組織管理本部ビジネスクリエーション部(以下、BC部)にて、障がい者雇用の採用から管理までを行っている松崎さん。デザイン部で培った経歴を生かして障がい者のデザインチームを設立し、雇用管理や採用活動も行っています。そんな松崎さんにDMMに入社してからの17年に渡るキャリアや、異動に至った転機、今後の展望などについてインタビューしました。
未経験から始めたWebデザイナーの仕事とDMMで積んできたキャリア
ではまず、入社からの経歴について教えてください。
2003年にアルバイトとして石川県加賀事業所の加賀デザイン部に入社し、メーカーサイトの更新作業、新規サイト作成などをメインに担当していました。
そこから加賀デザイン部の人員が増えてきたため、2007年頃チームリーダーとなり、その後は当時の金沢デザイン部が担当していた(現在はもうありませんが)DMM.TV for Blu-ray Discなどの各種新規サービスの作成を複数担当しました。
2010年頃には加賀デザイン部も20名程度に人員が増えたので、チーフを任されるようになりましたね。
松崎さんのキャリアはDMM創業の地である加賀事業所から始まったのですね。
はい。当時はまだフィーチャー・フォンが主力だったので、DMMでも専用サイトを担当するようになりましたが、世の中的にスマートフォンへシフトしていく流れに伴ってスマホ専用サイトを担当することになっていきました。
この頃からよりDMMサイトとの連携がより強く必要となってきたため、金沢デザイン部と一緒に仕事をするべく、自宅から毎日高速に乗り、1時間20分程かけて金沢市の割出事業所へ通勤する日々が続きました。
DMMの成長期でとても多忙な時期だったと思います。その他はどのような業務内容だったのでしょうか?
その後は、決済周りやサイト内の検索など、DMMで共通して使われる基盤全体を担当している部署である、現在の「プラットフォーム事業本部」へと繋がる業務に携わることになりました。さらにその後、より連携を密にして作業をしやすくするために加賀デザイン部数名のメンバーを連れて、2013年頃に正式に金沢デザイン部へと異動しました。
それ以降も金沢デザイン部で各事業部の対応をしながら、EXNOAの前身であるオンラインゲームの開発やアプリ開発に携わっていたのですが、2015年に東京・金沢・加賀と各拠点で分かれていたデザイン部が本部制となる大きな組織改編がありました。
その組織改編をきっかけに、各事業部とのMTGが増え、金沢と東京の両拠点のメンバー管理など、チーフの役割が増えて管理業務がメインとなっていきましたね。
自身に求められる役割への葛藤と異動を考えた転機
なるほど。組織改編により、プレイヤー気質のリーダーから、マネジメントの役割をより求められていったんですね。
そうですね。チーフになり、チームメンバーへの教育や依頼管理などマネジメントに関わる業務も必然的に増えてプレイヤーのままではいられなくなったのですが、当時の自分はこの管理業務への移行がしっくりこず、プレイヤーメインで動いてしまっていたと思います。
今振り返ると、自身の忙しさを理由にチームメンバーへの教育もしっかりとできておらず信頼が不足していたかもしれません。
結果として、メンバーに任せた依頼のチェックをしっかり行わずにクオリティを満たせていないものが提出されることになり、事業部に大目玉を食らうこともありました…。
リーダーとして求められていること、それを形にするためにどう動いていくかについて悩む葛藤期ですね。
DMMが大きくなるにつれて人員も増え、既存事業、新規事業ともに依頼量が増えてきたことで、自身がプレイヤーのままでは依頼を回せられなくなってきたので、結果として管理業務に専念することにはなりましたが、周囲の人材のレベルが上がってきたなかで、次は自身のスキルを冷静に判断して「このままデザイン部でキャリアを積んでいけるのか?」と悩むようになってきました。
そこが転職や異動を考えていくきっかけになったんですか?
はい。退職して別会社へ行くことも考えましたが、プレイヤーとしてのスキルは落ちているし、管理にしても部門に特化し過ぎていたため他の会社では通用しないかもしれない、との不安も感じていました。
そんな時、当時金沢の別事業所にいたBC部のメンバーと話す機会があり、BC部が障がい者雇用を担当する部署と初めて知ることになります。
もともとボランティア活動に興味があり、地元でも消防団など、複数のボランティア活動をしていたこと、両親が人の生死に関わる仕事をしていて幼少期は自分も人の助けになる仕事をしたいと思っていたこともあり一気に興味が湧き、すぐに部長に連絡を取りました。
ちょうど部長である梶さんもBC部の業務の幅(デザイン業務)を拡張したいと思っていた時期で、デザイン部での経験を即戦力で活かせるということで2018年3月にBC部へ異動することになりました。
15年所属したデザイン部に対しての思い入れも強かったと思いますが、そのあたりはどうでしたか?
入社時から育ててもらったデザイン部を出るのは、やっぱり迷いましたね。
やり残したこともありましたし、自分が抜けることによって上司や同僚に負担をかけてしまいますし。
でも、そのまま悩み続けていてもどちらのためにもなりません。そこで、自分がBC部に異動することでルーチン作業を引き受けて、デザイン部のリソースを優先度の高い業務に割くことができれば、互いにWin-Winの関係になれるのはずと考えました。
それも一つの恩返しかと思って飛び込みました!
BC部で設立したデザインチームとジョブチェンジで気付いたこと
ではBC部に異動してきて2年半経ちますが、現在に至るまでどんな業務をしてきましたか?
異動当時は、部長のオーダーでもあり、自身の第一の目標でもあった、デザインができる障がい者のチームを作るために奔走していました。
障害を持ちながらもデザイナーとして活躍してる人もいることは知っていたので、社内のデザイン業務を受託できるよう採用から教育までを行い、デザインチームを2018年の12月に設立することができました。
その時のお話はこちらから
そこからは主にデザインチームの管理や、デザイン部時代の人脈を生かして新規業務の受託の営業活動をしたり、BC部のサイトを作ったり、最近では採用活動やCSR活動も担当しています。
デザイン部で培った経験を役立てていることも大きいと思いますが、スムーズにジョブチェンジできましたか?
はい。社内のデザイン業務のスキル感、必要な作業フロー、業務知識はすでにデザイン部で把握済みでしたので、受託した業務を円滑に調整し、回すことができました。
また、教育についてもデザイン部時代の知識を役立っていますね。
業務を受託するための営業活動は、デザイン部時代の同僚や様々な事業で一緒に仕事をしてきた方々をメインに声をかけさせてもらっています。
話が伝わりやすいのでとても安心感があります。
ちなみに在宅デザインチームの方はどんなスキルを持っているのでしょうか?
皆さんスキルが高く、各事業部から受託しているバナー制作や特設ページのイメージ作成からコーディングまでこなせます。
それぞれが特化したスキルを持っているのですが、例えばイラストが得意でキャラクターのデザインを書き起こしたり、DTPが得意で社内のみならず社外からの依頼を受けたり。他にもバナー制作でクオリティが高いうえにスピードも早く、依頼者から高い信頼を受けるなど、少しずつですがそれぞれのスキルを活かして幅広い種類の依頼を対応できるようになってきています。
▼成果物の例
では次に、松崎さんがBC部に来て初めて経験したことや難しいと感じている点があれば教えてください。
実際に障害を持っている方と交流を持つことはほとんど初めてだったので、最初は失礼がないように、間違った対応をしないようにと知識を集め、かなり丁重な対応をしていました。
でも実際に話してみると、自分たちと大きな違いはなく、むしろ自分たちにも当てはまる特性があり、例えばうつ病などの精神疾患については自分もいつ同じ状況になるかわからない、誰しもがいつ罹ってもおかしくないなと気付き、全く構える必要はないと気持ちが楽になりました。
なるほど。松崎さんが担当しているのは精神障害や発達障害など、目に見えない障害を持っている方が多いのでしょうか?
はい。自分が担当している9割近くが精神障害や発達障害をお持ちの方です。
そして障害特性から必要に感じたのは、これまでデザイン部所属で築いてきた関係性によって、周囲とのやりとりは阿吽の呼吸のようになっていたので、顕在化しない情報伝達や、本人にまるっと投げていたタスクやスケジュール管理について、より丁寧かつ明確に伝えないといけないなということです。
他にもコミュニケーションの中で発生する細かいニュアンスの理解や、ケアレスミスなどがあった場合に本人にどのように明確に伝えるか、がそれに当たるかなと思います。
とはいえ、これらは障害の有無に関係なく、本来は万人に対して必要となる配慮だと認識しているので、抽象的な言葉やニュアンスではなく、要点をかみ砕いて明確に伝えるコミュニケーション能力が今は身についたと思います。
最近ではリモートワークをするうえでも認識の齟齬が起きやすいので、同じことが言えると思います。
そうなんです。これからも自分が潜在的にできている情報整理や、言葉ではなくニュアンスで理解していたことが障害によってはハードルとなることを念頭に置きつつ、より障害特性の理解を深めていきたいと感じています。
現在の活動と今後目指す先は
最近は採用活動やCSR活動にも関わっているとのことですが、具体的にはどのような活動でしょうか?
チーム内に株式会社manabyが運営している就労移行支援所から採用されたデザイナーの方がいるご縁もあり、同社との協同企画で採用を目的とした実習を進めています。
manabyは在宅でITスキルを学ぶことができる就労移行支援所で、デザイン志望者の就職を教育面でサポートし、DMMでは実際に課題を準備して自社に合う在宅デザイナーの採用を目指しています。
こちらは、実習期間中にリアルな仕事内容に近い体験を通して働くことへのイメージを固め、実習を通して長期的な企業との関わりをつくることで、雇用者と応募者のミスマッチをなくし、スキルを活かして長く働き続けられるような仕組みを作ることを目的とした実習になります。
DMMで働きたい障がい者の方に対して、DMMでは実業務に近い課題を出してマッチングし、採用に繋げていく実習なんですね!
はい。こちらは今後も継続的に実施していきたいと思っています。
他にも採用活動として、直近ではZoomを利用したオンライン企業ガイダンスの開催や、富山県人材活躍推進センター(女性就業支援センター)と株式会社AsianBridgeがタイアップして開催した、在宅ワーカーとして働く女性を応援するセミナーでの登壇(こちらもオンライン)も行いました。
障害者雇用とはステージが違えど、育児、介護など様々な理由によって自宅環境などからリモートで働きたいという思いは一緒で、セミナーではお子さんをお持ちの女性も多数参加していて、リモートワークへの関心の高さを伺うことができました。
今後、松崎さんご自身がどのようになっていきたいとのキャリアプランはありますか?
今でこそ各事業部から依頼をいただけるようにはなりましたが、まだまだ業務量にはムラがある状況です。
安定稼働していくためにも、受託できる作業の幅を広げながら、事業部からの信頼を得られるように誠実でクオリティの高い仕事をしていかなければと思っています。
また、障がい者のみでチームを作りデザイン業務をしている会社はほとんど無いと聞いています。
BC部が行っているのは1つの事例ではありますが、障害者雇用にもこのような可能性があるということを世の中に広げていく活動も行っていきたいと思います。
それと、少し未来の話をさせていただきます。私自身、ほぼ初心者から始めたWebデザイナーという職種ですが、様々なサービスの開発に関わらせてもらった経験もあれば、チーフという役職をさせてもらった経験もあります。その後障害者雇用の採用、管理とキャリアチェンジしてきた経験もあるので、それらを全て生かしてデザインの教育・業務を受託するうえでの手法やノウハウ、採用担当としての視点を身につけて、デザインに特化した就労移行支援事業をやってみたいという夢もあります。
それでは最後に、キャリアプランに悩んでいる人へのアドバイスがあればお願いします。
恥ずかしい話ですが、今まで明確にこうなりたい!といった理想像はなく、その時々でやりたいこと、チャンスをもらえたことをただただやり切ってきました。
デザイン部時代は、新規でサイトを作成する時などは参考書などを見ながら新しいデザインやコーディングの手法をいろいろ取り入れるなど、自由にさせてもらえる風土があり、やる気さえあればどんな仕事でも任せてもらえる状況でした。
新しく今まで経験したことがない新たな依頼があれば率先して手を挙げてきたので、新規サービス系の担当をさせてもらえることに繋がったり、特殊なサービスの開発に携ったりできたのは良い経験になっていると感じています。
誰にでもチャレンジするチャンスが与えられる環境はDMMならではですね。
DMMでは多種多様な事業を展開しているので、社内公募(いわゆる社内転職)も頻繁に行われています。
興味のある業種があれば、自身の能力やキャリアを活かせるような掛け合わせがあるのではないかという気持ちを持って、新たなチャレンジについて考えてみることも大切かなと思います。
BC部では一緒に働いてくれる仲間を募集しています。
ご興味のある方はぜひ下記募集ページをご確認ください。
▼DMM.com
採用情報|DMM Group
▼EXNOA
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