こんにちは! DMM inside編集部です。
DMM.comは、2019年7月29日に石川にある4つの事業所の移転・統合をしました。構想10年でついに実現した石川事業所の移転・統合ですが、今日は新事業所の設計に関わったデザイナーのお二人に今回の設計の裏側についてお話しを聞いてみたいと思います。
今回の設計に関わったきっかけ
インハウスデザイナーが今回のような箱物設計に関わることは珍しいと思うのですが、お二人が今回の事業所の設計に関わった経緯を教えてください。
向本:今回の建築会社より上がってきたコンセプトとパース画についてプロジェクト内見直し提案をしたところプロジェクトリーダーより直接設計して欲しいというチャンスを頂き、根本的なコンセプトメイクから建築会社と行うことになりました。
声をあげたら直接設計ができるというのはまさにDMMらしいなと感じましたね(笑)。
確かに、提案したら任せてもらえるというのはDMMらしいですね。実際に設計に関わることになり、お二人はどのような役回り(担当)だったのでしょうか?
竹内:石川事業所メンバーとのデザイン確認と、人の動線を意識した全体のレイアウト、コンセプト設計を行いました。
コンセプトに基づき事務所のレイアウト(ゾーニング)をどのように考え、活かすかの考慮とその際にどのような什器活用をしたら仕事にプラスになるか、そういったところを特に意識して設計しました。
向本:そこからは、人の働き方の面でアートディレクションを行ってくれている竹内とこちらで設計したハード面のイメージがマッチしているかのすり合わせを行いつつ、連携をしていった感じです。
二人ともお互いの部分に提案しつつ進めていったので明確な線引きはないのですが、私はハード面(レイアウトや動線、什器全般)、竹内はソフト面(人の働き方や什器の活用法)を中心に担当し、連携しました。
ちなみに、竹内さんが担当したソフト面(人の働き方や什器の活用法)とは、実際どういったことをやられたのでしょうか?
竹内:働きやすい環境づくりということで、壁紙の配色を考えたり、DMMでは1on1をよく実施するのですが、その際、対面ではなく斜めに座るほうがコミュニケーションが円滑になると言われているので、それが実現できるように工夫をして什器を配置するなどしました。
また、ロッカーもただロッカーとして使うのではなく、簡易MTGができるようにロッカーをテーブルとしても使えるように設置してみたり、いたるところにコミュニケーションが活性化するきっかけづくりを行いました。
「ナチュラルコミュニケーション~自然につながる、自然とつながる~」がコンセプトの石川新事業所
https://speakerdeck.com/dmm/
先ほど、ちょうどコンセプトという言葉が出てきたのでお伺いします。今回、石川新事業所のコンセプトは「ナチュラルコミュニケーション~自然につながる、自然とつながる~」ですが、このコンセプトにはどういった意味が込められているのでしょうか?
竹内:まず前提として、石川は複数事業所で文化醸成してきた経緯があり、現時点までそれぞれの事業所で異なる文化が育っていたんです。
今回はその異なる文化を一つにまとめて育てていく必要があり、その際にお互いのことを理解し合うところからスタートする必要がありました。
そこで重要になってくるのが、やはり「コミュニケーション」です。自然と「つながり、広げる」カタチで背中をそっと優しく押してあげられるようなそんな事業所にしていきたいと思ったところから、今回のこのナチュラルコミュニケーションというコンセプトが生まれました。
ありがとうございます。向本さんが今回のコンセプトの設計をするうえで、大事にしたことなどあれば教えてください。
向本:ひとくちにコミュニケーションといっても、いろんな形があると思っています。まずはその在り方を幅広く考え、どこでどのようなものが生まれているのかを想像しました。それと、実際にその場をイメージした時、どのような気持ちで後押しされるとその仕事は心地良いかなどを想像しながらコンセプトを組み立てました。
- 1on1など、すごく相手の懐に入っていくような距離の近いコミュニケーション
- 同僚同士が楽しく会話できる融和的なコミュニケーション
- 自身と向き合うためのコミュニケーション
- ちょっとしたすれ違い時の偶発的な挨拶や井戸端会議
- 会議は、冷静で建設的なディスカッションや熱い意見をぶつけ合うもの
- 上記のすべてにおいて目指すべきものは説得力のある発信
それらをアートディレクターに伝え、MTGルームやコミュニケーションスペースの在り方に繋げています。
自身とのコミュニケーションも大事に考えた部分で、いわゆる思考のON/OFFが行える場所として集中スペースやテラス席など気分を切り替えて仕事が行える環境も用意しました。
さらに、チーム単位での計画発表には大会議室、社外へのイベント発信などではフリースペースといった具合に用途を明確にしたうえで、それぞれのスペースを作りました。
コンセプトを設計するにあたって難しかったことはありますか?
向本:冒頭でもお話ししたとおり、私自身、最初から設計に関わっていたわけではなく途中参加だったので、すでに話が進んでいたものをひっくり返すところから始まりました。
その点は、かなり勇気がいりましたけど、実際に自分たちが働く事業所に対して想いを伝えたいと思ったところから始まり、最後までそこを軸にして頑張れました。
ですが、結果的に、残り3ヵ月程のタイトなスケジュールのなかでの再設計となって、そこはさすがに大変でしたね(笑)。
それと、以前も南町の事業所を設計させてもらいましたが、今回は箱の大きさが全く違う点と、真四角かつ天井が高い(3.6m)箱をどのように形づくるか、その箱の特長をどのように活かすのかという点が以前と全く違ったため、非常にバランスを整えるのが難しかったです。
新事業所のデザインも素敵なものが多く、六本木にいる私も羨ましく感じています! おすすめのポイントやこだわった点をいくつか教えてください。
向本:事務所全体にグリーンのバランスを活かし、柔らかい雰囲気にまとめ上げることを常に意識しました。もちろんコンセプトからずれないようコミュニケーションに対してのシナジーを考えながら設計していきましたので、そこはやはりポイントです。
キャビネットに立ちMTGテーブルを設置したことや、その上に置き型テラリウムで会話を演出してあります。その他は、会議室の配色を変えた壁紙なども、色の持つ力などを考えながらかなり時間をかけて何度もやり直して今に至ってます。なかでも一番拘ったのは、3つの区画を横一線で繋いだ吊り下げグリーンで、それがこの新事業所の「つながり」のシンボルとなってます。
竹内:各部署の代表にヒアリングを行いながら内装を決めていったのもポイントです。事業所の移転というのは仕事にもプライベートにも関わるとても大きな変化なので、なるべくネガティブなことにならないよう、各部署の方と「どういう環境が合っているか」という視点でコミュニケーションの形を設計段階から一緒に考え、決定していきました。
最後に、移転したばかりですが、実際にこの新事業所で働いてみていかがですか?周りの皆さんの反響も含めて教えてください。
竹内:まずは皆さん全体の開放感とグリーンのバランスの良さを気に入ってくれているようでした。天井が高いので、吊り下がるものがあっても圧迫感がなく心地良いと言ってくれています!
向本:早速お昼に皆がフリースペースで楽しく食事をしている様子などもとても楽しそうで、初日でいろんな笑顔を拾えたことが自分のなかでは何よりの反響です。
もちろんまだ使い方やルールがわからないことで戸惑っている方もいましたが、意見を出して相談することが文化が生まれる瞬間だと思ってます。声も拾い続けていきますので、皆さんも直接声を上げて一緒に良くしていってほしいです!
向本さん、竹内さんありがとうございました!
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