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前例のないインハウスでのCM制作。コーポレート室 クリエイティブ制作グループとは?

前例のないインハウスでのCM制作。コーポレート室 クリエイティブ制作グループとは?

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12月1日より全国で放映開始されたDMM.com初のコーポレートCM。その制作に携わったのはコーポレート室 クリエイティブ制作グループです。所属メンバーは3名ながら、展開するCM全15パターンの企画、構成、編集までをこのメンバーで内製! 今回の記事では、このCM制作の裏側をinside編集部がたっぷりと取材してきました。

 

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内製でのCM制作にあたって

まずはチームについて教えてください。普段はどんな業務を行っていますか?

中村:コーポレート室のクリエイティブ制作グループで通称「クリポ」と呼ばれています!

チームメンバーは僕を含めて3名で、僕自身はメインディレクターを担当しています。 

林篠:自分は動画編集をメインに担当しています。

阿部:私は普段ディレクションとデザイン業務をしています!

中村:普段の業務内容としては、広報用の動画コンテンツやデザイン制作に始まり、事業の宣伝用動画コンテンツの制作、スチール撮影、印刷物制作など業務範囲は多岐に渡ります。

今回制作した企業CMの概要を教えてください。

中村:「DMMって、何をやってるのか分からない」って、世間の大半の方が思っていますよね?(笑)

「何をやっているか分からない」のだったら「◯◯をやっています」という具体的な答えを皆さんにお伝えすればいい。そう考えて、世の中とDMMのコミュニケーションをフォローするCMとなるよう、シンプルだけどインパクトのある構成で制作しました。

制作にあたって改めてDMMの事業を調べ直したのですが、社員の僕らですら「ウチの会社、こんなこともやってたんだ...」という発見と驚きがあったくらいなので、世間の方にはもっとインパクトがあるんじゃないかなと思っています。領域問わず何でもやる様から、副産物として「挑戦的なDMM」というイメージも浸透してくれると嬉しいですね。

CMは現状15パターン制作しましたが、DMMにはたくさんの事業があるので今後もまだまだ増えていく可能性があります!

今回、企業CMを制作することになった最初のきっかけは何でしょうか?

中村:昨年、ブランディング施策として出したコーポレートメッセージの流れを受けて、動画でもアプローチしたいという経営層からの要望があり、当初はWebを中心に展開するCMを制作するつもりでした。

クリポ3人それぞれが構成案を考えて、絵コンテやVコンテを計15案くらい提出したところ、そのうちの1案が社内で好評となり「WebだけじゃなくTVCMも作ろう」という流れになりました。

阿部:それ以前から、社内交流会のオープニング動画を自主的に提案して制作するなど映像での実績があったので、経営層から私たちのチームへ依頼しやすい関係性の土台ができていたように思います。

クリポチームは今回の企業CMで実際にどのような役割で、どのようなことを行ったのか教えてください。

中村:今回は僕がクリエイティブディレクターで、阿部がアートディレクター。林篠さんがメインエディター、といった役割分担でした。ただ、CMの制作本数がなんせ多いので、二人にも本業をまたいでディレクション業務も数本担当してもらいました。

制作体制として、基本的にはベースとなる企画や構成、最後の仕上げにあたる本編集は我々クリポが担い、撮影については外部のプロダクションと協力しつつディレクションしながら進めました。

林篠「CMのディレクションはすべて内製」。これが一番のポイントだと思います。

 

内製でやることのメリットは何でしょうか?

林篠:何よりもまず、制作において柔軟でスピーディな対応が可能になります。加えてコストの削減という意味でももちろん大きいですし、社内に制作過程のデータがすべて残るため、アップデートや二次利用がいくらでもできるのも大きなメリットです。随時の修正にも即時対応できますね  

中村:DMMには多数の事業やプロジェクトがあり、社外のクリエイターに依頼すると社内文化や事業の共有にある程度の時間を要します。一方で、そこに予め理解があるうえで制作を進められるのは内製だからこそで、経営層とも密にコミュニケーションを取りながら全方位で納得のいくクリエイティブに仕上げることができる。

そもそも業界的にも、この規模のTVCM制作の内製はあまり前例がないんです。僕を含めたこのクリポメンバーにCM制作のノウハウがあったのはもちろんですが、それでも今回この大きなプロジェクトを実現できたのは、「クリポならできるだろう」とDMMの経営層がGOを出してくれた、そのチャレンジングな選択があってこそだと思っています!

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CMのこだわりや苦悩

今回の企業CMの見所や、こだわった部分などを教えてください。

中村:構成は全パターンで一貫しています。最初に少し静かな印象で視聴者に「これ、何だろう?」と思わせてから、巨大なコピー(「DMM、◯◯はじめました。」等)が突如表れる。DMMが何の事業をやっているのか、一番伝えたいことをシンプルに。これが制作意図の根底にあります。

ある意味で「まさかDMMがこれをやっているわけないよな」と思わせるような形になっているので、その意外性とともに事業認知をしてもらえたら狙い通りです!

他にもこだわった部分として、1カット目のテーマが:「緊張と緩和」であることが挙げられます。

例えばサッカー篇の1カット目は、一瞬でサッカーだと分かる映像ではなく、スタジアムであることは分かるものの、「これ何だ? サッカーだよな…」とぼんやり理解できるような映像にしています。その後、ドーンとキャッチが出て来て、「え、DMMがサッカーやってるの!?」と思わせる狙いなんです。

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それぞれの構成や企画は、どこから着想を得たのでしょうか?

中村:基本的には“シリーズ”としており、全15パターンでフォーマットとなる構成にあわせて各事業の映像素材を展開させています。それぞれの事業特性を考えながら「この事業を見せるならどういう画にしようかな〜?」と考えながらつくりました。例えば、プログラミングスクール篇では、事業ブランドとして”キャリア開発”という要素があり、キャリアを転換させる様子を分かりやすく見せる必要がありました。そこで、「DJ」から「エンジニア」という一般的には結びつきにくいキャリアの変化を映像化しました。

ちなみに、DMMが手掛けるプログラミングスクールである「DMM WEBCAMP」に実際に通っていた生徒さんの経歴を参考に制作しており、事業部や子会社とのコミュニケーションがあったからこそ実現した企画ですよね。

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実際に制作を進めるうえで大変だったことやハプニングなどのエピソードがあれば教えてください。

阿部:某案で当初役者さんを使いたいという事業部からの要望がありましたが、そうすると必然的に役者さんに目が行ってしまう。今回は事業やサービスの宣伝ではなくDMMという企業としての訴求が目的なので、お互いの譲歩や意図の共有・理解にはすごく苦労しました。とはいえ、その調整、双方が納得する落とし所の見つけ方は、社内の他事業部のメンバーとも常日頃からコミュニケーションを取っている内製チームだからこそ、スピーディにできたと思います。

中村:別の案では、当初撮影した素材が諸事情ですべて使えなくなるなどのハプニングがありました(笑)。

コーポレートブランディングCMとして理想のクリエイティブを考えたとしても、もちろん各事業にはサービスを運営していく上での条件や都合があります。そういった部分でちょっとした意見の相違が生まれた時でも、事業部のメンバーと密に話して打開策を見つけることができた。これはチームの経験として非常に大きかったと思います。もちろん反省もありますが、この経験は今後の業務に生きると思っています。

あとは…何より一番大変だったのは、制作する本数が多い! とにかく多い! 

今回は「なんでもやってるDMM」であることを伝えたいので、パターンを多く作ることにこそ意味がありました。そのぶんたくさんの映像を撮影しなければならないわけですが、撮影に関しては外部のプロダクションに協力してもらった部分もありつつ基本的にはすべてのパターンにおける構成、進行管理は我々で行っていたので、そのスケジュール調整が大変でした。

完成してからも、事業部や経営層、関係各所への監修が必要になるため、数にまつわる労力はすごかったなと思います。

撮影に携わっていただいた外部の方々にも、柔軟に動いていただき改めて感謝しております…。

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内製で作るという文化

今回のCM制作で身についたスキル、ノウハウなどを教えてください。

阿部:私は元々WEBデザイナーとしてDMMに新卒入社したのですが、入社してから映像制作に関わり始めたので、CMという大規模な撮影の立ち会い自体もほぼ初めてでした。私自身、WEBデザイナーとしてWEBデザインだけをやってきたというわけではなく、DMMに入社してからも映像業務に関わるために自分で手を挙げて今の部署にいるという経緯もあり、こうして貴重な経験ができて嬉しかったです。

林篠:「なんでもやってるDMM」篇の編集仕上げ作業で、パソコンに映っているメーカーの企業ロゴを消さないといけない、ということが完成直前になって判明したことがありました。時間との勝負になるのですが、そういうのってCMならではの作業なんですよね。DMMに入ってからはなかなか発揮する機会が少なかったスピードと技術ですが、前職からの経験が生かせた瞬間ですね(笑)。そういう意味で、社内にこういったCMを作る機会や人員が増えて、技術を引き継いでいけたらいいなって思いますね。さらに内製でどんどん作っていけるようになれたら素晴らしいなと。

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最後に、今回のCM制作に関わって良かったことや、今後の展望があれば教えてください。

中村:僕は入社4年目なのですが入社時の面接で「DMMのCMを作りたい」って宣言していたので、ようやくそれが叶った感はあります。

林篠:自分も企業のロゴモーションを作りたいという願望があったので、DMMのロゴモーションを自分が制作することができたのは喜びですね。

阿部:新卒4年目でここまで大きな全社的な案件に関われると思っていなかったので、年齢・経験関係なく任せてもらえたことは大きな経験になりました。手を挙げればチャンスが巡ってくるのはDMMならでは、と改めて実感しました。

中村:今後の個人的な思いとして「企業が内製でCMを作る」という文化がもっと広がると良いなと思っています。 

広告を作る人間がその企業をどれだけ理解しているか。広告制作においてこれは何より大事なポイントで、世の中に広く企業の存在や価値を認知させるために必要不可欠だと思っています。例えば外注で制作を頼んだ場合、会社の外から見た分析、提案、プレゼンという流れが一般的です。内製であれば、中の人目線で自社の強みも弱みも常日頃からの肌感として持っていて、外にはない実体験から企画、構成を考えられる。これは非常に効率的ですし、CMを作るうえでの新しい手法として定着してほしい。今後の業界にとって非常にプラスで、クリエイターにとっても新しい道になるのではと思っています。

 

クリポチームの皆さん、ありがとうございました!

今回制作したCMギャラリーはこちら!

https://special.dmm.com/movies/cm2020