全ての若者が自分の人生を自分で選択できる社会に
一般社団法人HASSYADAI socialは普段どんな活動をしているんですか?
僕たちは「CHOOSE YOUR LIFE」というスローガンを掲げ、どんな環境でも自分の人生を自分で選択できる、そんな社会を実現するために活動しています。
全国の高校や少年院、児童養護施設などで講演したり、キャリア教育プログラムなどを行なっています。またサポーター企業と連携し、若者たちが自分自身の可能性を発見し、形にしていくためのオンラインプログラムなども実施しています。
なぜ18歳の成人式を開催しようと思ったのでしょうか。
共同代表の勝山も僕も決して裕福とは言えない環境で育ちました。思い返すといろんな苦労がありました。それでもここまでやってこれたのは、本当にたくさんの人たちが僕を信じて、応援してくれたからだと思っています。
誰かに本気で信じてもらって応援してもらった体験は、僕たちの”人生のお守り”となり、しんどいときやもうひと踏ん張りしたいときに元気を与えてくれています。
だから、僕たちもこれからひとりの大人として生きてゆく若者たちを信じて応援したい。これから人生が大変なとき、この日を思い出して、ぐっともうひと踏ん張りできる。そんな、彼ら彼女たちにとっての”人生のお守り”となるような、忘れられない体験を届けたい、そう思って活動をしてきました。
今回の18歳の成人式も、18歳という複雑な年齢に成人を迎える若者たちに 「生まれてきてくれてありがとう。これからよろしく」と僕たちから全力で伝えて、彼ら彼女たちの”人生のお守り”となるような体験を届けたいと思って、開催を決意しました。
694人からの応援で支援金1,000万円が集まった
構想から実現に至るまで、大変だったことや苦労したことはありますか?
倒れたことです(笑)。
最初はお金もなくてすべてが大変でした。クラウドファンディングでたくさんの方が出資してくださって、出演者の方も共感してくれて「何でもやるよ」と言ってくださったんです。そんなことありえないんですよ。こうしてスタッフが集まってくれることも、全部が神がかっていると思っています。
クラウドファンディングされたということですが、やってみてどうでしたか?
クラウドファンディングについては資金を集めるという目的ももちろんありましたが、それ以上に「これだけたくさんの大人があなたを応援しているんだ!」ということを、18歳の皆さんに伝えたくて証明したくて、挑戦しました。1,000万円という非常に高い目標に挑戦したこともあり、正直すごく大変でした。しかし本当にたくさんの方にご支援・応援していただいて、18歳を元気にしたいと思う人が自分たちだけじゃなかったということは、すごく嬉しかったですし希望を感じました。
引用:18歳を祝い応援する、新しい時代の成人式をつくりたい。
18歳の新成人へ「お守り」になる成人式に
イベントはどんな内容だったんですか?
経済的・環境的な要因で、参加したい気持ちを諦めてほしくなくて、参加費を無料にするだけでなく、交通費も支給する形にしました。また、オンラインでの参加も可能にしたことで、当日は約800名もの新成人が参加してくれました。
イベントで心に響いた言葉を持ち帰ってもらうために、一人一冊ずつノートを配布したのですが、将来の自分に対しての手紙を書いたり、自分のいいところを書き出したりして、一日で使い切ってくれている参加者もいたんです。
「新成年の主張」のコーナーでは会場の半分ぐらいの方が挙手をして、将来の自分へのエールや今後の目標、不安、感謝の気持ちなど、皆が素直な言葉で話してくれました。それぞれの等身大の言葉は、すべての人を勇気づけるものでした。
MOROHAさんやSUPER BEAVERさんのステージもすばらしくて、一生忘れられない光景です。
18歳を迎えるみんなの思い出に残るような、そして人生のお守りになるような経験となっていたらいいなと祈っています。
PR TIMESでイベントレポート記事が掲載されています。イベント内容を詳しく知りたい方はご覧ください。【開催レポート】「CHOOSE YOUR LIFE FES #18歳の成人式 2023」全国47都道府県から約800人が参加
イベントにゲスト出演した方や参加した方からのメッセージ
水野敬也さん
作家。1976年生まれ、愛知県出身。慶應義塾大学卒業後、『ウケる技術』『夢をかなえるゾウ』などがベストセラーに。恋愛体育教師として著書『LOVE理論』なども手掛けている。
今回のイベントを心待ちにしていたという水野さん。自身の若い頃のエピソードなどユーモアを交えて盛りだくさん回答してくださいました。
このイベント出演依頼がきた時、どんなお気持ちでしたか?
SNSで人を攻撃したりする風潮がある中、自分の中でのエンターテイメントって、もっと「あたたかい」とか「感動するもの」だと違和感を感じていました。三浦くんから話をもらった時には、すごく希望があるな!と感じて「これはやるよ!なんでも言ってくれ!」と言いました。
三浦さんとは最初から共鳴するものがあったんですね!水野さんが18歳のころはどんな思い出がありますか?
今よりもスクールカーストのようなものがあって、トップの一部の人だけが女子にモテている、そんな格差があったんです。ただひたすらモテを手に入れるんだ!という煩悩でしたね(笑)
水野さんの代表作に『夢をかなえるゾウ』がありますが、夢を叶えるためのアドバイスはありますか?
夢を実現させるために「スモールスタート」を大事にしてもらいたいと思います。何でもいいんですけど、小さなことでも同じようなことで再現する。それが未来に繋がると思います。
実際に水野さんもスモールスタートから夢を実現していて、すごく説得力があります!水野さんにとって「カッコいい大人」とはどんな大人ですか?
他者が踏んでジャンプできるような固い地面のような存在です。意識もしなければ、人にプレッシャーも与えない。マウントも取らない、存在感すら消えている。それが僕にとって理想の最終形です。
峯岸みなみ
タレント。1992年生まれ、東京都出身。2005年に女性アイドルグループ AKB48の第1期メンバーとして活動し、2021年に卒業。バラエティ番組やコラム執筆など多方面で活躍。
水野さんとのステージでは、絶妙なツッコミで会場を沸かせていた峯岸さん!アイドル時代の苦悩を回想しながら、「私も大人になったな」と感慨深い表情で回答してくれました。
このイベントに出演してみていかがでしたか?
せっかくなら新成人の皆さんに何か持って帰ってもらえたら、そんな思いで参加しました。皆さんに送る言葉でありながらも、私自身に言い聞かせているような感覚で、久しぶりに自分と向き合えた充実した時間でした。
色々な経験をしてみて「自分らしさ」について思うことはありますか?
悩むこともあると思うんですけど、“自分らしさ”は自分で決めるものではなく、人が決めるものだと思います。そこまでやり続けることも大事。
18歳という年齢はコンプレックスに悩む人も多いと思うのですが、そんな時はどうしたら良いですか?
自分の長所は短所と紐づいている部分もあると思っています。
私はネガティブ思考なので何でも考えすぎてしまうのですが、だからこそ相手の気持ちに慎重になったり、慮ることができるのかなと。それが自分の短所であり、長所でもあります。
MOROHA
2008年に、アフロ(1988年生まれ、長野県出身)と同級生のUK(1987年生まれ、長野県出身)で結成。アコースティックギター1本のみによる演奏とメッセージ性の高い歌詞が特徴。
MOROHAを代表してアフロさんにインタビュー。ライブの強烈なパワーに対して、とても柔らかく繊細な言葉選びでインタビューに回答してくれました。新成人と対面してみて、予想外の気づきがあったようです。
ご自身の18歳の頃はどんなことを感じていましたか?
若い頃は「大人の話なんか聞いてたまるか!」と、腕を組んで疑いの目を向けていたんです。だから、そういう18歳が集まっていると思って、俺はそれをどうにかこじ開けようとストロングスタイルで身構えて行ったら、もっと素直な子たちがそこにいたんですよ。
実際に会場の新成人と対面してみていかがでしたか?
イベント中に彼らの生の声を聞いて、俺みたいなひねくれ者が来ていたわけじゃないんだ!これは過去の自分が自分にかけた呪いなんだ!そう気付いたんです。だから俺は彼らを見て、これ以上自分が未来に呪いをかけず、肯定的に生きていきたいと感じました。
無意識に自分で自分に呪いをかけていることって、結構ありそうですよね。アフロさんにとって「カッコいい」大人とはどんな大人だと思いますか?
自分から好きになれる人だと思っています。好きになった相手や信じている相手に否定されても、心折れないで欲しい。俺も憧れのミュージシャンがなかなか自分のことを好きになってくれないんですけど、また好きになってくれる機会を探しているから、全然諦めていないんです。
SUPER BEAVER
ロックバンド。ボーカルの渋谷龍太(1987年生まれ、東京都出身)を中心に、ギターの柳沢亮太、ベースの上杉研太、ドラムの藤原"34才"広明によって結成された。若者を中心に人気を集めている。
今回代表してインタビューに答えてくれたのは、ファッションアイコンとしても注目されている渋谷さん。若者から絶大な人気を集めていますが、苦労もあったようで、当時のことを丁寧に振り返りながら回答してくれました。
ライブを終えて感想を聞かせてください。
会場から18歳特有の無垢であるが故のエネルギーを感じました。誰もが持つエネルギーだと思うんですけど、時間が経つと風化していく部分もあると思うので、オンステージしていて改めて感じることがたくさんありました。
全員総立ちですごいエネルギーでしたね!これまでの道のりの中で大変だったことはありますか?
僕たちはバンドとして決して順風満帆な歩みではなく、28歳まではバイトもしながら音楽活動をしていましたし、上手くいかないことがすごく多かったです。それでも続けてこれたのは、たくさんの人が助けてくれたり、声をかけてくれたことだと思います。
18歳くらいの時にやっておいて良かったことはありますか?
やっておいてよかったことより、やらなくて後悔したことの方が多いかな(笑)選り好みせず、色々な人と話していたことは良かったのだと思います。それが今でも、物事の基準になっている部分はありますね。
最後に、新成人に向けてメッセージをお願いします。
これから色々な仕事についたりすると思いますが、自分の「楽しい」を犠牲にすることなく進んで欲しいです。どんなことがあろうとも、自分の「楽しい」は自分でしっかり守ったほうがいいと思います。
最後にイベントの率直な感想を聞いてみました。「新成人の主張」で登壇してくれた女子学生も率直な気持ちを話してくれました。
イベントが終わってみていかがでしたか?
参加者1:アーティストのライブなどがあって、飽きずに楽しい成人式でした。
参加者2:他の18歳の人たちからいい刺激をもらえました。
参加者3:自分たちよりもすごいパワーを持っている人を見て、頑張らなきゃ!という気持ちになりました。
参加者4:ライブがあったので高揚感もあるのですが、もう子供でいられないんだという悲しさも少しあります。
イベント内で印象に残っていることは?
参加者1:「新成人の主張」のコーナーで、同級生の色んな意見を聞けて良かったです。
参加者2:学校行事では声出しが制限されていたので、ライブなどを通してコロナ禍の終息を実感しました。
参加者3:トークステージが面白かったです。MOROHAとSUPER BEAVERからのメッセージがすごく心に響きました。
参加者4:自分から挙手して皆の前で意見するような場は滅多にないのでいい機会でした。
これからどんなことをしたいですか?
参加者1:将来、経営者になりたいので、大学での勉強をしっかり頑張っていきたいです。
参加者2:何となく時間を過ごすのではなく、誰かの記憶に残るようなことをしたいと思いました。
参加者3:今後は、海外でメジャーデビューしたいと思っています。
参加者4:夢を叶えるために交換留学やバレエ、ピアノなど興味のあることに色々チャレンジしていきたいと思います。
イベントに参加した方のアンケートでは、97.5%が大変満足したと回答。
「大人の本音や気持ちを自分たちに声で届けてくれて、自分の人生を後押しされた気分でした!とてもよかったです!」
「今日は本当にありがとうございました。 お金になんて変えることのできない貴重な体験をさせて貰えました。どれだけ感想を書いてもこの嬉しさは表現しきれません。人生のなかのたからものになりました。今度は私がだれかのたからものを作ってあげる側になりたいです」
など、楽しいだけではなく、これからの人生にためになるイベントになったという声が上がりました。
ひとりでも多くの若者に勇気や知識を届けたい
18歳の成人式は来年もやる予定ですか?
来年もそれ以降も、ずっと続いていってほしいと思います。今回、僕自身が「やろう!」と思えたのは、僕自身がたくさんのものを受け取ってきたからで、次は自分が渡す側として繋いでいきたいと思ったからです。参加した18歳が大人になって「次は自分が渡したい」と思ってくれたら、次は一緒にやれたら、そんなにかっこいいことはないと思っています。
他にも取り組んでいきたいことはありますか?
たくさんあります。ハッシャダイソーシャルとしては、一人でも多くの若者が「CHOOSE YOUR LIFE」するために勇気や知識を届けるようなことをしていきたいです。今回の企画のように、勇気が湧くようなものも、実際に生きていく上で必要になる知識も伝えていこうと思っています。
昨今、詐欺の被害者になったり、逆に知らない間に加害者になってしまう10代が増えています。そんな課題を解決すべく教材をつくっています。みんなが元気になれる、そんな機会をずっとつくり続けます。
ハッシャダイソーシャルが作成した、高校生を対象にした詐欺や犯罪への啓発冊子
高校生へ冊子を配布したり、講演会を行なったりしている
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一般社団法人HASSYADAI socialの代表理事 勝山と三浦に取材している記事も合わせてご覧ください。ヤンキーインターンを生んだハッシャダイ!