700Gbpsを超えるトラフィック
DMMは理想の環境
新卒入社の経緯を教えてください。
菅野:就活では、大規模インフラに関われる企業に入りたいと考えていました。
誰もが動画に触れるようになって、4KやVRの登場で画質は向上し、トラフィックは増加し続けています。その中枢で働くことは、社会への影響力もやりがいも大きいだろうと思ったからです。
候補企業の中で「ここだ!」と思えたのがDMM。
中核に動画配信事業が有り、さらに50以上の事業を展開していて、それらを動かすための大規模なインフラを保有しています。
実際、2018年に300GbpsだったDMMのトラフィックは2021年には700Gbpsと倍増しており、大規模インフラのエンジニアリングと動画領域に携われるDMMは、まさに私が目指していた環境と言えます。
そもそも、インフラ領域に関わりたいと思ったきっかけは?
菅野:大学院でデータ工学系の研究室に所属していたのですが、これが私のターニングポイントになりました。
実は、研究そっちのけで研究室のインフラ管理にのめり込んでいたんです。インフラ領域は一般的にはそこまで人気がなくて、高い関心を持っていたのも私だけでした。その結果、インフラ周りのことはほとんど私が担当するように。どんどんハマりました(笑) 理解が深まるに連れて学習意欲も高まり、将来はインフラエンジニアになろうと決めました。
DMMに入社してからのキャリアを教えてください。
菅野:入社1年目は研修期間でした。
3ヶ月の新卒全体研修を経て、まずインフラ部の全部署での業務を経験し、その後インフラ部内の各専門分野の中で興味のある部署に配属されます。
私は基礎部分から学びたいと考えていたので、Webデータベースのインフラを管轄しているサーバーインフラの部署を選びました。
2年目はサービスの自動化を行っていました。インフラの知識を学びながら、自分なりに絞り出したアイデアを提案し、チームに貢献しようと必死になっていたのがこの時期です。
動画領域にチャレンジしたのはその後ですか?
菅野:3年目から動画配信のインフラチームでエンジニアリングからマネジメントまでを担当しました。入社して2年間でインフラの基礎は十分に学べたと感じていたので、挑戦するには最適なタイミングだったと思います。
物理サーバーの構築から運用まで携わり、インフラの知識を改めて基礎から習得。また、マシンリプレイスの調整役となり、数千万円規模の案件を動かす経験もできました。
4年目はチームリーダーとなり予算計画や体制構築を任されたのですが、ちょうど新型コロナウイルス感染症が蔓延し始めた頃だったんです。突然のフルリモート体制で3名のメンバーを束ねることになって、コロナ禍での初めてのマネジメント経験は正直かなり大変でした。コミュニケーションを円滑にするための施策を導入し、メンバーとともに試行錯誤してなんとかチームを作り上げることができたと思っています。
5年目の今、マネジメントからエンジニアとして現場に戻られたんですよね。
菅野:マネジメントする中で「また現場で手を動かしたい」と考えるようになり、現在は、クラウドのインフラエンジニアを担当しています。
以前と比べて、事業全体を俯瞰できるようになったと感じています。チーム内の認識のすり合わせや、事前の調査データなど、先回りして気づけるようになったのも、マネジメントの経験があったからだと思っています。
インフラ領域のやりがいは?
菅野:「関わるすべての人にとって便利なサービスを目指すこと」が、インフラエンジニアのミッションだと考えています。
エンジニアの性なのか、私は業務を自動化するのが大好きです。「どのように自動化すれば、社員全員が効率よく働けるのか」を常に意識しています。自動化によって生まれた余白は社員を楽にしますし、ユーザーのレスポンス速度の向上にも寄与しているはずです。
朝イチの日課はインフラ異常のチェック
大規模インフラを守り、防ぎ、支える一日
一日のスケジュールを教えてください。
菅野:朝10時に始業し、前日夜のインフラの異常をチェックします。
例えば、トラフィックの数値が急降下している場合には、原因を調査します。外部のネットワークなのか、社内の問題なのか、地震などの自然災害なのか。さまざまな原因を考慮し、調査や改善をしていきます。
(業務例)
- 日常的なサーバー修理
修理には「サーバーをシャットダウンしなければいけないケース」と、「シャットダウンせずにパーツを変更できるケース」の2パターンがあり、前者の場合は即対応しないと外部に影響を及ぼす可能性があるので、真っ先に対応。 - 年間計画に基づく業務
例えば、従来型の製品からコスパの良い新製品に移行する方針が決定していれば、ユーザーに影響の出ない部分から少しずつ移行を進める。 - プロジェクトを円滑にするためのミーティング
午後は定例会やサーバー異常のチーム全体確認ミーティングなど。プロジェクトは2人以上で行う場合が多いので、認識をすり合わせるために必要不可欠。
他にも、チームや会社の戦略に合わせた、効率的なデータセンター利用のための物理サーバーやラック整理のような現場対応の仕事もありますし、業務は多岐にわたっており飽きることはありません。
オンプレとクラウド、両方の知識を駆使
どのインフラでも勝負できるエンジニアに
働く環境はいかがですか?
菅野:エンジニアに優しい会社だと思います。
エンジニアやデザイナーのための「サポートTech12」という制度があって、私もこの制度で興味のある分野についての技術書や4Kディスプレイ、分割キーボードなどを購入しています!
DMMだからこそ成長できているポイントは?
菅野:インフラ全体の知識が身についていると感じています。
もっとも実感したのは、物理サーバーの購入時です。Web業界全体としてはクラウドが主流で物理サーバーを購入する機会は減少していますが、DMMは自社でインフラを保有しています。実際にサーバーを購入することで、サーバーの良し悪しを判断できるスキルなどを身につけることができました。
かといってオンプレ(※注) に知識が偏っているわけではありません。私は現在クラウドのインフラを担当しています。実は、クラウドの設定方法でオンプレの仕組みを利用する場合もあるんです。オンプレとクラウド、両方のインフラを経験したからこそ解決できる問題もありますし、両方の知識を駆使しながら業務にあたっています。
今後はどのようなキャリアプランを描いているのでしょうか。
菅野:実は模索中です。マネジメントを経験したあとに、現在はクラウドインフラのエンジニアリングの経験を積んでいる段階で、まだまだ勉強中の身。これから数年は、クラウドインフラのエンジニアリングを行いながら、最終的にどのインフラに興味があるのかを見極めていきたいと考えています。
チームの異動は柔軟に対応してくれる環境なので、「やりたい!」と思ったことには積極的に行動していきたいと思っています。
その意味でもDMMは、インフラに興味のある方に自信を持っておすすめできる環境です。少しでも興味を持ったら、ぜひ採用情報をチェックしてみてください。
※注)オンプレ…オンプレミス。機器を設置して情報システムを運用すること。
※本文にある数字は、2022年3月現在の実績となります。
編集・構成/平 格彦 協力・原稿/オバラミツフミ、鈴木花佳 写真/高山 潤也