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とりあえず世界一に。そのために変化を楽しもう。CTO渡辺が打ち出した、これからの「Tech Vision」

とりあえず世界一に。そのために変化を楽しもう。CTO渡辺が打ち出した、これからの「Tech Vision」

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DMM.comがテックカンパニーを目指す上での指針として2018年に掲げられたのが「Tech Vision」。「当たり前を作り続ける」ための4つのTech Value、「Agility(敏捷的)」「Scientific(科学的)」「Attractive(魅力的)」「Motivative(意欲的)」は、テックチームの会話で日常的に使われています。策定から3年が経ち、CTOも代わった今、必然的な流れで「Tech Vision」がアップデートされました。その背景にある想いとは?

当初の「Tech Vision」の詳細は2018年の記事、アップデートされた「新Tech Vision」に関してはこちらのスライドもご参考に。

 

【目次】

 

追加したのは「EVER-CHANGING」。変わり続けるだけでなく、それを楽しむ姿勢こそ大切

 

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――「Tech Vision」に「Ever-changing」が追加されましたが、そこに込めた意味を教えてください。

渡辺: 直訳すると「変化し続ける」といった意味ですが、「変化を楽しもう」という言葉も添えています。

今、世界も社会も変わり、さらに変わろうとしています。組織もそれに呼応するように変わる必要があるでしょう。周りを見渡せば生活様式の変化があって、新たなサービスも増えましたよね。何より私たち自身も、変わらざるを得ない。これまでの当たり前が変化していくような状況に不安を感じることもあると思います。でも、変わりゆくものをただ虚ろに眺めているわけにもいきません。

未来を作るためにたくさんのことを変えていける強さや覚悟が求められる時代は、変化を楽しむ姿勢が大事になってくると思っています。

 

――5つ目のキーワードというより、4つのTech Valueすべてを補完するイメージでしょうか?

渡辺:そうですね。実はAgility、Scientific、Attractive、Motivativeって、ジレンマを引き起こす相関性もありますよね。例えば今期は数字を作ろうと考えたら、それなりの時間と物量が必要になる。その一方で、敏捷性も求められる。早く動くことだけを優先すると、品質はどうなるの? 会社としての魅力はちゃんと出せている?……という問題が出てくるわけです。

Scientificを多く推し進めると事実に振り回されすぎて新たなアイデアに行き着かず、自分たちなりのAttractiveが見出せなくなったり、思い悩んでいくうちにMotivativeがすり減っていくこともあるかもれません。そんな風に悩んでしまったときの物差しとして使って欲しいのが、「変化を楽しもう Ever-changing」です。

悩んで苦労して、それでも決断をしなくてはならないとき、われわれは変わり続けていこうとしているか? 変わることを恐れてはいないか? 変わることを楽しめているか? と、問いかけてみてほしいと思っています。

 

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渡辺 繁幸(わたなべ しげゆき) CTO

2020年8月までの約10年間、株式会社アイスタイルをVPやCTOとして牽引。美容系情報サービス「@cosme」を軸にECや実店舗、海外事業など開発に関わるすべてを統括。企画や設計などにも幅広く従事した。2021年3月に合同会社DMM.comのCTOに就任。

 

――「変化」がポイントということは、コロナ禍による変化も影響してますか?

渡辺:直接の影響はなかったかもしれません。コロナ禍の入社なので対面で話せていない社員もいるんですが、この先のことを憂えるよりも変化を前向きに捉えている人たちが多いという印象を受けました。コロナの影響がゼロとは言いませんが、ポジティブな人たちの特性をさらに全体に広げたいという想いのほう強いですね。



最初の「Tech Vision」が浸透しているからこそのアップデート

――そもそも、2018年に策定された「DMM Tech Vision」は、みんなに浸透しているのでしょうか?

渡辺:浸透していますね。僕は入社してちょうど1年になりますが、「Tech Vision」については当時のCTOである松本勇気さんから説明を受けることができましたし、ほかの社員たちとコミュニケーションをとっても4つのTech Valueが日常的に使われていて、とても大事にされているキーワードだとすぐにわかりました。

個人によって解釈の幅があるとしても、キーワードを共有することでコミュニケーションが取りやすくなるし、協調性も生まれやすい。非常に良いキーワードだと思っています。と同時に、「当たり前を作り続ける」という目標も4つのTech Valueも、すぐにゴールに辿り着けるような簡単な指針ではないとも思っています。

 

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――Tech Visionが浸透しているなか、一新ではなくアップデートにした意図はなんですか?

渡辺: 僕が今年の3月にCTOに就任した直後、社内から「Tech VisionとTech Valueはどうなりますか?」という質問がすごくあったんです。トップが変わることで、会社の方針や大事にしてきたことが変わってしまうのではないかという、ある種の警戒のようなものを感じました。

「Tech Vision」はみんなが心の中で大切にしている指針なので、すべてを変えるということは最初から考えていませんでした。アップデートという視点で考えてみても、すぐに達成できる目標ではないからこそ、大きく変える必要はないのではないと思っています。

社員の意識に浸透していることを踏まえ、まず、4つのキーワードに対する説明を日本語で少し調整しました。その上で、ここからさらに成長を後押ししていくためにはどんな指針をプラスするべきなのか……そう考えたときに出てきたキーワードが「変化」だったんです。

 

自分の変化が「世界につながっている」と意識しながら目の前の仕事をしてほしい

――お話を伺っていて思ったんですが、ご自身が変化を恐れないタイプでは?

渡辺:たぶんそうでしょうね。行ったことがない道を見つけると、すぐにそっちに行ってしまうタイプ(笑)。うまくいかなかったら、戻ってくればいいや、と考えてますね。

怖いという気持ちより、いろいろなことを知識として得たいという気持ちが強いんだと思います。一度行ってみれば曲がり角の先に何があるのかがわかるし、選んだ道が間違っていたとしても経験が残るじゃないですか。その次は、間違えた選択をする確率は減りますよね。

何歳だろうがいつだろうが自分を高め、成長するために変化していきたい。DMMに入ったことも含め、変わることに対してのおびえがない人間なので、「変化を楽しもう Ever-changing」という言葉は、僕自身の生き方なのかもしれません。

 

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――自分自身やサービス、組織だけでなく「世界」を変えていこうというメッセージも打ち出されたそうですね。

渡辺:小さく収まるのではなく、みんなの視座を上げたいという想いがあります。今いるこの部屋から外を見ていても、ほんのちょっと顔を上げるだけで見える景色は変わるんです。

自分の変化はほんの少しかもしれないけれど、遠くを届けば大きな変化が起こる。どうしても日々の中では近い場所を見てしまうし、視点がそこだけに狭まってしまいますが、もう少し広いものを意識してもらうために、恥ずかしげもなく「世界を変えていこう」というメッセージを入れました。

これはまだあまり言っていないことですが、「とりあえず何かしらで世界一になる」というのが、この会社での僕の目標のひとつ。

DMMが世界一になったものはまだないので、あえてこの機会に言っておきます。「世界」というと大げさに感じるかもしれないですが、僕にとっては「世界一」 もマイルストーンでしかありません。

目の前のことも大事だし、その先も大事。それぞれのポジションや状況に応じて違いはあると思いますが、自分がやっていることが世界につなががっていると意識してほしいと思ってます。

 

▼2021 DMM Tech Visionはこちら

www.slideshare.net

 

構成・編集/平 格彦  取材・執筆/細谷美香  撮影/高山潤也