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DMM.comのクリエイティブな組織への取り組みとVPoEの役割について

DMM.comのクリエイティブな組織への取り組みとVPoEの役割について

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この記事は、 DMMグループAdvent Calendar2021の25日目の記事です。

こんにちは。今年からDMM.comのVPoEに就任した大久保と申します。
これまで取材や登壇で話をする機会はあったものの、自らの考えを文字にして起こすことはあまりやってこなかったため、Advent Calendarを執筆させていただくことにしました。
どんなことを書こうかと考えてみたのですが、VPoEである以上、人や組織について話をするべきだと思い、着任してからの振り返りをしつつ書いていこうと思います。

「クリエイティブ」な組織

元々がエンジニアであるため、なかなかその癖が抜けないのですが、この記事を書き始めた当初は「DMM.comのエンジニア組織への取り組みとVPoEの役割について」というタイトルでした。
もちろんVPoEは「Vice President of Engineering」の略称なのであながち間違った書き方ではないものの、モノづくりやサービス開発といった観点から考えるとエンジニアのことだけを考えていれば良いということにはならないと思います。私は「デザイナー」も「エンジニア」も同じ「クリエイティブ」な方々だと思っているので、総じて「クリエイティブ」な組織と意識するように心がけています。

着任当初のDMM.com

私がDMM.comに着任したのは2019年の1月になります。
2018年にはテックカンパニー化を目指すべく、「Tech Vision」並びにその行動指針となる「Tech Value」が発信されました。 inside.dmm.com 新たな指針を歓迎する方、戸惑う方、何となく受け入れにくいと感じている方、様々な受け取り方をする方がいるんだなと着任当初に感じました。
これは「Tech Vision」並びにその行動指針となる「Tech Value」自体がどうこうという話ではないですし、何かしら変わることに対しての受け捉え方が様々になるのはごく自然なことだと思います。
ただ、発信側はメッセージ性を強調するので言葉足らずになることが多いですし、受け手はその単語を注視してしまうがあまり本来発信者が伝えたい内容が伝わり切れていないことがあります。つまり「情報を流通させるための翻訳者が想定よりも少ない」ことが課題の一つだと感じました。

1年目

着任直後まず着手したのは「Tech Vision」という指針の受け取られ方と、管掌することになった部門が他の部門からどう見られているのか、その部門の方々が「Tech Vision」を受けて自分たちをどう思っているのか、それぞれの差分を把握することでした。
経営との差分、部門同士の差分を把握することで何が足りていないのか、足りていない理由は何なのかを知ることができ、次にとるべき行動が明確になります。加えてこのアプローチをスコープを変えて実施することで管掌する部門だけでなく、全社に展開したり、もっと細かい単位にしたりすることも可能です。そのため、手段として比較的良く使っています。

とるべき行動が見えたらあとは実行と振り返りを繰り返しつつ、時に軌道修正を行い遂行することになります。ここで気を付けるべきは「常に全体を俯瞰して見ることができるか」です。
都度の振り返りでは目の前にある事象に関しての軌道修正になることが多く、全体を俯瞰した場合に正しい軌道修正になっていないこともあるからです。ただ、この俯瞰するという行動はすぐに身につくものでもなく、身についていたとしても毎回正しく使えるとも限らないため上司、部下、同僚からのフィードバックが得られる状況にしておくことも併せて重要なことではないかと思います。

これらを意識しつつ最初の1年目は組織の改善と差分を埋めていくことに終始した1年でした。

2年目

2年目は採用に力を入れることにしました。
本来であれば見えている課題全てに着手すべきでしょうが私はそこまで万能ではありません。「自分の今の限界を把握しておくこと」で最低限達成しなければならないことは明確になりますし、同時に「何をやらないのか」も明確になります。あれもこれも着手して全てが中途半端な状態になるよりも1つずつ完遂させていった方が最終的にかかる時間は短くなることが多いため、1つずつ完遂させてから次の行動を起こすということは常に心がけるようにしています。
ただし、採用は特にそうかもしれませんが、終わりが存在しないというものも多いのでゴールを明確にしておく必要はあると思います。

とはいえ、2年目である2020年は想定外のことが発生しました。それは今もまだ解決していない新型コロナウィルス感染症の問題です。今までは自ら望んで変わっていったり、求められて変わっていったりと、何かしらの要因があっての変化でしたが、強制的に変わることを促されることとなりました。これはあまり前例をみない変化だったと思います。
この強制的な変化によりポジティブに捉えられるような変化もネガティブに捉えられるような変化もありました。
採用という観点においては実際にお会いすることで感じることの出来る情報がモニタ越しには感じにくくなったことと、一度も実際に会うこともなく入社された方のオンボーディングの難しさを実感したことなど、今でもまだ解決できてない課題がいくつか残されています。これらの課題をテクノロジーで解決していくことは急務だと思っています。

3年目

テックカンパニー化を目指すという目標を掲げ、その詳細を把握した際に私が感じたことは「5年で実現できるかどうかという目標だけど3年で実現させると言うだろうな」ということでした(前述の記事の通り、結論としては3年で実現を目指すというものでした)。
掲げるべき目標とそこに到達するまでの期間というのはとても重要で、到達できるかできないかで判断に迷うような目標にすることや、短すぎず長すぎずといった期間にすることも重要です。OKRともちょっと類似しているところもあるかもしれません。

3年でテックカンパニー化を目指すという3年目に突入し、まず着手したのが3年の総括をするための準備でした。
当初計画よりも進んでいるところ・思うように進んでいないところ、良かった点・悪かった点など様々な情報を集め3年間でどう変わったか、次に活かすために何をすべきかということを考えました。
更に重要なのが「Tech Vision」のアップデートです。事業で言うところの中期経営計画のアップデートというところでしょうか。今回ののアップデートは、今まで以上に様々な関係者の協力を得ることで「変わり続ける」ということとそれを「楽しむ」ということが表現できたのではないかと思っています。

inside.dmm.com

今後について

テックカンパニー化を目指した3年も終わり「Tech Vision」のアップデートを経て次の年を迎えようとしています。
Advent Calendarでも本日まで様々な寄稿があり、どんなことに取り組んでいるのか?とかどこに向かっているのか?ということを知っていただけるための参考になっていると、とても嬉しいです。

VPoEの役割

「VPoEの役割」とタイトルに書いておきながら何も触れていなかったので少しだけ触れておきます。
私は今までのキャリアで何度かCTOという役割を任されて都度違和感を感じていたことがあります。それはもっと現場感のあるエンジニアの頃からそうだったのですが、技術だけで解決できる課題はかなり少ないことと、エンジニアがあまりに他業種の方から理解されてない(言葉を選ばずに言うとある意味魔法使いだと思われている)ということです。 ※逆に技術だけで解決しなければならないような課題はその障壁の高さはかなりのものになるのですが、それはまたそのうち話をする機会があればなと

後に知るのですが、これはエンジニアに限った話ではなく、全ての職種に関してそうであって、エンジニアとエンジニア以外での理解ではありませんでした。つまり異なる職種同士もそうですし、同じ職種だとしても世代やバックボーンの違いによって相互理解が進まない限り、どんなプロジェクトも思うように加速できないということでした。
この課題を解決するためにはお互いの相互理解を進めることになるかと思います。とはいえ、どこでも悩まれている問題ですし、銀の弾丸もないのは事実ではないでしょうか。私はこの課題に対して、まず自分の主張をするのではなく相手への理解を深めることと、加えて相手に分かる言葉で伝えることを意識して取り組んでいます(翻訳と私は呼んでいます)。

このように、人と人を繋げ相互理解を深めることで組織をよりよくし、プロジェクトや事業の推進を更に加速させることがVPoEの役割の一つではないかと思っています。

まとめ

組織の話を書きつつ唐突にVPoEとはって話を書き始めてしまいました。まとめると、私が常に意識しているのは以下の点になります。

  • 自分を俯瞰して見続けること
  • やらないことを決めること
  • 着実に完遂して次に望むこと
  • まずは受け入れること
  • 加えてまずは自分からという意識を持つこと

とはいえこれらも今の自分が考えていることに過ぎず、これからもアップデートしていくことになると思います。その度にどこかで発信をさせてもらって意見をいただきたいなと思います。
ありがとうございました。