DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。
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3ヶ月で累計登録者数60万人突破! 2年で200万ユーザーを目指すDMMプレミアム&DMM TV

DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。

今や国内外問わずレッドオーシャンになったサブスクリプションサービス市場に挑んでいるDMMプレミアム。月額550円と安価でありながら、動画配信サービスDMM TVの対象動画が視聴可能になるほか、DMMブックスやDMM GAMES、DMMスクラッチ、DMMオンクレなどDMMの各種エンタメコンテンツを横断的に楽しむことができます。 2022年12月1日のサービスローンチ後、累計会員登録数は60万人を突破(2023年3月時点)。しかし、DMMプレミアムが掲げる目標は、サービスローンチから2年間で「会員数200万人を突破」すること。 なぜ、市場では最後発の中、一筋縄ではいかない目標を掲げるに至ったのか。本サービスの事業責任者であり、DMMのCOOである村中、サービス立ち上げから参画している経営企画の浅川、髙澤にサービス立ち上げの背景から苦労、今後の展望について話を聞きました。

  • 村中 悠介(むらなか ゆうすけ)合同会社DMM.com COO

    2002年、DMM.comに入社。11年に取締役就任後、アミューズメント事業やアニメーション事業など、多岐にわたる事業を作り上げてきた。18年6月、DMM.comのCOOに就任。19年5月からはEXNOA(DMM GAMES)のCEOなどを兼任。2022年12月にローンチした総合動画配信サービス「DMM TV」の総合プロデューサーを務める。現在60以上ある事業を統括。

  • 浅川 佳延(あさかわ よしのぶ)DMMプレミアム本部 経営企画部部長

    Yahoo! JAPANでM&Aに従事。LINEとの経営統合に参画。新規事業の創出を希望し、2021年6月にDMM.com入社。すぐにDMMプレミアム/TV事業のプロジェクトを立ち上げ、サービスリリースまでPJ統括を担当。現在もDMMプレミアムにおける事業全体推進や事業戦略策定、業務提携などを担当。

  • 髙澤 悠介(たかざわ ゆうすけ)DMMプレミアム本部 事業戦略グループ マネージャー

    P&Gジャパンにて約4年ブランドマーケティングに従事したのち、18年に株式会社インフラトップに参画。後にインフラトップがDMMへグループインし、20年より同社取締役COO兼CMO。21年10月よりDMMプレミアム/TV事業立ち上げに携わり、22年1月にDMM.comへ転籍。

DMMプレミアム&DMM TVを同時にローンチ

DMMプレミアム/TVを発足したきっかけを教えてください。

村中:これまで様々な事業に投資をしてきましたが、その中でメインとしてきた領域がエンタメです。DMMユーザーに価値提供ができることを考えると、自分たちの得意とする領域に投資をした方がリターンも大きいだろうと思いました。
また、会員ビジネスはやってきたものの、DMMにはサブスクリプションの基盤がないので、そこに投資するのは世の中の流れにも合っている。もっと伸びるために必要な投資だと思ったのが1番の理由です。

初期はアニメや2.5次元といったジャンルに注力することを決めた理由とは?

村中:DMMの既存サービスがそのジャンルに近いから、というのが大きいですね。近年、電子書籍事業に投資をしていますが、売上の大半はマンガです。アニメや2.5次元、ゲームなどのビジネスを数多くやってきて、その領域に多くのDMMユーザーがいます。
僕らはアニメーションレーベル「DMM pictures」を構えています。最も親和性のあるジャンルと考え、DMM TVでは初期、アニメ作品や2.5次元作品に力を入れています。もちろん同時に、DMMオリジナルとしてバラエティジャンルのオリジナル作品をリリースするなど、新たなジャンルの開拓にも注力しています。


DMM picturesが製作に携わっている「パリピ孔明」「スキップとローファー」は、DMM TVでも配信されている(2023年4月現在)

「観る、読む、買う、楽しむ」のエンタメサイクル確立

「推しが見つかる。世界が変わる。」というコンセプトを打ち出していますが、もともとは違ったそうですね。

髙澤:当初は「すべてのサブカルの聖地」をキーワードに置いていました。ただ、20代〜30代前半の新しいユーザーを取り込んでいくために、“アニメ×若年層”を掘っていくと、そのキーワードは少し違うなと。
20代の30〜40%の人が何かしら熱心な趣味を持つ“オタク”だと言われています。“推し活”という言葉が浸透している昨今、自分のこだわりや好きなことを突き詰めていくその体験を加速させるサービスを目指したいね、と「推し」という言葉を使ったコンセプトになりました。

浅川:好きな推しを新しく見つけたり、昔の推しをもう一度深めたりして、ユーザーが「こういう人生にしていこう」と思えたらいいなと、ユーザー目線の「推しが見つかる。世界が変わる。」というワーディングにしたんです。

それ以外にも、新規ユーザーを獲得する上で考えた施策はありますか?

浅川:動画を見たらすぐにグッズや原作マンガが買えるといった“推し”を深められる導線を同じアプリ内に取り入れたり、動画以外のDMMサービスでも使えるポイントなどを付与したりしています。
アニメ好きな人たちがDMMプレミアムだけで「観る、読む、買う、楽しむ」というエンタメサイクルの確立を打ち出しました。

髙澤:あとは、月額550円という料金設定も大きいですね。

浅川:競合他社の価格と比較しながら、手頃に始められる料金を設定しました。とはいえ、数ヶ月間議論しましたね。

村中:安ければ安い方が登録者は増えるので、そこはどれだけ僕らが許容できるかなんですよ。サブスクリプションサービスの特徴として、投資した瞬間に会員を増やした方が、その後の展開がしやすくなるので、この料金設定に踏み切りました。

わずか1年半で、DMMプレミアム/TVという2つの大規模サービスをリリース

本サービス立ち上げに際して、苦労したエピソード、苦労を乗り越えたエピソードを教えてください。

浅川:DMMプレミアムというサブスクリプションサービスと、DMM TVという動画配信サービスを同時並行で進めていかなければいけなかったことですかね。大きな2つのサービスを短期間で一気に立ち上げることは、まあ大変でした。

髙澤:プロジェクトが正式に開始したのが21年7月でリリースが22年12月なので、わずか1年半足らずでサービスローンチしたんですよ。
このスピード感を維持しながら進めていくために、いろんな領域のプロフェッショナルをガンガン連れてきて。『インシデンツ』や『大脱出』を担当するコンテンツ制作の久保田(哲史)さんを含め、各領域のプロが一気に作り上げていく。このスピード感は、初めて味わう感覚でした。

※こちらの記事で、オリジナルコンテンツの制作責任者である久保田が制作における裏話を語っています。ぜひご覧ください。地上波では流せないコント番組『インシデンツ』が大ヒット!アニメ5,000作品、エンタメ約16万本を揃える、最強チームの裏話

浅川:プロジェクトに最大700人関わっていたので、各領域に分けながら横の連携を取っていく必要がありました。サービスの方向性を都度伝え、相違があればすり合わせして、を繰り返していましたね。

髙澤:週2〜3回、村中さんが最終的な判断するために各プロフェッショナルたちが意見を出す場が設けられていました。各々が持ち寄った情報をもとに、何が必要で不必要なのかをすごいスピード感で決めていきましたよね。

浅川:意思決定サイクルが週に何回もあって、それを何ヶ月も繰り返す。ひたすら続けていたらあっという間に12月になりました(笑)。
大変だったと思いますが、それ以上にみんなモチベーションは高かったと感じます。DMMでこれだけ大きなプロジェクトを動かすことは数年振りなので、楽しさがあったのだろうと。

スタートアップよりスタートアップらしい環境

DMMプレミアム/TVに関わったことで、DMMのどんなところにおもしろさを感じましたか?

髙澤:おもしろさというか、すごいなと思っているのは、何も分からない中でもその場で結論を出してゴリゴリ進めていくことを良しとする文化。スタートアップよりスタートアップらしい、いい意味での荒々しさを感じました。また、非上場でステークホルダーが少なく、強いキャッシュフローを活かして思い切ったチャレンジをスピード感を持って進めることができる。こんな環境はほかにないと思います。

村中:合理性を求めるわけではないけど、みんなでちゃんと話し合うから結果合理的になっていると思う。これだけ話し合っても、どれだけ疲れていても喧嘩になることもないしね。建設的な会話をしているから。ピリピリすることはあるけど(笑)。

髙澤:ははは(笑)。皆さんいい人なのでね。打合せでたまにピリっとしても、打合せ後には飲みに行ったり。仕事外には持ち込まない人が多いという印象がありますね。

スタートアップから転職した髙澤さんが「DMMはスタートアップよりスタートアップらしい」と言うのは説得力があります。一方、大企業から転職してきた浅川さんはいかがですか?

浅川:DMMプレミアム/TVは自分の技術力や経験を活かして新しいことにチャレンジしたい人がいろんなところから集まっていることもあり、働く人たちのモチベーションが高い会社だと思いました。一緒に仕事がしたいと思える人が多いです。

村中:「これから5年、10年、DMMを伸ばしていくために何をしていけばいいんだろう」という課題感がみんなの中に何となくあったんだと思います。それが今回、全社横断で会員に対して価値提供することで、「DMMの未来のためになる」と思ったからモチベーションが高かったのだろうなと。

髙澤:なんでもやってるDMM」だからこそ、DMMでなら自分も何かできそうと期待感を持つことができたのではないかなと。DMMはこの規模で本当に「何でもやる」から、すごく魅力がありますよね。

DAZNやpixiv、イオンシネマとの業務提携

DMMプレミアム/TVをローンチして約4ヶ月経ちましたが、村中さんは現状をどのように捉えていますか?

村中:想定よりユーザーの獲得ができていないというのはあります。プロダクト、コンテンツ、マーケティングすべてにおいてまだまだ課題は山済みですが、ここから十分に巻き返しは可能だと思っています。サービスローンチして2ヶ月程度でDMM TVの認知度は20%を超えていますが、これを「20%しかない」と捉えるか「20%もある」と捉えるか……。

髙澤:5人に1人は知っているわけですからね。

村中:捉え方によるけど、悪くはないとも思います。ユーザーの視聴時間も長く、直近7日間平均で120分くらい。これまでも平均100分切ったことはほぼないんです。総視聴時間は10億分を超えたから、これはすごい数字だと思います。
また、副次的な効果には、DAZNやpixiv、イオンシネマとの業務提携があります。これまでDMMプラットフォームは外部と関わってビジネスすることが少なかったけど、DMMプレミアム/TVをキッカケにどんどん外部パートナーを組むことができる。今後もどんどんパートナーを組んでいきたいですね。

※こちらの記事で、DMMプレミアムとDAZN Standardのセットプラン「DMM×DAZNホーダイ」の提携の背景から今後について話しています。ぜひご覧ください。DMM村中COO×DAZN Japan山田EVPのトップ対談。「DMM×DAZNホーダイ」を実現させた2人が語る、WBCの熱狂後に訪れるスポーツコンテンツの未来とは?

DMMプレミアム/TVを盛り上げていくために現時点で考えていることを最後にお聞かせください。

髙澤:DMMプレミアム/TVの発表会で話をした「マルチエンタメプラットフォームを目指す」というところから考えると、よりユニークなDMM TVならではの体験を提供していきたいですね。イオンシネマさんとの業務提携はまさに、オフラインでの体験を拡張する第一歩の取り組みです。他にもDMMにはDMMスクラッチ、DMMオンクレといった体験軸のサービスもあります。DMMプレミアム会員になったことで、コンテンツを“消費する”のではなく、“コンテンツを体験する”ようになっていただけたらいいなと。
強力なパートナーさんと組むことで、DMMとしても大きな成長に繋がるのではないかと期待しています。

村中:目標の数値として公表しているのが2年で会員数200万人。約3ヶ月で累計登録者数が60万人近く。決して悪い数字ではありません。だからまずは、できていないことを潰していくことが最優先ですね。例えば、ユーザーコミュニケーション。ユーザー一人ひとりに対して視聴傾向から作品を紹介するとか、使用頻度が落ちているユーザーにポイントやプレゼントを付与するとか。どのサブスクリプションサービスもやっていることなので、テクノロジーを使ってちゃんとやっていかないといけない。
正直、始まったばかりのサービスでやらなきゃいけないことがたくさんあるから、苦労を振り返っている場合ではないんですよ(笑)。

髙澤:リリース後の方が忙しくなりましたからね(笑)。サービスを出してみて、いろいろ見えてきて、どんどん変化させていく。飛び降りてから飛行機を組み立てている感じです。

村中:落ち着くわけないよね、先を見てやっていかないと結果は出ないですからね。

 

DMMプレミアム/TVについて、ロゴ制作や開発秘話などさまざまな切り口でインタビューしています。合わせてご覧ください。

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