ」の愛称で親しまれる。

 

池田:日本の広告費を媒体別に見ると、特にモバイルにおける運用型広告、動画広告の成長がさらに加速し、1兆5,094億円(前年比115.2%)と4年連続で二桁成長しています。(詳しくはこちら

このように、成長著しいインターネット広告市場ですが、マス広告を含めた広告宣伝費が多い会社と、スマートフォン広告の推定出稿費の上位企業を比べると、その顔ぶれが少し異なることに違和感を感じる方もいると思います。

こちらは、2017年度の国内で最も広告宣伝費用が多い会社トップ10です。トヨタ自動車、ソニー、日産自動車、イオンと、TVでもおなじみのナショナルクライアントがTOP5は昨年と同じ顔ぶれで並んでいます。

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出典:「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング/東洋経済

https://toyokeizai.net/articles/-/187757?page=2

一方、スマートフォンの広告宣伝費が多い会社がこちらです。

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出典:

2018年上半期に最も出稿のあったスマートフォン広告は「荒野行動」。次いで「Tik Tok」。/株式会社ビデオリサーチインタラクティブ

https://digitalpr.jp/r/29400

日本のインターネット広告費は年々成長しているはずなのに、どうしてマスとデジタルで広告主ランキング上位の顔ぶれが異なるのでしょうか?

その背景には、昨今ニュースにもなっている、タレントの画像を無断で加工・使用して架空の体験談を掲載する「フェイク広告」や、bot(ボット)などをつかって広告主から不正に広告費用をかすめ取る「アドフラウド」など、インターネット広告への信頼が失われるような様々な問題があります。

このままではナショナルクライアントが安心してインターネット広告への出稿に踏み切れません。

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こういった状況を打開するには、広告主であるクライアント、プランニングや運用を行う広告代理店、広告配信プラットフォームを運営するネットワーク、そしてネットワーク経由で広告を掲載するメディアなど、インターネット広告配信に関係するすべての関係者が、現状をしっかりと理解し当事者意識を持ったうえで、それぞれの立場で対策を行う必要があると思っています。

そこで今回は、クライアント、代理店、ネットワークなど様々な経験をお持ちのマーケターの皆様をお招きし、パブリッシャー(メディア)の皆さんと、今のインターネット広告をどう見ているのか? そして今後どうしていくべきか、ディスカッションしていきたいと思います。

 

いまのインターネット広告をどう見ていますか?

武井:広告のバリエーションが増えたり、アドテクの進化と比例して、インターネット広告に携わるプレイヤーが一気に増えたように感じています。

広告配信事業者はもちろん、副業でメディアを運営して広告収入を得るパブリッシャー(メディア)も増えていますので、増えすぎた広告に対してユーザーがネガティブな印象を持ってしまっているのではないでしょうか? 実際、「スマホ広告 消したい」というキーワードの検索トラフィックがここ一年で一気に増えていますし、広告ブロックアプリがアプリストアでランクインしているのが現状です。広告に対する信頼性が問われていると思います。

豊野:明るい話だけでなく暗い話もありますが、個人的にはインターネット広告業界はますます楽しくなってきました。

代理店時代、アプリ広告登場の初期からいろいろなクライアント様と向き合ってきましたが、CPIで設定されていたKPIが徐々にリテンション、ROASといったような評価基準に変化してきているのはうれしいことです。

ただ、インターネット業界はどうしても数値に踊らされがちなところがあるので、そういった環境のなかでアドフラウドがテレビやニュースでも特集が組まれるほどの問題となっている現状は当然の流れだと思いますし、むしろそうあるべきだと思っています。

昨年はこうした問題が提起される年であったので、今年は広告主もいよいよ対策に向けて動いていくような“(アドベリフィケーション)元年”になるといいですね。

中村:今日は前職で経験したブランド広告主の立場で呼んでいただいているので、ユーザーファーストで意見を言わせていただくと、インターネット広告がユーザーにとっていいものになってきているのかという点で疑問があります。

界隈ではアドフラウドをはじめ様々な問題が起きていますが、広告主やアドプラットフォーム、パブリッシャー(メディア)側に対しての対策ツールはあれど、ユーザーに対してはまだメリットを与えるものが提供できていないので、今後はそこが課題になるのではないかと思っています。

もう1点、メディアの価値に“格差”がに出てきているのも感じています。例えば、「●●といえば●●」といったように、きちんと自社メディアの価値がブランディングできているメディアがある一方で、そこがぼやけてしまっていて出稿先として検討にあがらないメディアもあります。今後は、メディアさんのほうでもちゃんと自社メディアをアピールできるように工夫しないと厳しいのではないかと思います。

菅原:ここ10年くらい所謂アドテクの会社の経営者をやってきましたが、インターネット広告業界は本当に急成長を遂げてきました。それだけに、今の日本のインターネット広告業界の状況を見るととても“もったいない”と感じています。

インターネット広告先進国と言われるアメリカでは、P&Gやユニリーバなどのグローバルでも強大なナショナルクライアント達が、インターネット広告における問題があった場合、株主のような立場で意見し、それが改善されるまで出稿を取りやめるなどの対応をすることで、業界の健全化に寄与してきました。(参考:世界の2大広告主、P&Gとユニリーバがデジタル広告費を削減

しかし、日本ではナショナルクライアント以外の広告主によって市場がここまで成長してきてしまいました。インターネット広告のなかでも多くの比率をしめるプログラマティック広告(運用型のインターネット広告)においては、クリック率の高さや、成果が出やすいクリエイティブの広告のほうが入札されやすい傾向にあるため、ナショナルクライアントさんやブランド系の広告主のきれいなクリエイティブが、過激な謳い文句やクリエイティブの広告主と比べた時にどうしても入札競争に負けてしまうという構造にありますので、例え出稿したとしてもなかなかボリュームが出せないというのも理由の1つでしょう。

また、真面目にサイト/アプリを運営しているメディアさんたちにとっても、そういった過激なクリエイティブの広告を自分のサイトに表示して生計を立てないといけないのは嘆かわしいことですし、PV数でメディアを評価されがちな点においても、トラフィックを集めるだけの目的で作られたコピペメディアと同じ土俵で戦わないといけないのはもったいないですし、量より質で評価してもらえるようにならないと厳しいかと思います。

 

出稿するメディアを選ぶ基準は? メディア価値をあげるには?

中村:広告主の立場であった当時は、予算のアロケーション(配分)は自分で決めるようにしていました。

これまではマーケターの経験や勘でターゲットとなるペルソナを作っていたかと思いますが、今は自社で運営するオウンドメディアやECサイトなどのデータから顧客理解ができるようになってきています。ですから、メディアを選ぶ際の基準としては当然、想定ペルソナとなるユーザーがいるかどうかがまずベースとなります。

ですが、残念ながらメディアさんからいただく媒体資料には男女比・年齢・年収といったようなお決まりのデータしか載っていないんです。それでは正直判断ができないので、お互いのユーザーIDのシンク率の高さを調べてから出稿を決めることもありました。

個人的には、自社メディアのユーザー像を深掘りし、他のメディアとの違いまできちんと掘り下げた分析をしたうえでそれをアピールするような媒体資料に是非アップデートを検討いただきたいです。

菅原:そうですね。メディアの価値は、“相手の変化量”で決まるのだと思っています。

でも、PV数やコンバージョン数では測れないような、相手がどう変化するかをきちんと定義できているメディアさんはなかなかいないのではないでしょうか?

例えば、うちのメディアで記事広告を書くと良記事として高評価が得られます、とか、Twitterで反響が多く得られます、といったような何かしらの変化がアピールできない場合は、どうしてもPV数などの数字でしかメディアの価値を判断せざるを得ないですからね。

武井:本当は良いメディアなのに、それを判断する情報が足りないというのは同じく残念に感じています。DMMグループではいろんな事業領域を持っていますが、どの領域においても一部のパブリッシャーさんと直接コミュニケーションを取って出稿させていただく機会はあります。ただ、代理店さんやネットワーク事業者さんからご紹介いただく以外に、自力で良いメディアさんを探す手段がなくて困っているというのが正直なところです。

豊野:代理店の立場を経験した身としても実は良いメディアの探し方には困っていて、直接購買を促すようなダイレクトレスポンス広告のクライアントからは特に、「他に良いメディア無いの?」とよく聞かれていましたね。中村さん、菅原さんが仰ったとおり、ユーザー数や属性、年収、広告メニューが載っているようなフォーマットどおりの媒体資料でなく、配信した結果がきちんとわかるような情報や、ユーザーの質がわかるような媒体資料を、わかりやすいところにサイトに置いてもらったり、ネットワーク事業者やプラットフォーム側にアピールしてもらえると良いのではないでしょうか?

中村:これまでの話を総合した結論として、パブリッシャーが自社のメディア価値を上げるためには、まずはきちんと顧客理解をして、そこから得られたインサイトをアウトプットとして媒体資料に反映していただく、というところになるのではないでしょうか?

自社メディアのユーザーを理解しないことには、相手にどんな変化量を与えられるかもわからないですからね。

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Supershipでもnanapiというライフハック系のメディアを運営しているのですが、まさにこれを実践しようということでユーザーアンケートシステムを独自に開発したり、nanapiのユーザーデータとSupershipデータを掛け合わせてユーザーのインサイト分析を行っています。

nanapi運営メンバーは、これまでメディアを運営してきて、nanapiでは記事を読んだ後に実際にそれを実践してくれるユーザーが多いのではないかという仮説を持っていたのですが、実際にアンケートを実施してみたところ、確かにアンケートの答えた読者の40%強がなんらかの記事を実践したことがある、という結果がでたのは非常に興味深い発見でした。

これまで立てていた仮説をデータによって実証することができたことで、クライアントに対しての提案方法も工夫することができるようになりました。

この方法が正解かどうかはわかりませんが、1つの方法としてこうした工夫がパブリッシャーさんには今求められているのではないかと思います。

菅原:まさにそのとおりで、PV数やPV単価ではもう相場が決まってしまっているので、そこで勝負するのは現実的ではありません。

例えば、読了率が高い記事メディアなら、同じPV数でもうちのメディアのほうがユーザーの目に入る時間が長いですとか、もっとメディア独自の価値を見出して、切り口を変えたアプローチに挑戦してみてはいかがでしょうか?

最後に

以上、ここでしか聞けないリアルな実体験や意見も交えながらのパネルディスカッションは、終了時間ギリギリまで大盛り上がりとなりました。

なお、パブリッシャーの方のみならず、クライアント側のマーケターも足を運んでいた観客席からは、登壇者への質問だけでなく、これまでに印象に残っている優れたメディア出稿事例として、奥様やご自身を含め“ファン”を多く集めるウェブメディアへのタイアップ記事を出稿し、記事の二次利用に関する許諾を別途得たうえでその記事ページをチラシとして店頭でお客様にお配りするという方法もご紹介いただきました。

こうした会場からのご意見に、登壇者からも「運営ポリシーやSNSの運用方法、広告のメニュー設計など、大変参考となるメディアの事例は積極的に取り入れていきましょう」とのアドバイスもあり、イベントは大盛況に終了しました。

(参考:北欧、暮らしの道具店Facebook ページhttps://www.facebook.com/hokuohkurashi/

 

この度は取材にご協力いただき、ありがとうございました!

また、DMMのマーケティング部ではこのようなイベント登壇情報なども今後発信してまいります。マーケティング部へのご興味のある方はこちらよりご応募をお待ちしております。

dmm-corp.com