民主化する“オンラインサロン”を牽引
DMM オンラインサロンのリリースから、4年が経過しました。現在は業界最大級のサービスになっていますが、改めて概要についてお伺いさせてください。

DMM オンラインサロンは、日本最大級の「学べる・楽しめる」会員制コミュニティサービスです。さまざまな領域で活躍される各界のトップランナーの方々が、オンライン上でサロンを開設してくださっています。

リリースから4年が経ち、今では多種多様なジャンルのサロンが生まれているよね。4年前と今では、業界にどのような変化が起きているんですか?

ここ1~2年で、オンラインサロンというサービスへの認知度が高まっていると感じます。以前は著名人の方が中心でしたが、村中さんがおっしゃったように、今では美容師さんやゴルファーさんなど、さまざまな職種のオーナーさんがサロンを主宰していますね。

いくつか競合サービスがあると思うけど、DMM オンラインサロンは現在、市場においてどのような立ち位置にあるのかな?

シェアのおよそ半数を占めている状態です。会員数が国内最大級になるまで成長しています。

ライバルは多いし、まだまだ競合は増えてきそうだね。

おっしゃる通りです。会社と家族以外に、スキルを伸ばしたり、趣味に没頭したり、自分と向き合える居場所を求める風潮が強くなっています。昨今はコロナウイルスの蔓延に伴うキャリアへの不安や、自宅からオンラインでのつながりを求めるなどしていることもあり、利用者が増えていますね。DMM オンラインサロンも、その流れに乗って成長を続けているところです。
つながりを生む“ハブ”としての役割
競合サービスも多いなかで、DMM オンラインサロンが成長し続けられている理由は、どのような点にあるのでしょうか。

プロダクトそのものと、サービスに強みを持っている点が、成長の要因だと思います。他社のオンラインサロンは、Facebookのグループ機能を利用している場合が多いですが、弊社は独自のコミュニティツールも提供しています。会員の匿名参加や入退会管理の自動化など、オンラインサロンの運営に特化した機能を有しているため、オーナーのみなさまにご好評をいただけていますね。
サービスに関しては、オーナー向けに運営の勉強会を開催したり、優れたサロンを表彰し、賞金を贈呈するアワードを開催するなど、細やかな支援を大切にしています。オーナーがサロン運営に没頭できるよう、ユーザーさんからのお問い合わせ対応をサポートセンターが巻き取っている点も、弊社の特徴です。
今年で4回目を迎える「DMMオンラインサロンアワード」の様子。オンラインサロンの成功事例や楽しみ方を知っていただいたり、モチベーションにつながる場として"いま、最も熱いオンラインサロン"と、"オンラインサロンから生まれた魅力的なプロジェクト"を表彰しています。
DMM.comにとって、オンラインサロン事業部はどのような位置付けにあるのでしょうか。

IT企業という枠を抜け出し、関わりのなかった業界と接点をつくれることに大きな魅力を感じています。たとえば著名人の方にサロンを開設していただければ、そこから芸能界とのつながりも増えていく。今後、新しい可能性を導くハブになってくれるのではないかと思っていますね。なのでオンラインサロンには、もちろん収益を上げながらも、新たな接点をつくる最前線に立っている認識を持っていてほしいですね。
村中さんから見ていて、オンラインサロン事業部の課題はありますか?

そもそも、オンラインサロンの価値は“クローズドなコミュニティ”という点にあります。有益な一次情報に触れられたり、スキルアップができたり、流通しない価値に触れられるわけです。しかしそれは、事業そのものが広がりにくいということでもある。なかなか、価値を伝えづらいんですよね。そこの折り合いをどうつけていくかは、次の課題だと思っています。

おっしゃる通りですね。でも、現時点でアイデアは山ほどあるんです。

じゃあ、早くやってよ(笑)。

押忍!!今、まさに動いているので!
識者の思想を浴びる、刺激的な日常
オンラインサロン事業部の、働く環境についてもお伺いさせてください。仕事のやりがいや面白さは、どのような点にあるのでしょうか。

一言でいえば、学びの機会にあふれていますね。オンラインサロンという事業の特性上、サロンを主宰する各界のトップランカーの方々と日々仕事をすることになります。つまり、業界の最前線の動向に触れ続けられる。むしろキャッチアップできなければ仕事にならないので、日々視座が上がる環境です。
僕はオンラインサロン事業部の仕事は、編集者やプロデューサーに近いと思っています。特にセールスを行う企画営業グループは、サロンオーナー候補を調査し、新規開拓と企画提案を行い、開設したサロンの運営を支援するのが仕事。原石を見つけ、プロデュースし、世の中に価値を提供するんです。

運営サイドや開発サイドはどんな雰囲気で、どのような業務に従事しているの?

運営サイドは、サロンを運営するなかで得た集客や活性化のノウハウを集約し、プロダクトの改善や既存のサロンに還元していくことが主な仕事です。サロンオーナーやユーザーのカスタマーサクセスを担い、会員獲得の促進も担当します。
開発であれば、まずは安全安心のプラットフォームをつくりあげることが第一。その上で、サロン運営に没頭できる独自のコミュニティツールを開発しています。事業部の雰囲気は、スタートアップに近いと感じていますね。
これまでのキャリアでベンチャー企業から大手企業までを経験してきましたが、DMM.comほど失敗に寛容な企業はなく、スピード感も圧倒的に早いと感じています。

ちなみに、サロンオーナーの候補となる人材は、どのように探しているの?

書店を訪れてトレンドを探したり、SNSに張り付いてタイムラインからヒントを得たり。そこは泥臭く、担当者が各々のスタイルで行っています。

オンラインサロン”とはいえ、現場の仕事は泥臭く、ウェットだよね。「サロンを主宰する」となると、オーナーも相当の覚悟を持たないといけない。開設してもらうときは本気で向き合わないといけないし、その後のフォローも必死で食らいついていかないといけないと思う。オフラインのコミュニケーションがあって、初めてオンラインでのビジネスが成り立っているしね。

そうですね。セールスもそうですが、ユーザーさんとのコミュニケーションもウェットだと思います。ユーサー目線なくして本当に優れたプロダクトはつくれないと思っているので、ご意見を直接ヒアリングすることもあります。ユーザーファーストなサービスであり続けることは、意識しているポイントです。
洗練された運用ノウハウが最大の売り
オンラインサロン事業部の、今後の目標についてお伺いさせてください。

シェアを拡大するだけでなく、市場そのものを大きくしていく必要があるなと思っています。世の中に無数にあるセミナーやファンクラブは、すべてコミュニティとして置き換えられる。それらがオンラインサロン化していく可能性を考えると、まだまだ市場は黎明期なので。

世の中からの認知度を高める意味でも、サロンの数をグッと増やしていく必要はありそうですね。

おっしゃる通りです。ただ、闇雲に数を増やしても意味がないと思っています。僕たちの強みは、国内最大級という強みを活かした豊富な運営ノウハウや、それらをオーナーに還元していく仕組みの存在。サロンの質を高める体系的な技術を持っているので、ユーザーさんに満足していただける“クオリティの高いコミュニティ”をつくっていきたいです。

オンラインサロンの中で行われてる内容は、まさに大人の部活。 同じ興味を持ってオーナーというハブを使ってみんなコミュニケーションが始まっていく。色んな人にサロンを活用してもらって趣味を増やしてもらいたいね。
それにはこれからが本番、いずれDMM.comを支える大黒柱になるよう、オンラインサロン事業部には期待しています!
構成:オバラ ミツフミ