研修を「新卒が安全に失敗できる場所」にしたい
金沢オフィスでは、新卒の方にどんな研修を行っているのでしょうか?
大きくわけると、オペレーション研修とプロジェクト研修の2つがあります。
オペレーション研修では、動画配信や電子書籍などのオペレーション業務を実際に行ってもらいます。一般的に「研修」と聞いてイメージするものはこちらに入ると思います。
プロジェクト研修は期間内に課題を達成してもらう研修で大きく2つあります。一つ目が、課題図書を週に1冊読み、その内容をアウトプットし続け、最終的にプレゼンをしてもらう研修。もう一つが課題に対して打ち手を考える、今年は「新卒が考える新卒研修」を考えてプレゼンしてもらうものです。
週に1冊本を読みながらプロジェクトをこなすのは、新卒にとってはかなりハードに思えます。
プロジェクト研修は、ギリギリこなせる量の課題を出すようにしているんです。意地悪をしたいわけではなくて、能力ぎりぎりの課題をこなすことで、早いうちからタイムマネジメント能力が身につくんですよ。
あとは、読書によるインプットと研修によるアウトプットを繰り返すことで、スキルやノウハウがより定着するというのもメリットです。
ハードな研修の場合、新卒同士で揉めたり、失敗したりすることもありますよね。
その通りです(笑)。ただ、こちらとしては「研修中にたくさん失敗して欲しい」と思っています。
学生時代は、失敗しても許してもらえる環境だったと思います。でも、働き始めるとそうはいきません。「あなたが期限を守らなかったせいで、取引先に被害が出ました」ということも普通に起きてしまいます。
だから、研修期間中に失敗することで、学生から社会人になる訓練を積んで欲しいんです。研修というのは新卒が安全に失敗できる期間でもあると思うんですよ。
「期限を守れなかった」「課題ができなかった」といった研修時の失敗に、会社としてどういう対応をしていますか?
新卒同士で揉めた場合は、まずは本人達でコミュニケーションして解決してもらいます。それでも難しい場合は、相談してもらったうえで我々が対応しています。
それから、失敗の相談にもできるだけ丁寧にフィードバックしています。たとえば期限を守れなかった場合、報告のタイミングは適切か、正当な理由によるものかといったことも考えてもらい、失敗を次に活かせるように指導します。
ほかに、年が近いメンターをつけて相談しやすい環境を作る、定期的に1対1のミーティングを設けて状況を把握するといったことはしていますね。
研修には「新卒の人生がかかっている」
非常に充実した研修内容ですが、ここまで力を入れているのはなぜですか?
新卒社員の採用と研修が、金沢オフィスの組織改善に必要不可欠だからです。
金沢オフィスは、事業の戦略立案といった上流の仕事が東京オフィスに比べて少ない傾向にあります。でも、自分としてはこれを変えて、金沢の社員にもっといろんな仕事にチャレンジして欲しいんですよ。
いままで組織改善のコンサルティングをやってきた中で、組織や社風を改善するには、長期的には人を育てる事が一番有効だということを学びました。特に、金沢のような状況では、人材の中でも特に新卒などの若い人材をどんどん入れるのが効果的です。
だから、会社全体のためにも、金沢の新卒にはしっかり時間をかけて研修するようにしています。
新卒としては非常にありがたい環境ですね。
そうですね。DMMの研修のいいところは、人事部だけでなく現場の第一線で活躍している社員が研修をしてくれることなんですよ。
しかも、それぞれがすごく時間をかけて研修をしてくれる。自分たちで言うのもなんですが、すごく恵まれた環境を提供できていると思っています。
研修を受けた社員に「将来こうなって欲しい」という夢はありますか?
3年でチームのリーダー、5年でマネージャーになれる人材を育てたいです。DMMはどんどん事業成長していてリーダーが足らない状況なので、新卒からリーダーになる事例はもっと出てきて欲しいと思っています。
あとは言語化の能力が高い人材になって欲しいですね。ビジネス職って、自分の意見をわかりやすく伝える能力が必須だと思うんです。他部署の人と解釈がずれたせいで、プロジェクトが止まる例をこれまでたくさん見てきました。
だからこそ、僕らが育てた新卒には、高い言語能力をもとにスムーズにプロジェクトを進められる人材になって欲しいです。
目標が具体的で、長崎さんが新卒の研修に本当に力を入れているのが伝わります。
自分の場合は、研修はメインの業務ではないんです。だから「なぜそんなに時間をかけるのか」と聞かれることもあります。
ただ、本人からすると新卒研修というのは人生がかかっているんですよ。同じ会社にずっといるという時代ではないので、彼ら彼女らはいつかDMMを出る日が来るかもしれません。
そうなったときに、「どこに行っても恥ずかしくない人材にする」「次の世代を育てられる人材にして送り出す」というのは、新卒に研修をする側が常に心得ておくべきことだと思っています。
将来まで見据えて研修してもらえるのは、いまの時代に非常にありがたい環境ですね。最後に、DMMに興味がある学生へメッセージをお願いします。
面接では、個性豊かで「もっと話したい」と思える学生さんに出会いたいと思っています。
世間一般の面接対策をたくさん読むより、等身大で思いっきりぶつかってきて欲しい。スキルはなくても大丈夫です。ぜひ、そのままの自分で会いに来てください。