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衝撃の1円譲渡から進化し続けるゲームアプリ事業「AQUIZ」のいま〜村中COO×飯野AQUIZ事業部長対談〜(後編)

衝撃の1円譲渡から進化し続けるゲームアプリ事業「AQUIZ」のいま〜村中COO×飯野AQUIZ事業部長対談〜(後編)

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2018年12月に1円譲渡でクイズ買い取りサイトとしてDMM.comに参入した「AQUIZ」。
さらに2019年10月には、クイズ買取を終了し、賞金争奪バトル機能をスタート。
順調に成長しているAQUIZ事業のいまについて、飯野事業部長と村中COOとの対談から今回は後編をお届けします。

▼前編はこちら

inside.dmm.com

 

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飯野 太治朗(いいの たいじろう)AQUIZ事業部 事業部長(写真左)
1990年生まれ。19歳の時に最初の事業として行商を開始。 翌年2011年に移動販売事業を立ち上げて1年で売却し、売却金を元手にWeb受託会社を設立。その後、フードデリバリーやウェディングメディアなど様々な事業を立ち上げ、売却を繰り返す。2018年5月にリリースした「AQUIZ」を同年11月に1円でDMM.comへ売却し、DMM.comへジョイン。
村中 悠介(むらなか ゆうすけ)COO(最高執行責任者)兼 DMM GAMES CEO(写真右)
2002年DMM.comに入社。2011年に取締役就任後アミューズメント事業、アニメーション事業など多岐に渡る事業を立ち上げる。
2018年6月 COOに就任。40以上ある事業を統括。
2019年5月よりDMM GAMES CEOを兼任。

 

巻き込み力と起業の原点

村中:人を巻き込んでいく力が大事だと思っていて、その巻き込み力が太治朗はとりわけ高いと思っている。周囲に紹介していけば巻き込んでいくタイプっていうのは分かっていたので、社内でも社外でも紹介をしていっている。そこで一回触れた人は忘れないし、巻き込まれていくんだよね。「こういうのどうですか。やりましょう!」というのを常に積極的に見せられる人ってなかなかいないと思うので、本当はもう皆に聞いてほしいぐらい。関わってみればすぐに分かるんだけど、関わらないと太治朗の熱も分からない。だから、「ぜひ、気軽に太治朗に話しかけたらどうでしょう」と思っている。皆もっともっと、接してほしいな。なかなかいない逸材だから、刺激を受けると思うよ。
だって、太治朗は何も興味ないしね、他のことに(笑)。

飯野:それはそうですね。

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村中:服は毎日一緒。最初の頃はずっと会社に泊まったりしていたよね。いまも寝袋?

飯野:そうです…。自分の会社もDMMから1分のところに移転したので、今はそこに泊まっています。

村中:もう寝袋じゃないと寝られないんじゃない?(笑)

飯野:そうですね。すごい極限状態。

村中:太治朗みたいな奴はなかなかいないよ。少しデリケートな話にはなるけど、お母さんを若い時に亡くされたというのも、たぶん生き急がなきゃいけない理由なんだよね? 一瞬でいなくなるということは起こりうるから、どうなってもいいように、後悔のないようにやっておこうという。それがせっかちの原点なのかもなと。

飯野:そうです。原点ですね。僕はジブリの『風立ちぬ』の影響をすごく受けているんですけど、あの作品は、2つの寿命の話だったと思うんですよね。
一つは奥さんが病気で、人間としての寿命の話。もう一つ、堀越二郎はなんで奥さんがそんな大変な時期にも零戦の開発をやめられなかったのか、という。あれも結局なんでかというと、寿命の話だと思っているんです。
人間の命とは別の創造的人生の寿命は10年しかない、というキャッチフレーズが結構出ていて。僕の人生のテーマもそれなんです。だから、僕が連続的にやっていきたいというのは、AQUIZをある程度パスすれば、それを1から10とか10から100に伸ばす人はおそらくいっぱいいるし、特にDMMだったらいると思うんです。で、僕は0→1がやっぱり得意という気持ちがあるので、自分の創造的人生の10年の間にとにかく何個残せるかというのが勝負なんですよね。

村中:正直、太治朗に0→1人材をDMMからどんどん輩出してくださいとはまったく思っていない。。すごく若ければ有り得るかもしれないけれどもともとの気質とかがどうしても関係してくるから。本当は太治朗自身が0→1をどんどんやって、1→10を必死でDMMのメンバーたちが何か追いかけてやるぐらいがすごい理想的な形なんだろうね。

飯野:なので、まずは一個確実に成果を出したいと思ってます。

村中:真面目な部分がDMMのいいところだと思っていて、皆ちゃんとやろうとはする。ただ、それが真面目過ぎて遅かったりとか、そこはちょっと違うんじゃない? っていうところを太治朗にはずっと言い続けてもらえるといいよね。「遅いよ」とシンプルに言えるといい。やっぱり比較がないと、遅いのか早いのかもたぶん分からないから。DMMの中にいる人は、そこを意外と気づけないかもしれないんだよね。その点、太治朗は外から来たからこそ「違うんじゃない?」ってこともよく見えるだろうし、何より、経験に基づいているから説得力もあるし。


「DMMの人はもっとこうなればいいのに、もったいない」と飯野さんが感じる点は?

飯野:最初、僕がジョインした時にも思いましたが、手を上げたほうがいいなと思います。
僕自身の最初の反省点でいくと、何か僕、待っちゃったんですよね。「今、人を採用しているから待って」って言われた時にそのまま2カ月間ぐらい。新たな環境で躊躇して足踏みしたこともあって、「採用してくれているから、僕は待っていればいいんだ」って。
その空気感に触れちゃって、自分のスタイルを一回崩しそうになった。でも、自分が求められてDMMに入って来た理由を改めて考えると、「フリーキック蹴れるんだったら貪欲に蹴りにいこう!」と思って、そこで切り替えました。

「やばいな、これ。自分たちで採用しなきゃ」ってなり、裁量権を与えてもらえるっていうので、リファラルなどで自分たちで公募を出したりしてエンジニアをかき集めていったんですよね。そこでもう少し早くから、もっと言えば最初から自分が攻められていればって思います。今はもうDMMでのやり方が分かって、前へ前へというか、がめつくいったほうがいいなって分かる。だから今は、「欲しいものは欲しい」というのを自分からもう全部伝えます。

村中:念のために言っておくと、こっちとしては、そういう風に自分から言わない人をだからといって信用しないわけではないんだけどね。ただ、とにかく自分でやらないと、とはすごく思う。結局、そういう人じゃないと何にしても早く実行していけない。オレ自身がそういう価値観だから、太治朗みたいに自分でやっていく人にはすごいやりやすいかもしれないね。

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飯野:そういうことですね。

村中:規模の問題もあって、待っちゃうとゆっくりになっちゃうんだよ、この会社。組織に入るっていう気持ちじゃなくて、組織を場として活用するって思っちゃったほうが早い。

飯野:そうだと思います。わがままに貪欲に、全部に手上げるっていう。チャンスはいっぱい転がっているのだけに、もったいない。

環境を変える方法は2種類あって、まず1つには自ら環境を作り出す。もう1つが、他の環境に移っちゃうという方法で、そういう考えの人が多いのかもしれないけど、トライしていないのに場所を移っちゃうという選択をするっていう人には、すごくもったいない気がしています。

村中:そうなんだよね。状況を変えるのがすごく大変な会社かっていわれると、そうでもないって思っているのでなおさら。レギュレーション的に絶対無理とかじゃないからね。言えば分かるし、スピード上げようと思えばいくらでも上がるし、下げようと思えばいくらでも下げられるという環境。イニシアティブが自分にあるんだから。
そんななかでAQUIZについても、ゆくゆくは他の事業部との連携をどんどん進められたらと思うよね。

 

今後、こんな人にもっともっと来てほしい

村中:今までのルールだと、起業家は企業を起業して、アイデア持って事業計画を作って、資金調達して、それをエンジェルとかVCとかが支えて、後にIPOするみたいなのが一般的だった。その点ではある意味、DMMは新しいルートを作ったのかなっていうのがあるよね。
ベンチャーって、なにもコツコツ小さく伸びてかなきゃいけないわけじゃない。オレらはいきなり角度を上げてスタートさせるイメージだからダイナミックさが違うし、いきなり資金調達を高く持てるみたいな手法なんだから、ベンチャー経営者にはかなり使い勝手いいと思う。ただ現状では、その手法がまだ世の中に知られていないと思うので、そのあたりをすごく知ってほしい。やっぱりDMMってリソースが揃っていると思うんだよね。煩わしいところはある意味、もう会社に任せていけるし。
子会社を残すのか、会社に入るのかにしても、実はそんなに大きい問題じゃないと思っていて、そこよりも、起業家にとって全く新しいルートがあることを知ってもらうことが大事だと思っている。
入った瞬間に採用力もバックオフィスもあって、事業に集中できるから、普通に考えればプロダクトのでき上がりも早くなるし、良いかダメかもすぐ分かる。起業家にとっても時短になるよね。

飯野:だと思います。特に20代の起業家とかは、それを一回やったほうがいいんじゃないかなって思います。大企業の強みを知っているほうがいい。いずれまた自分でやるにしても、30代、40代になった時にそれを知っているか知らないかって大きな違いになってくると思うんです。
DMMはそういう人を育てて、そういう起業家がちゃんと成果を出して「外に出たい」となった時に送り出していくスキームのようなものを作れれば0→1のアイデアには困らないというのもありますし、お互いにWin-Winなんじゃないかなと思います。20代は、お金よりもとにかく信用を稼いだほうがいい。僕は、得体の知れない自分のような人間を信用してもらうために、徹底的にDMMを信用するスタイルで1円にすごくこだわったというのがあるので。

村中:金融公庫行っても、「この事業計画こうしたほうがいいよ」とは言われないから、資金調達するにしてもキャピタルゲインとか、どうやって還元してくれるの?という話になってしまう。

飯野:だから、僕が事業監査会ウエルカムっていう話にしても、それにつながってくるのかなと思うんです。やっぱり僕ら自身も投資会社とかと話していると、「ようやく3000万終わりました」って言ったら、次の日から次の調達に向けて「次、3億調達するぞ」という感じで動き出さなきゃいけないじゃないですか。でも、DMMでは事業に集中して、監査会を開いてもらえれば、事業が伸びてさえいればその瞬間に承認をもらって、次の日からそのお金が使えるわけじゃないですか。なので、どうしたってスピード感が全然違う。
監査会で駄目だったら自分でクローズするのも大切ですが、上手くいっていれば、その資金を調達する場面でより大きなメリットを手にすることもできるのでは思います。

村中:上限が特にないし、キャッシュフロー的にもすぐ出るしね。

飯野:そうなんです。

村中:金額の大きさの点で、CVCという概念にも当てはまらない。

だから、何か新しい名前を付けたいなって思っちゃうんだけど、要は資金調達じゃない選択肢みたいなことだと思うんだよね。で、太治朗がさっき言ってた「自分の信用を調達する。20代でやったほうがいい」というのが確実なキーメッセージ。シードで3000万調達してとか、プレ何億でとかっていうのが今は一般的な流れになっているけど、実は出口がないかもという世の中になってきていて…。

飯野:なっていますよね。

村中:20代で逆にそこをレバレッジかけて、信用獲得という投資をすることによって、それこそ3000万の資金調達よりも大きな効果があったみたいなことをドンドン言ってもらえたらなって思うんだよね。というのも、そのメリットを分かりやすく伝えたいと思った時にどういう伝え方がいいのかなってオレのほうでは思っていて、ただとにかく、DMMって本当にイニシアティブを持って手を上げたモン勝ちな環境なわけだから。

飯野:いや、もう全てにおいてケタ違いだと思いますけど、やっぱりリソースですよ。これだけ良いメンバーを集められたことにしても、それもやっぱり自分たちで全部やりながらだったら難しかったですし、金額もやっぱりシード取って、次、シリーズAとかみたいなところまで本当に最速で来ましたし、そこはたぶん間違いない。

村中:そうだね。お金の出方で言ったら、そうだよね。というか、シリーズAではないよね。

飯野:はい。シリーズAも飛び越えているぐらいの成長と投資ですから。
それこそバックオフィスもそうですよね。自分たちで弁護士事務所探しからやらなくても最初から全部揃っていますし、経理もそうですし、僕らなんかカスタマーサポートもフルに使わせてもらっています。僕ら星1と星5で振り切るサービスなので、カスタマーサポートをパンクさせるぐらいAQUIZが占領しちゃっていますけど(苦笑)。

村中:そういうのを引っくるめて、何というのか、グロースが早いって言っちゃっていいのかな。事業としてのステージアップがすごくスピーディーにできると。

飯野:まだ僕らは失敗するかもしれなくて。

村中:どうなんだろうね。皆IPOを目指すのは、夢だからなのかな。憧れとか。だから、そっち目指す人のほうが多いっていう意味で、今のところこっちがマイノリティーなんだと思う。

飯野:僕は、上場企業の社長になることとかには一切興味なくて。結局「いや、何やったの?」っていう話になるじゃないですか。例えば資産100億持っていますとか、1000億持っていますとか言うんだったら、LINE作った人とかのほうがかっこいいと思うんですよね。なので、僕みたいな感覚でそこにフォーカスする人だったらサービスがグロースし得る選択を取ったほうが明らかにいいよね、としか思わない感じですね。

村中:なんて言ったらいいんだろうね。大人サポートみたい。

村中:起業家の人たちは皆、もちろん自信を持っていると思う。持っていないとたぶんできないんで。だけど、自信があるとして、周りからあれこれ言われたくないから自分でやっているのか、言われた時にむしろそれを柔軟に取り込みたい人なのか、まず分かれる気がする。柔軟に取り込みたい人なら、普通にアドバイス受けてやったほうがいいよね。

飯野:そうですね。

村中:だから人生の目標が違うんじゃないかな? IPOを目指さす人は、例えば5年かかろうが目指せばいいんじゃない? だけど、別にそこを目指してはいなくて、世に面白いプロダクトをどんどん出したいってなったら、やっぱり時短で最速でやっていかなきゃという考え方になる。だから、ネクスト飯野太治朗をDMMにもし招き入れるとしたら、「世の中に痕跡を残したい連続起業家カモン!」みたいなことになるかな。

飯野:僕、正直、最終的にはリターンも絶対大きくなると思っているんですけどね。自分でもやっていたし、今もやっているから分かりますけど、やっぱりベンチャーが普通にやって売上10億を目指すのと、DMMに入っていろんなサポートを受けて、当たった瞬間に100億まで伸ばすのとだったら、ぶっちゃけ後者のほうが可能性が高いと思っていて。
しかも、当たった時に自分で「営業利益の10%ください」みたいに交渉できる権利はあるじゃないですか。さらに言えば、そういう感じで大きな成果を出せれば、次に「外、出てやるぞ」となった時でも「アレを作った人ね!」という信用は残るから、そうすれば次のスタートも早くなるわけで。

だから、そういう目線から見ても、いろいろプラスのほうが大きいかなとは思います。僕自身はさっき言ったみたいに35歳までに作り切るぞっていうのがあるので、そんなに長い目では見ていないですけど、長い目で見ている人こそ、もっと向いているじゃないかなっていう気もします。
20代でしっかり経験を積んで、いろんな人のアドバイスを受けて創って当てるっていう経験をすれば、次、例えば30か40か分かんないけど、自分でやりますという時に信用があるのは大きい。信用のほうがお金よりも絶対上だと僕は思ってるんです。

村中:上だね。

飯野:やはり、そうですよね。信用があれば「またやるよ」って言った時に、お金も人も集まる。

村中:みんな協力してくれるしね。

飯野: そうなんです。

村中:本当にそうだよ。だって、オレ自身、ふわっと説明するだけでも会ってもらえるもんね。「クイズ? 何それ?」っていうところから、とりあえず聞いてもらう。それだって、自分に信用があるからできていること。 

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飯野:そうなんです。もちろん今は、そこを僕が分断しないようにする責任があります。誰でも気安く「紹介してください」ではなくて、紹介してもらうからにはとにかく自分の全力で熱量をぶつけるっていうのは、もう当たり前のことかなって思っています。それができなかったら、僕の信用じゃなくて村中さんの信用に傷が付いちゃう。

村中:大事だよね、信用。お互い、もっともっと信用される人になろう。

飯野:そのためには僕は、本当に第一歩としてしっかり結果を出すことですかね。

村中:AQUIZはもう、見えてきているよね。あとはどこの市民権を得るのかみたいなところだけ。世の中やっぱり「どことやっている」のかはものすごく大事だから、広告踏めば上がっていくにしても、そういう部分を意識してやっていくといいかな。

飯野:ありがとうございます。まずはアプリ内収益を最大化する仕組み作りをしてから順番に、しっかりやっていきます!