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ChatGPTでライティングの未来はどうなる?ライターのためのAI活用術!

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2023年6月30日、WEBライター向けのイベント「WebライターとChatGPT活用の未来」をDMMの六本木オフィスで開催。 登壇者は、ライターのヨッピーさん、Microsoft社のChatGPT担当者の高野悠哉さん。42 Tokyoの理事長の坂之上洋子さんがファシリテーターを務めました。 イベントではトークショーだけでなく、ChatGPTを活用したワークショップも実施。 いま話題沸騰のトピックということもあり、定員の100名を大幅に超える応募があった本イベント。白熱のトークショーとワークショップの様子を、レポート形式でお届けします。

  • (登壇者)ヨッピーさん大阪府出身、現在は東京都在住のライター

    「インターネットや!これからはインターネットの時代や!!」と調子よく飛び出てきたのは良いけど、最近はAIが猛威をふるいはじめて「そのうちワイの仕事が奪われる……!」とガタガタ震えている。TwitterのIDは@yoppymodel

  • (登壇者)高野 悠哉さん日本マイクロソフトData & AI Specialist

    2021年より現職にてData/AIの利活用領域からお客様をご支援。入社前は、様々な立場でDXを推進。 -NRI 経営コンサルタント(09年~)ビッグデータを活用したマーケティング戦略立案 -ソフトバンクロボティクス 新規事業担当(15年~)Pepperや4足歩行ロボの活用提案 -ユニクロ 店舗DX推進(19年~) RFID等のデータ活用

  • (ファシリテーター)坂之上 洋子一般社団法人42 Tokyo理事長

    米国のEコマースベンチャー企業のマーケティング副社長を経て、NYで起業。同社を売却後、経営ストラテジストとして様々なプロジェクトに参画。 ニューズウィーク「世界が認めた日本人女性100人」に選出。東京大学非常勤講師。観光庁初代ビジットジャパン・クリエイティブアドバイザー。ビルゲイツ財団と日本政府とのコラボレーション等の戦略を手がける。現在上場企業数社の戦略顧問や社外取締役を兼任。

 

参加したライターのうち半数はChatGPTを日常的に使っている

イベントでは、まず会場に集まったライターに「ChatGPTを使ったことがありますか?」という呼びかけが。ほとんどの人が手を挙げ、うち半数の方は日常的にChatGPTを使っていることがわかりました。

会場の反応を見て「うわー!ライターの仕事が取られる!」といよいよ焦るヨッピーさん。

ヨッピーさんからの最初の質問は「ChatGPTを使った『量』によるSEOハッキングは今後起きる?」というもの。これに対して高野さんからは「ある程度は取られてしまうかもしれません」と厳しいお答えが。

ただ、すぐに仕事が取られてしまうわけではなく、現時点だとそこまで高いレベルの記事をAIで作るのは難しいとのこと。

DMMでSEOの責任者を務める渡辺隆広に事前にこの質問をしたところ「AIでSEO対策したがる人は多いが、現実には難しい」との回答も会場でシェアされました。

渡辺「ウェブサイトで情報を発信する目的は、読者に伝えることが第1。Googleは世界中のユーザー閲覧行動データを集計・分析してコンテンツの有用性を判断できるようになっています。そのため、ChatGPT や他のAIを活用して”それっぽいコンテンツ”を作っても、ユーザーが満足できなければ評価されることはありません。AIで大量に記事を作っても、ユーザーが満足しなければ検索流入は増えないのです。ChatGPTの文章は、人の心を動かすレベルには至っていないので、怖がる必要はありません

ChatGPTの影響が大きいであろうジャンルは「まとめ記事」

ヨッピーさんから高野さんへの2つ目の質問は「(ライティングの中で)特にChatGPTの影響が大きそうなジャンルは何ですか?

インタビュー記事、おもしろ記事、まとめ記事などあらゆる記事の中で、一番ChatGPTの影響が大きいのは何かが最近気になっているそうです。

ヨッピーさんだけでなく、ライターなら誰でも気になるこの質問。高野さんのお答えは「まとめ記事のように、すでにある記事をもとにして新しい記事を作るジャンルはChatGPTが得意な領域」というものでした。

逆に影響が少ないジャンルとしては、ハウツー記事やインタビュー記事。高野さんいわく、「ハウツー記事は、最終的に人間の手がいる可能性が高い」「インタビュー記事のように、現場に行く必要がある記事の作成は厳しい」そうです。

そんな高野さんの話に半信半疑のヨッピーさんは「インタビュー記事でも、ある程度質問が決まっている簡単なものならAIで出来てしまうのでは?」と重ねて質問。

それに対して高野さんは「メールでインタビューができるようになっても、対面取材はなくならなかった。人間を相手にする場合は、ライターが直接聞く方がおもしろい話を引き出せる。今後ChatGPTが進化してもそれは同じ」と人間による対面取材の価値を強調し、これにはヨッピーさんも納得の様子でした。

また「ChatGPTにおもしろ記事は書けるのか?」という質問に対しては「おもしろい記事を書いてと指示するだけでは書けない。ただ、プロンプトを細かく作って丁寧に聞けば作れる可能性はある」と回答。

ChatGPTにたくさんのアイデアを出させ、その中から人間が選ぶことでおもしろ記事を作るという未来もあり得るそうです。

AIツールはうまく使えば大幅な時短になる

ヨッピーさんの3つ目の質問は「ライターにおすすめのAIツールがあれば教えてください

この質問には登壇者だけでなく、参加者からも回答が寄せられました。なかでも盛り上がったのは、国内最大級のAIライティングサービス「Catchy(キャッチー)」。

Catchyは、目的に応じてタイトル・見出し文を作ったり、文字数を増やしたりできるサービスです。会場では、これを使って5000字の記事を1時間半で作れるようになったという参加者の実体験も聞くことができました。

他に「Notta(ノッタ)」「Rimo Voice(リモボイス)」といった文字起こしツールをおすすめする参加者も。
AIツールのおかげで、2時間かかる文字起こしを3分に短縮できるようになったという話を聞いて、ヨッピーさんは「サボりだと思われるから、このツールの話は編集さんに内緒にしましょう!(笑)」と一言。会場は笑いに包まれました。

一方、坂之上さんのイチオシは、英文を自動生成してくれるAI「Grammarly」。ビジネスメールや友達への手紙など、シチュエーションにあわせた英文を作ってくれる機能が非常に便利だそうです。

Microsoft社員である高野さんのおすすめは、もちろん「Microsoft Teams」。
現状の会議の文字起こし機能に加え、今後は会議の内容の要約機能や、自動で会議の準備をする機能が搭載されると語りました。

現状のChatGPTは「記事のたたき台」を作るのに最適

トークセッションの後は、ChatGPTとBingを使ったワークショップを開催。

今後はAIを活用して、いかに質の高い企画を考えられるかが重要になる」という意見を受け、参加者には「実際にAIを使って企画を考え、記事を作ってみる」という課題が出されました。

課題に取り組む前には、高野さんからAIを使って企画を考えるときに気をつけるべきポイントの紹介。

<ChatGPTで記事を作るときのポイント>
1.ChatGPTは2019年12月までのデータを使用しているので、情報が古いことがある。不安に思うところはBingで調べる方がよい。
2.ChatGPTは「アイデア出し」に使うのに向いている。特性を活かした使い方を!
3.プロンプトはできるだけ詳しく。箇条書きでもよいので細かく指示する。
4.文章だけでなくImage Createrという画像を作る機能もある。記事の中に画像を入れるときに使うのにおすすめ。

正確ではない情報の例

 

プロンプトに詳細情報を入力した場合とそうでない場合の例

20分のワークショップの後、参加者からはたくさんの企画と記事が提出されました。

ここでは、その中から特に登壇者が気になったものをご紹介します。

1.20代の若者はなぜ純喫茶に惹かれるのか(ヨッピーさん選出)

記事の目的やターゲット、ChatGPTへの指示内容

ChatGPTに記事を書いてもらってから、自身の知識を足して仕上げたというこちらの記事は、20分で書かれたとは思えないほどのクオリティでした。

完全に自動で作った記事ではないものの、ChatGPTがあることでいつもより断然早く書くことができたとのこと。
坂之上さんからは「(ライターからすると)仕事が早いアシスタントができるようなものですね!」というコメントが寄せられました。

2.育毛剤と発毛剤の違いは?(高野さん選出)

ChatGPTで書いたうえで、事実と異なるところをBingで修正して書いたというこちらの記事。

記事の目的やターゲット、ChatGPTへの指示内容と記事の一部

高野さんいわく「ChatGPTにお店や商品の一覧を書かせると、存在しない店や商品を挙げてしまうことがある。(この企画のように)一度書かせた上で人がファクトチェックをするのが最適」とのこと。

また、薬事法など複雑なルールが多い記事はまだまだChatGPTには難しく、たたき台を作るために使うのがよいとのお話もありました。

3.漫画家、藤本タツキはどうして人気になったのか(ヨッピーさん選出)

『チェンソーマン』『ファイアパンチ』など人気漫画の作者として知られる藤本タツキさんについての記事。

記事の目的やターゲット、ChatGPTへの指示内容

こちらの記事は、過去作や作風についての記述が少なく、ヨッピーさんからは「(ChatGPTは)もっと『ファイアパンチ』の話書いた方がいいよ!」という語気強めのツッコミが入りました。

それに対して坂之上さんからは「こういう愛のある記事こそ、これからも人間が書くべきかもしれませんね」という意見が寄せられ、将来的にChatGPTが普及していく中で、どういう記事が人間の仕事として残っていくかのヒントを与えてくれました。

また、ワークショップにあわせて、イベントの冒頭のヨッピーさんの自己紹介をChatGPTに解説させた結果も披露されました。

「今年に入ってChatGPTが出てきてから、いよいよ仕事がなくなると思って、毎日震えて泣いています。子供にも、ミルク飲ませながら謝ってます。よろしくお願いします」という文章をもとにして作られたのは以下の文章。

「今年に入ってからGPTの登場によって、私たちライターの仕事は大きく変わりました。(中略)私が子供を持つ一児の母親でもあるため、特に大きな問題でした。ミルクを飲ませるために頑張って働かなければならないのに、仕事がなければ生活が成り立たないことがとてもつらい現実でした。(中略)
しかし、私はあきらめずに、時代の中に食い込んでいく方法を模索しました。今では、GPTを活用した記事の作成や企業の発表文の作成など、広報担当者として新たな仕事にも挑戦しています。(中略)引き続き、ヨッピーをよろしくお願いします」

会場からは、勝手に一児の母親になったり、広報担当者として挑戦し始めた架空のヨッピーさんに対する笑いも。ChatGPTのすごさと限界を同時に見せつけてくれたチャレンジでした。

ワークショップのあとは登壇者と直接話せる交流会も実施。イベントは終始、大盛り盛り上がりのうちに幕を閉じました。

実はこのイベントの企画もChatGPTが作りました

熱気にあふれた本イベント。実は、このイベントの企画もChatGPTが作っていたんです。

イベント企画時のChatGPTへの指示内容の一部

今後は、企画やアイデア出しがAIの仕事になっていくのかもしれません。本記事を参考に、ぜひあなたなりのChatGPTの活用術を見つけてください。
 

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