DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。
テクノロジー

DMMブックス・ユーザー調査(アンケート編)

DMMグループの一番深くておもしろいトコロ。

はじめに

はじめまして! DMMブックス・アプリチームの大沼です。電子書籍事業部のアプリ開発のマネージャーをしています。
今回は、ユーザーニーズを把握するために実施したユーザーアンケートについてご紹介したいと思います。

なぜアンケートを実施することになったか

DMMブックス・アプリでは、ユーザーからさまざまな要望がアプリストアのレビューや問い合わせフォームに寄せられる状態でした。
その中には、多いもので10件程度重複する要望もあり、その他の要望は数件程度が散々している状態となっていました。
そのため、これらの要望が多くのユーザが望んでいるものなのか、確証が持てず、結果として施策の優先度も定まらなかった背景がありました。
また、施策の実施前後でアプリへの評価がどのように変化するか計測したいという目的もありました。

アンケートにはTwitter・Google Formsを利用

当初はDMMブックスのメルマガ会員に対してアンケートを実施したのですが、思ったような回答数は得られませんでした。
アンケートに金券などのインセンティブを設けていなかったため、無償でアンケートに答えてくれるような能動的なユーザーには、メルマガではリーチできなかったのかもしれません。
そこで改めてDMMブックスのTwitterフォロワーに対して同じアンケートを実施したところ、予想よりも高い回答数が得られ、アンケートの精度も高まりました。
一概には言えませんが、Twitterフォロワーには能動的なユーザーが多かったように思います。

アンケートで気をつけた点

  • ある程度仮説を立てる
    • アンケートの目的を明確にしたら、ある程度仮説を立てるようにしました。
    • 仮説がないと設問数も増えてしまい、本来、調べたかったことが反映されない結果になってしまいます。
    • これまでの寄せられたユーザーからの要望や問い合わせ、また分析ツールの数値などから、「こんなユーザーがこんなニーズ・こんな課題を持っていそう」という仮説を立てるようにしました。そうすることでよりアンケートの設問がスリムに且つ、明確になりました。
       
  • 設問数
    • 設問数が増えると、回答の負荷が増え、多く集まらないのではないかと考え、回答時間を5分程度で終わる設問数に設定しました。
       
  • 回答形式
    • 回答結果を定量的に集計できるようにするために、自由記入の設問はなるべく減らし、選択形式で回答ができる設問の比重を増やしました。
       
  • ユーザー属性の収集
    • ユーザーの属性によって、ニーズが変わることが想定されたので、後からクロス集計できるよう、ユーザーの性別・年齢・デバイスはもとより、購買額・利用歴・主に購入する本の種別なども収集しました。
       
  • 設問の流れ
    • ユーザーの属性
      • 性別
      • 年代
      • 主に購入する本のジャンル
      • 本の閲覧環境
      • 月間の平均購入額
      • アプリ利用歴
      • 利用頻度
         
    • アプリへの評価
      • このアプリの使い方はすぐに理解できますか?
      • このアプリは操作がしやすいですか?
      • このアプリ内の文章は読みやすいですか?(大きさ・行間など)
      • このアプリ内の図形・画像は見やすいですか?
      • このアプリでは、操作に対してすばやい反応が返って来ますか?
      • このアプリを利用しているときに、表示が遅くなったり、途中で止まってしまうことがありますか?
      • このアプリを親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?
         
    • ジャンル別の本の読みやすさ
      • このアプリでマンガ作品は読みやすいですか?
      • このアプリで小説など(文字もの)の作品は読みやすいですか?
      • このアプリで写真集・雑誌は読みやすいですか?
         
    • 過去要望の中から欲しい機能
      • DMMブックスアプリで欲しい機能を選んでください。

アンケート結果(一部抜粋)

現状のアプリに対して、操作性、見やすさ・パフォーマンス・品質などを5段階評価形式で伺いました。

  • 設問
    • このアプリの使い方はすぐに理解できる
  • 結果

    • 平均値:3.85点


       
  • 設問:

    • このアプリは操作しやすいですか?
  • 結果

    • 平均値:3.40点


       
  • 設問:

    • このアプリ内の文章は読みやすい(大きさ・行間など)
  • 結果:

    • 平均値:3.76点


       
  • 設問:

    • このアプリでは、操作に対してすばやい反応が返ってくる
  • 結果

    • 平均値:3.50点


       
  • 設問:

    • このアプリを利用している時に表示が遅くなったり、途中で止まってしまうことがある
  • 結果
    • 平均値:3.08点


       

アプリへの評価はまとめると以下のような内容です。

  • 理解しやすさ、見やすさへの評価は相対的に高く
  • 操作しやすさ、パフォーマンス(反応)への評価はやや低い
  • (アプリが止まる)品質に関する評価はかなり低い 
     

  • 設問:

    • DMMブックスアプリで欲しい機能を選んでください


       
  • 今後追加して欲しい機能に関しては、レビューなどでも多く声が寄せられた「本棚を並び替えできる機能」に多くのニーズがあることがわかりました。

アンケートの結果を受けて

操作性については、「恐らく評価が低いのでは?」と仮説を持っていたのですが、どちらかというとパフォーマンスや品質に対しての評価が想定よりも低い結果となり、今後の改善のポイントになりました。
特に品質については、品質基準の目標値(クラッシュフリー率、non fatal error率など)を定めて定期観測を開始するなど、品質向上の取り組みに繋がりました。
また、これまで断片的に寄せられた様々なユーザーからの要望ですが、他のユーザーにもニーズが高いことがわかり、今後の施策の優先度を決める上での指針となりました。

まとめ

今回はユーザーニーズを調査する上で、ユーザーアンケートの事例をご紹介しました。
競合分析などを行うだけでも「こんな機能があると便利そう」という仮説は立つのですが、実際に今のユーザーにニーズがあるのかを確認する意味で、アンケートは有効かと思います。
今後はインタビューも含めて顕在化されていないユーザー課題なども深掘りできると良いかと思いました。

最後に

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