はじめに
こんにちは、EC&デジタルコンテンツ本部の植田です。
少し前のことになりますが、2019/08/01に「開発組織マネジメント勉強会」を社内向けに開催致しましたので、その模様を記事にしてお届けします。
第一回目の様子はこちらにアップされていますので、あわせてご覧ください。
勉強会概要
マネジメントを「Human Management」、「Project Management」、「Product Management」の3つに大別し、今回は前回同様「Human Management」をスコープとしました。さらにそのなかでも「評価制度」「1on1」「OKR」といったテーマを中心にして勉強会を開催しました。前回開催時のアンケートにて、「次回聞きたいテーマは?」という設問に対して「目標管理」「1on1」「OKR」が上位だったため、今回はこの3つがテーマとなりました。
開催方法
前回は六本木本社をメインとした開催でしたが、マネジメントに対する興味が社内でも高まってきたことから、今回は六本木からライブ配信(社内向け)を行い、各拠点でリアルタイムに視聴参加が可能な形式にして開催しました。
金沢、秋葉原、北海道などの各拠点、グループ会社を含める形で開催できたことで大変多くの参加者に出席・視聴いただきました。
趣旨
- 当社のマネジメント職がHuman Managementにてやるべきことを目的から理解する
- マネジメント層がHuman Managementに強くなることでより強い開発組織になる
といったことを基本的な趣旨としました。
また今回のテーマの一つである「評価制度」を軸とし「1on1」による効果的なコミュニケーションの取り方を学び、そして一部のグループで試験導入している「OKR」の理解を深めることも趣旨とし開催しました。
コンテンツ
- CTOによる登壇(評価制度、1on1、OKRについて)及び質疑応答
- 室長/Engineering Manager/POによるパネルディスカッション
「人事評価について」CTO登壇
まず、「評価制度について」CTOに登壇いただきました。
事前にCTOが「思いが強すぎてスライド(※1)のボリュームが大変なことに……」とおっしゃっていたとおり、重厚なスライドを前に熱の込もった登壇が繰り広げられました。
CTO自らこのように評価制度に対する真摯な考えを発信されること自体非常に意義のあることだと感じました。
以下、印象的だった内容を一部ご紹介します。
- 等級と職位の関係性について「等級」は課題解決力の高さを表したもの、「職位」はマネジメントの範囲を示したものであること(※2)
- 上長とメンバーによる定常的な1on1を活用することで、個人目標に対する達成度を評価期間のみならず日頃からフィードバックする取り組みを実践しようということ
- 個人目標は自分の実力よりも少し高いところに設定するのが最善であること
- 将来的な評価制度として、「No Ratings」や「People Analytics」なども選択肢としてあること
※1.今回のスライドは社外秘となっております
※2.弊社では、求められる能力や影響範囲を定義した等級制度と、部室長などの役職を定義した職位が存在します
CTO登壇の最後には質疑応答も行いました。タイムボックスの関係でその場で全部は取り上げることができなかったのですが、CTOはその後、Slack上で一つ一つの質問に対して回答してくださいました。以下はそのピックアップになります。
質問:事業の売上が評価に入ってしまうと、初期に売上の立ち辛い新規事業は評価されないという不安を抱きますが、いかがでしょうか。
回答:こちらは認識が違います。目標を達成することが大事なのであって、売上で見るというのは間違った認識ですね。新規事業では初期の仮説があって、その証明をすることが大事です。例えばユーザー一人あたりの収益性などですね。そうした目標値に対する評価をしていくべきです。フェーズによって変わりますので、ロジカルに分解してみましょう。
質問:組織目標からブレークダウンしていくと、とある目標や施策が「やるべきだよね」と共通認識はあるのに、「誰も責任者がいない(宙に浮く)」状態になることがたまにあります。そういう時のための何か良い知見ってないでしょうか?
回答:こういう目標になる場合、そもそも本当に必要な施策なのか、辞めてみたらどうなるかなど思考実験してみると解が見えてきたりする場合があります。
我々メンバーからすると、このようにCTOへ直接質問を投げ、そこにしっかり回答をいただける文化は、日頃の素朴な疑問を解消する機会となるだけに非常にありがたいものです。
パネルディスカッション
続いてパネルディスカッションが開催されました。
登壇者は、室長、Engineering Manager、POといった主にマネジメントに関わる方々です。
パネルディスカッションでは予めいくつかの題目があり、そこからモデラーによって話を振っていただく形をとりました。
一例として以下のような題目に沿ってディスカッションが繰り広げられました。(記載のコメントは複数名の発言のピックアップです)
- 1on1はどんなスタイルで運用していますか?
→ 人数が多いので 2on1 スタイルで実施しています
→ PO が 1on1 を担当しています
→ 1回の時間は30分~1時間です
→ 前回の1on1から上手くいったこと・いかなかったことや、何が良かったのかなどを話しています - 評価について、公正で根拠のある判断を行うためにどんなことを意識していますか?
→ 等級に対して求めていることをチーム内で定量化しました
→ なるべく自身の目で情報をキャッチアップするようにしています(Slackやメールなど)誰かの発言や情報だけを鵜呑みにしないようにしています
→ 自分一人の情報には限界があるため、複数人の意見を聞き参考にしています - OKRはストレッチ目標にしていますか? ストレッチは上手く活用できていますか?
→ ストレッチ目標に挑戦したが、活用が上手くいきませんでした、形骸化してしまいました
→ コミットラインとストレッチラインの境界線、認識に齟齬が起きていました
→ 高い目標に対してどう頭を働かせて成果が上がるか、というのを見たいので結構高めの目標設定にしています - マネジメントに集中できるように、自らのタスクを持たないようにできていますか?
→ 意識的になるべく実務を持たないようにしています
→ ロール的に PO なので、プロダクトのことを考えること以外はマネジメントに費やしています
→ 1日3時間くらいはデスクにいて「誰でもウェルカムに相談してください」という状態にしたいと思っているが、できていないのが実情です
普段、マネジメント層の方法論、姿勢、苦労、ビジョンといった会話を聞く機会はそれほどないので、会場にいた皆さんにも非常に参考になったのではないでしょうか。
登壇された皆様が、苦笑いしながら互いの日々の業務や悩みについて会話する姿が印象的でした(笑)
参加者のアンケート結果
勉強会開催後には、今回も参加者向けにアンケートを実施しました。
そのなかの「次回の勉強会ではどういったことを聞きたいですか?」という設問では以下のようなご意見が集まりました。
引き続き、目標管理への関心が高いこと、また、チームワークや意思決定といったテーマにも注目の高さが見てとれます。
次回の開催はこのあたりがテーマになってくるかもしれませんね。
最後に
従来もマネジメントに対する意識の高かったDMMですが、現CTOがDMMへJOINされてからは、「マネジメント=マネジメント層の仕事・スキル」という認識に大きな変化が生まれて、役職や役割関係なく「皆が平等に理解を深めるもの」という文化に少しずつ変わってきたように思います。
「マネジメント勉強会」は恒例勉強会になっていきますので、ぜひ次回のレポートもお楽しみに!
DMM.comでは一緒に働いてくれる仲間を募集しています。ご興味のある方はぜひ下記募集ページをご確認ください!