競輪やオートレースといったプロフェッショナルスポーツ領域で事業を展開する公営競技グループの特徴は、メンバーの多様性を活かし、それぞれが自由にアイデアを出し合う“ゆるさ”なんだそう。DMM.comのなかでも平均年齢が高く、それぞれ異なる得意領域を持つメンバーによって構成されています。 運営する事業は成長の兆しを見せており、DMM.comの“収入の柱”となるために奮闘中。データとユーザー心理を掛け合わせる業務の詳細や、グループ独特の雰囲気、今後の展望までを伺いました。
データとユーザー心理をかけ算する
まずは、公営競技グループの事業内容についてお伺いさせてください。
山本:公営競技グループでは、インターネットで競輪に投票したり、 競輪くじを買うことができるサービス「DMM競輪」と、4,096分の1の確率で百万長者が生まれるオートレースくじ「DMM百万長者」運営しています。
お二人は、どのような業務に従事されているのでしょうか?
山本:私は「DMM競輪」の責任者を務めています。サービスを成長させることが使命で、ユーザー数を増加させるための企画立案から実行、そしてメンバーのマネジメントも行っています。
岡原:私は「DMM競輪」のサイト改修・改善やキャンペーンを担当しながら、「DMM百万長者」のプロダクトオーナーを兼任しています。山本と同様に、サービスを成長させることが大きな役割であり、公営競技グループが運営する二つのサービスを横断的に担当しています。
「ユーザー数を増加させるための企画立案」をされているとのことですが、具体的にどのようにしてアイデアを出すのでしょうか?
岡原:「競輪やオートレースに興味を持ってもらう」ために何ができるかを考え、仮説検証を繰り返しています。企画立案というと、いわゆる大喜利のような“発想大会”をイメージされる方もいるかもしれませんが、しっかりとしたロジックに基づいたアイデア出しをしています。
「デイリーでどのくらいアクセスがあるか」「キャンペーン経由でどのくらい売上が伸びたか」といったポイントを見極め、効果的な施策を絞り込んでいるんです。ただ企画を出すだけでは方向性を絞りきれないので、データ・ドリブンであることを大前提に、競輪好きのメンバーがアイデアを出していきます。
山本:僕は昔から、仮説を立て、その精度を競える「勝負の世界」が好きでした。なので、ユーザーの方々の気持ちがよく分かります。またバックグラウンドが編集者なので、企画の立案を日常的に行ってきたこともあり、成功も失敗もしてきた経験がある。
ただ、データから物事を考えるのがあまり得意ではありません。一方、岡原はデータに強いので、お互いの得意不得意を補完し合いながら事業の成長を考えているんです。
たとえばこれまで、どのような企画を出されたのでしょうか?
岡原:予想家(レース結果を予想する専門家)の方々の見解を生配信しながら、ユーザーとインタラクティブにやり取りする企画は好評でしたね。惜しくも予想が外れてしまった方に、Twitterを経由して「DMM競輪」で利用できるクーポン券をプレゼントしたこともあります。そうした企画を実行しつつ、得たデータをもとにさらに面白い企画を考えていくんです。
山本:直近では、普段からサービスを利用していただいているユーザーの方をお招きしたイベントを企画しています。ゲストに予想家や実況者の方を招いて業界の裏話を聞いたり、深夜23時過ぎまであるミッドナイトレースを食事やお酒を楽しみながら大画面で鑑賞したり、純粋にユーザーの方が楽しんでくれそうな企画を考えています。
失敗歓迎・挑戦歓迎のカルチャー
お二人のご経歴もお伺いさせてください。山本さんはバックグラウンドが編集者ということですが、具体的にはどのようなお仕事をされていたのでしょうか。
山本:自分が好きなことを仕事にしないと突き詰められなれないと思っているので、働きはじめてから今日まで、ずっとパチンコなどの大人向けのアミューズメントに関わる仕事をしてきました。ファーストキャリアはパチンコ雑誌の編集者として勤務し、その後、競馬雑誌の制作を担当して、再びパチンコに関わる仕事に就きました。
当時は2000年代後半で、YouTubeをはじめとしたサービスを起点に動画が盛り上がりはじめた時期。雑誌編集をやりながら動画の制作にも従事し、それまで専門としていた雑誌領域を超えて仕事をするようになりました。
パチンコ雑誌の編集者からDMM.comへの転職は、あまり思いつかないキャリアチェンジだと思います。何が入社の決め手になったのでしょうか。
山本:転職活動中に、元取引先の方がDMM.comに在籍していて連絡が来ました。そこで初めて今の仕事に興味を持ったんです。入社後は全国のパチンコホール情報を無料公開している「DMMぱちタウン」に配属され、イベントの企画や動画制作、プロモーションを担当しました。
正直、「次に転職するときは、パチンコとは関係ない仕事に挑戦してみるのもアリかも」と思っていましたが、気づけばもう5年目。DMM.comの社風が、自分に合っていたんだと思います。
DMM.comの社風とは、具体的にどのようなものでしょうか。
山本:チームにもよると思いますが、「面白いと思うことは挑戦させてもらえる」という社風です。企画を考えたら上長の承認を取り、、部長承認を経て、場合によってはさらにその上にプレゼンして、その過程で企画内容がちょっとずつ変わったり、跡形もなくなったりするのが普通だと思います。
しかしDMM.comでは、びっくりするくらいに「OK」が出ます。「まずやってみよう。失敗したら、その経験を次に活かそう」というカルチャーがあります。
岡原:アイデアって普通、「NO」と言われるものなんですか?
山本:少なくとも僕の経験上、DMM.comほど自由な会社はないと思うよ(笑)。
前職での経験が、現在の業務に活かされているんですね。岡原さんにも、入社の経緯をお伺いしたいです。
岡原:私は2016年に新卒入社し、最初はアミューズメント事業部の企画営業に配属され、主に「DMMぱちタウン」を利用してくださっているパチンコ・パチスロメーカーさんの広告代理業をしていました。
私がDMM.comに入社した理由は、年次に関係なく、自由に行動を起こせる社風だから。入社前は事業会社でサービスを企画し、グロースさせたいと思っていたので、「DMMぱちタウン」での経験を活かして次の挑戦がしたいと思い、公営競技グループに異動したんです。その後、「DMM百万長者」の立ち上げに参加し、現在に至ります。
多様性を武器に、DMM.comの収益の柱を目指す
DMM.comの自由な社風は、公営競技グループにも浸透しているんですね。事業部ならではの、特徴的なカルチャーはありますか?
山本:全社の平均年齢は32歳と若い組織ですが、公営競技グループはそれに比べて年齢層が高く、経験を生かして、マイペースに、大胆に仕事が出来る環境です。多様性を大事にしていることもあってか、それぞれの年齢層のメンバーが自由に意見を出してくれます。
競輪に詳しい人だからこそのアイデアがあったり、逆に競輪を知らないからこそのアイデアがあったり。それらをすべて一度受け止め、試してみる自由さがありますね。
多様性のある組織とのことですが、一体どんな人材が活躍しやすいのでしょうか。今後採用したいと考えている人物像があれば、具体的に教えてください。
山本:「DMM競輪」では、競輪が好きで知識も豊富な人か、今は詳しくなくてもこれから競輪を好きになっていける人を採用したいです。「好きこそ物の上手なれ」ではないですが、「DMM競輪」について突き詰めて考えて、その先に良い企画が生まれると考えています。
岡原:私は山本さんとは異なる意見を持っていて、競輪に興味がなくても、事業をグロースさせていくことが好きな人なら活躍できると思っています。特に「DMM百万長者」は、まだ立ち上げ間もないフェーズで、チャレンジングな意思決定をしていきたい人を求めています。
また、DMM.comのなかでも新しい技術を用いて開発を行っているチームなので、技術が好きなエンジニアの方にはうってつけの環境だと思いますね。
お二人が考える、公営競技グループで活躍できる人材の共通点は「主体となって事業を成長させていける」ということですね。最後になりますが、公営競技グループに興味を持たれている方に向けて、メッセージをお願いします。
岡原:公営競技グループはアミューズメント事業部に所属しているグループです。事業部全体には、「DMMぱちタウン」と「DMM競輪」、「DMM百万長者」の3つのサービスがあります。
現状、「DMMぱちタウン」の規模が最も大きく、事業部の成長を担う一番のエンジンになっています。今後は公営競技グループの事業も、「DMMぱちタウン」に負けないしっかりとした基盤をつくっていきたいです。
山本:アミューズメントのなかでも、競輪には“人間ドラマ”があります。競輪はアミューズメント好きの終着点と言われるくらいで、いまはまだ私も勉強中ですが、日々のめり込んでいっています。競輪が好きな人も、まだよく分からない人も、競輪を楽しみながら、DMM.comの新しい事業を一緒につくり上げていきましょう。
構成:オバラ ミツフミ 編集:岡島 たくみ(モメンタム・ホース)