1. はじめに
こんにちは、プラットフォーム事業本部 不正対策チームの大江です。
その名のとおりユーザを不正被害から守るためのチームで、スクラムマスターとして支援をしております。
前回はイタチごっこについて、踏み込んで説明をしました。
イタチごっこの対応をするためには、より早く、より効率的に施策を実施していく必要があります。
しかし以前のシステムでは、重要な施策であるルールの追加にも最短で30 分かかってしまっていました。
そこで今回は、30 分以内にルールを追加するために、システムをどのように改善したのか紹介したいと思います。
2. どのような課題があったの?
以前のシステムでは、ルールの追加に時間がかかるという課題がありました。
実際に、「2015 年の1 月 〜 2018 年11 月」の約4 年間で追加されたルールは「9 件」だけでした。
ルールの追加に時間がかかっていた原因としては、下記が挙げられます。
- 他チームにルールの追加を依頼する必要があったため、コミュニケーションコストがかかった。
- ルールがハードコーディングされていたため、コードを修正してリリースする必要があった。
- ルールを追加することで多くのお客様の購入を止めてしまう危険性があったため、慎重に検討しなければならなかった。
- データの蓄積がされておらず、効果測定ができていなかったため、そもそもルールの検討自体が難しかった。
3. どのように改善したの?
これらの原因を、下記のように改善することにしました。
以前のシステム | 改善後の不正対策システム |
---|---|
他チームにルールの追加を依頼 | 不正対策の運用チームがルールを追加 |
ルールのハードコーディング | ルールをデータストアに登録 |
多くのお客様の購入を止めてしまう危険性 | お客様の購入を止めずに、不正を検知できる機能を追加 |
ルールの効果測定ができない | データを蓄積し、Redashで効果測定 |
上記を実現するために、不正対策システムを下記のようにリプレイスしました。
4. どのような成果が出たの?
このように不正対策システムを改善したことによって、30 分以内にルールを追加できるようになりました。
その結果、「2018 年の11 月 〜 2020 年09 月」の約2 年間では、なんと累計「6190 件」のルールを追加できました。
※ あまり効果のなかったルールは削除するので、現在のルール数は「6190 件」よりも少なくなっています。
そして、短期間にサイクルを回せるようになったこともあり、不正被害率は「60 %」減少しました。
※ 社外秘のため、具体的な数値は非表示にしています。
5. まとめ
- より早く、より効率的に施策を実施するためには、それを支えるシステムが重要。
- 短期間にサイクルを回すことができれば、成果につながりやすい。
6. さいごに
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