「DMMチャットブースト」のキーマンである緒方、横関、大野にサービス好調の裏側を聞きました。
リピーター重視の「時代にマッチしたサービス」で右肩上がりの成長に
「DMMチャットブースト」のテレビCMは謎の覆面レスラーが登場しますが、反響はいかがですか?
横関:一足先にタクシーでも同じCMを流していて、反響は大きいですね。
緒方:でもこのサービスって、CMを始める前からずっと好調なんですよ。
宣伝もしないうちに、すでに好調なんですか?
横関:2020年にサービス提供を開始し、わずか1年ほどで累計500社以上の企業に導入されています。理由は明確で、LINE公式アカウントを使ってリピーター顧客を獲得する事が確実にできるからだと思います。
昨今はトラッキング広告の規制が厳しくなり、メール広告はすぐに迷惑ボックス行きです。
そこで現在は「多くの新規顧客を集める」より「リピーター顧客を獲得する」という点に戦略がシフトしています。そのためには、開封率が高くて密なやりとりができるコミュニケーションツールが重要となるわけですが、日本ではLINEが圧倒的に選ばれています。
「DMMチャットブースト」は2020年のサービスローンチから現在まで、顧客のニーズをきちんと捉えられているので、ずっと右肩上がりの成長が続いているんです。
実店舗のリピーターを増やすのが「for店舗」
ECのリピーターを増やすのが「for EC」
まったくの新規顧客を獲得するのが「CV」
AIチャットボットが、ユーザーのニーズに合わせて購買・契約行動をサポート
そもそも「DMMチャットブースト」の「for店舗」と「for EC」の特徴を教えてください。
緒方:「for 店舗」と「for EC」に共通する特徴は、お客さんからの問い合わせにAIがLINE上で自動回答してくれるんです。
事業者さんからしたら煩雑な対応の時間が大幅に減り、お客さんからしたら知りたいことに迅速に対応してくれることになります。リピーター獲得に不可欠な顧客満足度を向上させながら、本業により集中できるのがメリットですね。
横関:最近、ECサイトを運営する事業者さんって増えているじゃないですか。ただ、「発送日はいつになりますか?」「送料はいくらですか?」など、ちょっとした問い合わせのメールや電話にかなりの時間を割かれてしまっているケースがとても多いんです。
「for EC」を導入すると、商品を購入したお客さんがECサイトのLINE公式アカウントを友だち登録するだけで、基本的な問い合わせはすべてAIが自動で回答してくれるようになります。つまり、導入した事業者さんは「誰でもできるけど時間がかかっていた対応」から解放されるというわけです。
同じような内容をリアル店舗で実現できるのが「for 店舗」ということですか?
緒方:はい、その通りです。もっとも導入が多いのは美容室・サロンですね。ほかには飲食店、宿泊施設、ゴルフ場、学習塾などでも導入が増えています。このような事業者さんも電話やメールの問い合わせがとても多いんですけど、「for 店舗」を導入すればLINE公式アカウントが自動で回答してくれます。
予約確認も簡単です。お客さんが「予約を確認したい」とLINEで打てば、すぐにAIが返信を送ります。
横関:「for EC」と「for 店舗」は詳細な顧客管理機能も大きな強みです。お客さんの属性に合わせたきめ細かい訴求ができるので、リピートにつなげやすくなります。
「CV」の立ち位置はどうなっているんですか?
大野:「CV」もAIによる自動回答を活用している点は共通していますが、新規顧客獲得の増加により注力したい事業者様は「CV」を使ってください。
特設サイトやウェブサイトに訪れたお客様のうち95%くらいは、購入やサービス登録に至らずに離脱してしまいます。ただし、「すぐに購買や登録はしないけど、興味はあるお客様」ではあります。LINE上でボットが中長期的にセールストークを展開し、お客様の疑問解消などを行うことで購買・登録に導くサービスになります。
例えば「CV」を導入いただいている英会話学習サービスのサイトに、興味のある方が訪れたとします。英会話を勉強したいと思いつつも小さい出費ではないのでまた後で考えよう…とサイトから離れると、「LINEの友だち登録をして、あなたの英語力を診断して、おすすめの勉強方法を診断しませんか?」といったポップアップが表示されるんです。
離脱ユーザーをLINEの友だち追加へ誘導
友だち登録をしていただけたら、LINE上でチャットボットが自動で接客を始めます。お客様のゴールや現状をヒアリングしながら適切な学習方法を提案して「もしこのサービスを使うなら更に効果的に学習できますよ」と入会までご案内。言ってみれば、AIのセールスマンみたいなものですね。お客様サイドから見ても、購入前に知りたいことや迷いが解消でき、よりスムーズな購買体験につながると思います。
DMM Boostは「ヤンキーインターン」で注目を集めたハッシャダイが前身で、非大卒の方が活躍されています。対照的にDMMグループのAlgoageは東大卒や高学歴の方が中心ですね。社風がかなり違うと思うのですが…?
大野:それでいうと、われわれAlgoage側が思考に偏るというか頭でっかちになっていた時に、DMM Boost側から「それ一回試してみたほうがいいんじゃない?」といったアドバイスをくれたことがあって。
ハッシャダイのメンバーは、「成果を上げるためにはもっと打席に立たなければいけない」というスタンス。すごく学ばせてもらったこともあり、スピーディな事業立ち上げができたと思っています。
横関:確かに僕らは新規事業をどんどん作っていく社風なので。
でも確かな開発力を持った大野さんたちだからこそ、かなりスピーディに事業を展開できています。
緒方さんも、3人で一緒に仕事をしてみて感じるものはありますか?
緒方:企業が大きくなると、どうしても新規事業が生まれるスピードというのは遅くなってしまいます。そういった課題を感じている中で、お二人と仕事をしていると、非常に良い刺激になります。
大野:予想を超えてかなりの爆速で売上が伸びているのは、チームが良いからだと思います。
※各サービスのさらなる詳細は下記をご参考に。
構成・編集/平 格彦 取材・執筆/橋本 歩 撮影/高橋 団