1.はじめに
プラットフォーム事業本部 ユーザーレビューグループの松井です。DMM.comのユーザーレビュー基盤を開発するチームでエンジニアをしています。今回はAWS認定資格7冠を達成したことで変わったこと、資格取得の経緯などお話します。
2.資格取得の経緯
レビュー基盤はAWSで構築されており前チームから引き継いだものですが、当初はAWS基盤に詳しいメンバーがチームにいなかったため、他チームに依頼し対応を行っていました。しかしながら他チームに依頼する場合、仕事の合間に作業を行うため、対応に時間がかかってしまいます。そうした点からできる限り自分たちのチームでインフラも含めて内製化した方が望ましいと思い、自身で学習し対応しようと考えました。
3.AWS Certificate
AWSについては学習方法が充実しており、公式ページからAWSハンズオンやチュートリアルを実施する方法もあります。ただ私は短期間でシステムを構築してノウハウを吸収するタイプではないので、定期的に勉強した方が良いと判断しました。
そこでAWSが主宰している認定試験に注目し、その試験合格を目標とすることで知識を吸収しました。AWS Certificateでは計12個の資格を提供しており、以下レベル別に試験が分かれています。
- 基礎:6カ月間の基礎的なクラウド経験がある人が対象
- アソシエイト:1年程度の経験とそれに値する知識を有する方が対象
- プロフェッショナル:2年程度のソリューション設計、運用、トラブルシューティングなどの経験や知識がある人が対象
- 専門知識:難易度はプロフェッショナルレベルだが、各専門分野で2年以上の実務経験のある人が対象
4.資格取得に向けて
以下のような流れで取り組みました。
4-1. 試験日設定
まずは、勉強前にいきなり試験日程をオンラインで設定します。試験日を最初に設定した意図としては、ある程度試験料が高額なため、無駄にできないという意識も働くからです。ちなみに通常の国家試験の場合は多くても年間2回しか実施がなく、決まった日でしか受けられない試験も多いですが、AWS認定試験はいつでも受けることができます。
4-2.書籍購入
次に勉強するための書籍を購入しました。DMMにはTech12という制度があり月1万円まで書籍を購入することができます。その制度を存分に活用し、AWS認定試験の問題集や参考書等を購入し学習しました。
4-3.ルーティーン化
購入した書籍を用い、日々勉強することを心がけました。例えばスマホを見る度に認定試験の問題(アプリ、WEB)を1問やってみるとか、朝起きて頭がクリアになった状態で1問解いてみるといった方法でルーティーン化することを心がけました。勉強時間確保も大切なことですが、日々短時間(5分)でもいいのでやってみる姿勢が、モチベーションも持続するため有効です。
4-4.意識改革
プロフェッショナルレベルの試験にチャンレンジしたときは、かなり難しいため心が折れることもありました。そこで「人と比較しない、焦らない、マイペースで取り組む」といったことを心がけました。加えて目標が短期間で実現できなくても1カ月、3カ月と継続すれば、絶対に誰もが合格できると信じて取り組みました。
5.資格取得の成果(2023-06時点)
一年前ほどから勉強をし始めて、現在12ある資格の中で7個取得することができました。運良く一度も不合格になりませんでした。(DMMでは福利厚生の一部として、合格すれば資格手当が付くので、補助金を取得することも可能です。)
こちらが取得した認定資格の一覧とスコアです。昨年はアソシエイトのレベルでしたが、今年に入ってからはプロフェッショナルや専門知識といったレベルのものが取得できるようになりました。
資格 | 試験日 | スコア | |
---|---|---|---|
1 | AWS Solutions Architect - Associate | 2022-04-23 | 774 |
2 | AWS Developer - Associate | 2022-06-11 | 801 |
3 | AWS Administrator - Associate | 2022-07-23 | 744 |
4 | AWS Cloud Practitioner | 2022-11-12 | 838 |
5 | AWS DevOps Engineer - Professional | 2023-01-28 | 827 |
6 | AWS Solutions Architect - Professional | 2023-04-01 | 778 |
7 | AWS Machine Learning - Specialty | 2023-05-27 | 842 |
6.資格取得で変わったこと
「資格取得は意味がない」と一部では言われそうですが、自身のスキルにアップデートをかける姿勢が重要だと思います。またインプットを増やすことでそこから広がる提案や改善は必ず良いものが生まれてくると考えます。
実際に資格取得により、当初目的としていたレビュー基盤のインフラ改善も行えるようになりました。加えてAWSサービスが幅広く把握できるようになったことで、ユーザーレビュー基盤で不要にコストが発生している部分が把握できるようになり、月2000ドルほどですがコスト削減対策も実施することができました。
継続することで自分自身への自信にもつながるので、今後も継続して取り組んでいきたいと思います。