こんにちは。デザイン本部のマルシオです。 DMMのアートディレクター・光岡いさおが主催する「デザインコンセプト勉強会」。
第3弾となる今回のテーマは、題して「自分も見つめ直せる!? 絶対できるコンセプト講座! 」。 デザイン本部アドクリエイター部の「鬼軍曹とし」が講師を務めるブランディング講座です。 鬼軍曹の愛ある鞭でしごかれるうちに、マルシオも我を見つめ直すことができたのか……。 鬼軍曹の渾身のメッセージをお届けまします!
社内で対立することほど無駄な工数はない!
DMMデザイン本部アドクリエイター部所属チーフ。 主にDMM GAMESの外部広告に携わり、ゲームから派生したアイドルユニット「ブレドル」のプロデューサーでもある。 DMMオンラインサロン、DMM mobileなどのブランディングに携わる。 デジタルハリウッドやHAL東京でコンセプトメイキングの講義経験あり。 DMMコンセプトメイキングの毛利小五郎。 |
もしもサービスにコンセプトやブランディングがなかったら、どうなると思う?
「誰のために?」、「何のために?」を追求するのがコンセプトメイキングですよね。 それがまったくない状態でサービスを展開するってことは……
混乱だ。
誰が混乱するんでしょうか? ユーザーですか?
皆、だ。
ユーザーはもちろん、サービスをつくる当事者たちも混乱する。
当たり前だが、サービスをつくるのはデザイナーだけじゃない。マーケターや営業、多種多様な職域の人間が関わっていて、皆それぞれの立場から見えるものは違う。
求めるものが少しずつ異なるのも当然のことだ。
訴求軸がブレたまま、各々が好き勝手にサービスを作り出したら、確かにできあがってくるものはカオスかも。
各部署とも「売上をあげよう」という共通の目的はあっても、その目的までのルートをどう設定するか、その意識はマチマチで曖昧なことが多い。
同じ目的を目指して走っているはずなのに、いつの間にか足並みが揃わなくなる。
社内で対立することほど無駄な工数はない!
君はサービスを愛しているかい?
では、ブレをなくすためにはどうすればいいか?
考えるべき5つのポイントを伝授する。
|
サービスに関わる全ての部署、スタッフ間でこの5つについて共通認識を持っていないと、訴求軸がブレて混乱が起こる。
あの……できるだけサービスを愛したほうがいいのは分かるんですが……、なんでもかんでも好きになるのは難しいっていうか……。
好きになる方法を伝授する。
まずは触れてみることだ。理解と経験からしか愛は生まれない。
そのサービスに関することを、隅から隅まで調べ尽くすんだ。
ネット上にある人の感想はどうでもいい、自分なりに何かを感じる。
それが愛への第一歩だ。
調べ尽くして実際に体感して、逆に嫌いになることもありませんか?
いい質問だ!
「嫌い」という感情が生まれるということは、興味を持ったということ。
どこかを変えたいと思う。
それもまた一つの愛の形だ。
好きってわけじゃない人も、付き合ってくうちに、気がついたら好きになってたヤツか……。
潜在意識と崇拝的価値でブランディングを決める
ここからは実践編だ。
DMM mobileで実際に行ったワークショップとその成果を振り返ってみよう。
まずは、サービスの軸となるキーワードから連想ゲームだ。
DMM mobileなら「スマホといえば」からスタートして、思いつく単語をどんどんつなげていく。
例えば、「SNS」や「高い」から、「コミュニケーションツール」や「2年しばり」とつなげて挙がったキーワードからマインドマップを作成する。
マインドマップに潜在意識として表出したものこそが、ブランディングの肝となる。
潜在意識とは、無意識のこと。
つまり、自分自身が把握できていない本当の自分の姿とも言える。
人間の意識のうち顕在意識が占める割合は5〜10%、対して潜在意識は90〜95%とされており、人間の行動は潜在意識が決めていると言っても過言ではない。
ワークショップで大切にすべきことは、チームでマインドマップを共有することだ。
感情のポジティブ、ネガティブはなんとなく想像がつくんですが、 行動のインドア、アウトドアって具体的にどういうことですか?
それはターゲットの行動傾向を指している。
ターゲットがどんなシチュエーションでサービスを使うのか?
派生したキーワードからターゲットのライフスタイルや行動範囲を探る、そのためのポイントだ。
それが分かったら次に考えるべきことは、崇拝的価値だ。
崇拝的価値とは、サービスを通してターゲットにどうなってほしいかを決める要素で、マインドマップで挙がったキーワードを使って、これを見出すワークショップが次のステップだ。
生活の一部になったとき、そのサービスはどんな影響をターゲットにもたらすのか。
ターゲットにとってどんな存在となり得るのか。
その答えがブランディングの要と言えるだろう。
考えるな、感じろ
結論を出すことがワークショップの目的ですか?
ワークショップの目的は結論や答えを出すことではない。
ワークショップをきっかけに、サービスに関わる人間がサービスについてとことん考える。
参加者のインサイトを引き出す。
それが目的だ。
確かに、いつも一緒に働いていてもすべてを分かり合っているわけではないし、ワークショップを通して「こんなこと考えてたんだ!」っていう発見もありそう。
吐き出すことで、一定の方向へ向かうことができる。
人間とは不思議なものだ。
とことん考えられるようになるために、普段からできる訓練方法ってありますか?
大切なのはただ一つ。
考えるな、感じろ。
(えー! 考えろって言ってたじゃん!)
考えることができる動物であると同時に、第六感も兼ね備えているのが人間だ。
「ひらめき」や「直感」も第六感の一つだと、鬼軍曹は考えている。
巷で聞く「神が降りてきた」という表現もまた然りだ。
ただ、「ひらめき」も「直感」も、経験なくして生まれない。
人は考えることにより、第六感、つまり「感じる力」が鍛えられるのかもしれない!!
考えることに正解はない!
鬼軍曹の愛の鞭のおかげで、ブランディング初心者のマルシオも、そのエッセンスをつかむことができた気がします。
根底に流れるのは「考える」ことの大切さ。
考える力を付けることこそが、遠回りなようで、実はブランディングの源泉なのです。
次回のデザインコンセプト勉強会のテーマは「先手必勝!! 調査データを基にデザインをリードする!」。
レポートをお届けする予定ですので、お楽しみに!