今年もDMMの新卒技術研修が始まりました。
DMMに新たに加わったトップエンジニアも講師として参画し、昨年の技術研修参加メンバーも運営に加わり、一段とパワーアップした研修になっています。
※2019年の内容については以下をご参考ください。
DMM.comの新卒技術研修がスタートしました!|inside.dmm.com
今年の技術研修の特徴
2019年は新規で内製化を行いました。2020年は、昨今の状況を踏まえ、70日間の研修におけるほぼ全てのカリキュラムをオンライン化して実施しています。
技術研修のコンセプトは、「プロダクト開発に必要な技術」を知り、自身の「知識の地図」を作ることです。これにより、実際の開発現場で立ち向かう課題の解決方法を養います。
研修開始時には、CTOより技術研修参加メンバーへ「リモートで大切なこと」を伝えていただきました。
運営としても、リモートだからこそコミュニケーションへの配慮に重点を置きたいと思っています。既存社員からオンラインでのランチ会を誘ったり、オンラインでのゆるのみを企画したりと、コミュニケーションを軸として新卒入社メンバーのフォローに対する議論を毎週行っています。
研修のカリキュラム
昨年のカリキュラムをベースにブラッシュアップしています。
基礎技術
- 仮想化基礎:0.5日
- Webアーキテクチャ:1日
- コンテナ入門(Docker/Kubernetes):1日
- AWS:6日
- Web基礎知識:0.5日
「サービス基盤がどのようになっているのか」「ユーザーにどのようにコンテンツが届いているのか」などの基本的な部分から入り、クラウド・オンプレについて学びます。その後、AWSを直接触り課題をこなし、簡単なインフラ基盤が作れるようになる演習です。
プログラミング言語学習
- SOLID原則:0.5日
- サーバーサイド(Go):7.5日
- フロントエンド(HTML/CSS):2日
- フロントエンド(VDOM React.js):4日
- モバイル開発技術(Android):4日
- モバイル開発技術(iOS):4日
この研修では、小規模なWebサービスを1人で実装します。
サーバーサイドのAPIを構築し、WebフロントやAndroid/iOSアプリで取り扱う各アプリケーションの実装の全てを1人で行います。
開発手法
- スクラム開発:2日
- 振り返り(KPT):0.5日
- ソース管理(GitHub):0.5日
- ビルド、デプロイ、ジョブ実行(Circle CI):1日
- テスト技術:1日
- 負荷テスト、パフォーマンス・チューニング:0.5日
DMMで取り扱われている、チーム開発でより速く正確に開発ができるようなグッドプラクティスを多く学びます。
応用・周辺技術
- ログ・リソース監視:1日
- サイバーセキュリティ:1日
- AWS ECS/Fargate:1日
- terraform(インフラ構成管理):1日
- KPI分析手法、科学的改善:1日
- 機械学習:1日
- サービス発案・ソリューション企画:3日
DMMの強みとして、サービス開発だけではなくその後の運用改善やサービスグロースにもエンジニアが関わっていくことができます。課題発見・ユーザー発見・サービス企画(0→1、PSF)のプロセスを体験しながら、データドリブンのサービス改善ができるような知識とスキルを身に着けます。
その他
- 輪読
- エンジニアリング組織論への招待
- リーダブルコード
- 大規模サービス技術入門
- チーム開発演習
エンジニアとして多くの良書を読む機会を作り、他者からの学びも得られるように輪読会を導入しています。また、研修の後半では、学びの集大成としてチーム開発演習も行います。
DMMのオンライン講義
今年の技術研修では、主にZoomを利用して行っています。チーム課題等については、ブレイクアウトルーム機能を利用しています。
オンライン講義では、受講生の理解度確認が難しいというデメリットがあり、研修開始直後に早速その問題にぶつかりました。しかし、新卒メンバーより「Comment Screen」の提案を受け、すぐに導入しました。その結果、講師と受講生の意思疎通がスムーズになり、コミュニケーション課題が改善されました。
即提案&即実践というアジリティの高さに運営として驚きましたが、現状に満足せず、今後も研修での様々な改善やグッドプラクティスの発見ができればと思っています。
利用ツール
各ツールを以下のように利用しています。
Zoom
講師が画面共有をしたり、ブレイクアウトルームでディスカッションやチーム演習をしたりしています。
Comment Screen
講義中のリアクションに利用しています。講師の問いかけに対してリアルタイムに反応が返ってくるので、受講生側の反応を見ながら進めています。
Slack
資料や各種情報の展開や質疑応答のログとして利用しています。研修関連と事務連絡についてはチャンネルを分けています。
Trello
週次でKPTを実施しています。
オンライン講義ガイドライン
講師は日によって変わるため、研修の品質を一定に担保できるようにオンライン講義ガイドラインを準備しています。
- 出席や進捗把握が個人単位で確認できるように、専用のスプレッドシートを並行利用する
- 資料はできる限り事前に展開し、講義中の理解度確認はこまめに行う
- 専用のslackチャンネルを作成し、情報が分散しないようにする など
おわりに
新卒エンジニアが将来のDMM.comを牽引できるよう、盛りだくさんな研修内容になっています。同期と教え合い、専門性の向上に加えて周辺知識も身につけながら、山のように大きなスペシャリティの土台が作れるよう、約3ヶ月半駆け抜けることを講師・運営ともに応援しています!