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チームのパフォーマンスを可視化する〜トータルモチベーションの創出〜

チームのパフォーマンスを可視化する〜トータルモチベーションの創出〜

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はじめに

はじめまして、ペイメントサービス部 ポイントスクラムチームの佐藤です。
現在は、スクラムマスターとして組織のパフォーマンスとプロセスの最適化に取り組んでいます。

今回の記事では、チームのパフォーマンスを最適化するために取り組んできた 「トータルモチベーション(以下ToMo)の創出」 ついて、その内容とチームに表れた効果を紹介したいと思います。

この取り組みは『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』を参考にしておりますので、詳細はぜひ書籍をご覧ください。
book.dmm.com

ToMoとは

簡単に言うと 「仕事のパフォーマンスに影響を与える総合的な動機」 のことです。

人が働く動機というのは以下6つに分類されます。

- 「楽しさ」〜仕事自体が楽しいから
- 「目的」〜仕事が生み出す成果(社会的貢献)に価値を感じるから
- 「可能性」〜仕事によって自身の能力を高めるため
- 「感情的圧力」〜周囲の人の期待を裏切らないため
- 「経済的圧力」〜報酬を得る、または処罰を免れるため
- 「惰性」〜特に理由がなく惰性で続けている

前者3つの動機は「直接的動機」、後者3つの動機は「間接的動機」と呼ばれ、それぞれパフォーマンス(※)を向上/低減させる要因となっています。

(※)パフォーマンスは以下2つに分けられます。

- 戦略的パフォーマンス〜計画されたことを遂行する能力
- 適応的パフォーマンス〜計画されていないことに対して臨機応変に対応する能力


直接的動機は適応的パフォーマンスを高め、間接的動機は戦略的パフォーマンスを高めます。

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ToMo指数の算出方法と組織の業績との関係

ToMo指数とは、『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』著者のニール・ドシ氏と、リンゼイ・マクレガー氏によって提唱されている指標です。

ToMoを構成する6つの動機を7段階でスコア付けしたうえで、下記の計算式により算出されます。

ToMo指数=(「楽しさ指数」×10+「目的指数」×5+「可能性指数」×1.66)-(「感情的圧力指数」×1.66+「経済的圧力指数」×5+「惰性指数指数」×10)

「直接的動機」が高いほどToMo指数を高め、「間接的動機」が高いほどToMo指数が低下します。

またToMo指数は、企業の業績・顧客満足度に高い相関関係があることが実証されています。

▼参考
How Company Culture Shapes Employee Motivation

以下は航空業界と食品小売業界におけるToMo指数と顧客満足度の相関を示したグラフです。

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ToMo指数の高い企業ほど顧客満足度が高い傾向にあることが分かります。

And the impact isn’t limited to customer satisfaction. In one hedge fund, the highest performing portfolio managers had higher total motivation. And in one retail organization we worked with, we found that the difference between a low-ToMo and high-ToMo sales associate was 30% in revenues.

また下記の例のように、ToMo指数は顧客満足度だけではなくパフォーマンスや売り上げにも影響を与えることが分かっています。

  • あるヘッジファンド企業では、パフォーマンスの高いマネージャーはToMoが高い傾向にあった
  • ある小売企業では、ToMoの高い店員と低い店員の間で30%の売り上げの差があった

チームのToMo指数測定結果と傾向

上記の算出方法を元に、我々のチームでも定期的にToMo指数の計測を行なっています。

初回の計測結果では、チームの平均点は6.67とあまり良い数値は出ませんでした。
直接的動機では「楽しさ」「目的」の指数が低く、間接的動機では「感情的圧力」の指数が高い結果が出ていました。

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その後もToMo指数の測定を継続して行い、全体的な数値の底上げとともに数値が大きく下がった指数に対する改善のための取り組みを行ってきました。
ここではこれまでに行った改善の取り組みをいくつか紹介します。

「楽しさ」指数を向上させるための取り組み

ToMo指数向上のために最初に取り組んだことは、ToMo指数にプラスの影響を最も大きく与える「楽しさ」の指数を向上させることでした。
そもそもチームには、日々繰り返し行っている定型化した作業が多かったり、リリース作業が煩雑で時間がかかっていたりという課題があり、それらの業務が「楽しさ」を低下させている要因であることが分かりました。

そこでチームの抱えている仕事を全て洗い出し、楽しくないと感じる仕事を減らす取り組みを行ってきました。
この取り組みにより、アラートの日次確認といった定型化した作業の削減やリリース作業のChatbot化が進められてきました。
結果として「楽しさ」の指数が、測定開始当初の4.67から直近で5.50まで向上しています。

「目的」指数を向上させるための取り組み

次に「目的」の指数を向上させるための取り組みを行いました。
アンケートの結果から、『何のためにやるのかが分からず作業ベースで情報が共有される』『成果に対するフィードバックが受けられていない』という課題があげられました。

改善施策として、情報の透明性を高めるため具体的には以下のような取り組みを行ってきました。

  • こまめにMTG議事録や部会の内容を展開し、目的やフィードバックを共有
  • 古くから稼働しており役割が分からなくなってきたバッチ解析をチーム全員で実施
  • スプリントゴールを定め、日々の業務の目的を明確化

これらにより、「目的」の指数は測定開始当初の4.00から5.50に向上しました。

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全体的な推移

最後にチームのToMo指数平均値の推移を紹介します。
サンプル数が少ないため、月ごとの変動も大きくなってしまいますが、概ね右肩上がりで推移しています。
特に取り組みを行ったタイミングで大きく指標が改善しているのが分かります。

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まとめ

パフォーマンスには「戦略的パフォーマンス」と「適応的パフォーマンス」あり、昨今の不確実性の高い世の中では後者の適応的パフォーマンスの高い組織が求められます。
適応的パフォーマンスを高めるには、組織に属するメンバーの動機の質(ToMo)が大きく影響してきます。
ただし、戦略的パフォーマンスと適応的パフォーマンスはトレードオフの関係にあるため、両方のバランスを取ることが重要になります。

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今後も定期的にToMo指数を計測して動機の質を可視化することにより、組織のパフォーマンスの最適化に取り組んでいこうと思います。

さいごに

私の所属するポイントスクラムチームでは一緒に働いてくれる仲間を募集しています。
ご興味のある方はぜひ下記募集ページをご確認ください。
dmm-corp.com