DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。
事業

5年前からリモートワークに取り組む部署に聞いた、Withコロナでの働き方とは?

DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。

  • 梶 進一(かじ しんいち)

    2007年DMMに入社。2010年に社長室へ異動し、BPO事業、プロジェクト評価や社内向けの事業所サイトを導入。2015年には障がい者雇用率の達成プロジェクトから専門組織となったビジネスクリエーション部の部長に就任。

  • 畦地 祥子(あぜち しょうこ)

    2002年DMMに入社。 2004年にコンテンツ制作部のマネージャーに就任し、2019年にはWebサイト運営部部長に就任。

新型コロナウイルス対策により、リモートワークの需要や環境整備が急激に高まっています。

そんななか、全国の多くの職場がリモートワーク導入に四苦八苦する一方で、すでに5年前からリモートワークを開始していたのが、DMMのビジネスクリエーション部(以下、BC部)です。そこで今回は、リモートワークの極意と言えるものを探るべく、DMMの障がい者雇用を担っていることでも知られるBC部にインタビューしました。同部の部長である梶さん、そして、梶部長入社当時の上長でもあり、自身もWebサイト運営部の部長としてリモートワークを推進している畦地さんの二人の声を対談形式でお届けします。(インタビュアー:コーポレート室 飯田)

 

BC部については、こちらを参照ください。
リモートワークを活用した障がい者雇用がDMMらしい話|inside.dmm.com

二人の出会いとBC部立ち上げの経緯

飯田:ではまず、お二人の出会いについて聞かせてください。

梶:2007年に派遣社員として入社し、動画配信に関わるコンテンツを作る部署で動画作成・静止画作成を行っていたのですが、入社当時の上司が畦地さんでした。
当時は、コスト削減のために中国に業務をアウトソースする業務も担当していて、実際に大連(中国)に行ったこともありました。
当時の経験は現在の業務にも活きており、畦地さんへの信頼もまさに入社当時から変わっていません。

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畦地:当時の梶くんは、仕事ぶりも真面目でしっかりしているという印象でした。
入社から3年くらい経った時に、当時の社長が社長室という組織を持ちたいということで梶くんに声が掛かり、しぶしぶ異動させた記憶があります(笑)。

飯田:その社長室では梶さんはどんなことをしていたんですか?

梶:社内のどこに振っていいか分からないミッションの達成や、案件のテコ入れなど業務内容は多岐に渡っていました。
当時は会社の規模が年間500人増えていくという成長期で、それに伴い障がい者雇用率の達成(当時は法定雇用率2.0%)がマストになり、プロジェクト化されました。

そこから2014年にプロジェクトの延長線上として部署化されることになりましたね。

飯田:それが現在のBC部の前身なのですね。

リモートワークの悩みやTips

飯田:それでは、畦地さんの現在のWebサイト運営部でのリモートワークの状況はどのような感じなのでしょうか?

畦地:部署としては現在200名以上おり、一部、出社が必要なチームを除き基本はフルでリモートワークをしています。 

飯田:なるほど。苦労している点はありますか?

畦地:運営部は声の掛け合いが多く、小さなグループ同士はメンバーがオンラインで常時接続しています。
そのなかでも、対面だと少しの会話で通じることもリモートだと聞きにくい点があり、やはりコミュニケーション面で苦労していますね。
チャットだとニュアンスが伝わらず、的確な指示を行うのがすごく難しいなと。

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飯田:出社時にはグループでの作業が多かったでしょうし、それが現在は「個」での作業が多いとなると、元気がなくなってしまうメンバーもいますよね。

畦地:そうですね。
それを解消するために、グループリーダー、チームリーダーと社員の3名で2週に1回、オンラインで1on1を行うようにしています。
面談時はなるべくカメラをONにしてもらい、顔色や様子を確認するなど、そんな事にも気を配っています。
あとはチームのMTGでも、大人数だとカメラを付けても全員の顔が追いきれなくなり、表情を読み取ることができなくなって要件が伝わりきっていないことも出てきたので、グループ単位で出社ルールを決めています。
リーダーだけは出社日を決めて対面でのやりとりを心がけていますね。

飯田:一方、梶さんのBC部では障がい者の皆さんと今までずっとリモートでのやりとりが行われていましたが、リモートならではのコミュニケーションの工夫や、社内で今後のヒントにできそうなことは何かありますか? 

梶:BC部でも1on1は定期的に実施しています。
1on1では健康状態もヒアリングしており、障害のことについても本人に確認していますね。障害の悪化が勤怠不良に繋がってくるので早期発見するよう努めています。
また生活面については、上司からのアドバイス以外にプロの知識も必要なので、障がい者の職場定着を支援してくれる支援員さんにも同席していただき、本人にヒアリングしてもらっています。
支援員さんには社会福祉士と精神保健福祉士の資格を持っている方もいますし、企業からだけの視点だけではなく第三者の視点が入るのも意味があると思っています。
自分にも支援員さんが付いてくれるといいなと思う時があるくらい頼もしい存在です!

飯田:確かに、通勤出社時は目標達成の確認などが1on1での主なアジェンダでしたが、リモートになった今は自分も同じく体調を聞いたりしていますね。私たちにも支援員さんのような立場の方がいてくれると安心だろうなと感じます。
畦地さんは現状どういうサポートが必要と感じていますか?

畦地:上司である自分たちにもっと知識が必要だと感じています。
産業医のメンタルヘルスのセミナーに出た時の知識をもとに何とか対処はしていますが、上司だけではなく、気持ちを前向きにすることを優先に、様々な視点を持った第三者機関を頼ることも大事だと思っています。

ジョブ型の働き方とは?

飯田:ではリモートになり、仕事やコミュニケーションが上手くいかず悩んでいる方へ梶さんからアドバイスはありますか?

梶:リモートでは円滑なコミュニケーションとモチベーションアップが難しいと思います。
ただし、障がい者雇用においては、元々精神障害の方はコミュニケーションが苦手なこともあり、報告においても定型文を準備したり、スプレッドシートで進捗を変更すれば(報告まで)チャットで飛ぶような仕組み作りを行ったりしているので、出社しなくても仕事が成立しているというところです。イレギュラーが起こった時の報連相はもちろん徹底していますが。

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飯田:BC部は、仕事に対して人を割り当てる「ジョブ型」という働き方が確立されていますよね。
メンバーシップ型雇用が人に対して仕事を割り当てるのに対し、ジョブ型雇用は日本では最近注目され始めた働き方の一つです。

畦地:私たちから見ても、BC部ではリモートワーク前提での業務フローが確立されていたというのは強味ですね。
Webサイト運営部では、リモートワーク前提の業務フローが確立されていない状態で急遽対応せざるを得なかったので、実際にミスが起きてから気付くような、とにかく常に新しい課題が出てきています。 

飯田:梶さんは中国で仕事をした経験もあり、状況は違えど、コミュニケーションの壁を乗り越えながら仕事を形にしてきたと思います。マネジメントするうえで気を付けているポイントはありますか?

梶:2つあるのですが、まず1つ目は業務において、理解度のテスト(トライアル)を行うことにより適材適所を見定め、業務に合ったメンバーをマッチングするようにしていることです。
もう1つはミニマムスタート(少数精鋭)をするようにしており、慣れたところで業務範囲やメンバーを拡大し、並行して増員したメンバーへの教育を進めていきます。
あとは最低でも1ヵ月は業務にチャレンジしてもらい、適応できない、もしくはスキルが足りないと判断した場合は他の業務に転換してもらうようにしていますね。 

飯田:なるほど。BC部では属人化しすぎない仕組み作りを行なっていると言えそうですね。今のお話で畦地さん、何か気づきやヒントはありましたでしょうか?

畦地:はい。今は社員、派遣、アルバイトなどの雇用形態によって業務範囲が決まっておらず、属人化している部分も多いんです。
雇用形態によっては正に「ジョブ型」への見直しを進めているところで、テストというのも理解度を測るうえで大切かもしれないと思いました。
今までは時間がなかったこともあって、テストってなかなか受けてもらいにくいところがありましたよね? だから実践で業務を覚えていってもらうしかなかったんですよね。
そういったテストをうまく実践できれば仕事のミスも減っていくかもしれないですね。

最後に

新型コロナウイルスの影響も相まって、今後も時間ではなく成果で評価されるジョブ型雇用への移行が進むと見られます。
マネジメント目線では、業務の仕組みを作ることができる人材や、第三者的にアドバイスできる人材の必要性が感じられているようです。
今後、リモートワークが標準化されていくなかで、業務の分担や成果の明確化がより一層求められいくことでしょうが、まずはBC部のようにシステム化を進めていくことが最優先になってくるのかもしれません。

 


〜厚生労働省 障害者雇用対策ページに掲載されました〜

 

BC部の取り組みが障害者リモートワークの事例集として厚生労働省 雇用対策ページに掲載されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shisaku/jigyounushi/index.html

 

<都市部と地方をつなぐ 障害者リモートワーク事例集>
詳細はこちら(p.24掲載)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000617771.pdf

 

また、BC部では一緒に働いてくれる仲間を募集しています。
ご興味のある方はぜひ下記募集ページをご確認ください。
DMM.com ビジネスクリエーション部 | 障がい者リモートワーク雇用

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