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アニメ『ブルーピリオド』制作サイドストーリー④:渋谷の看板を担当した藝大出身のデザイナーは、「好き」を仕事にして「夢」を少しずつ叶えている

アニメ『ブルーピリオド』制作サイドストーリー④:渋谷の看板を担当した藝大出身のデザイナーは、「好き」を仕事にして「夢」を少しずつ叶えている

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DMM pictures制作のアニメ『ブルーピリオド』の放送開始に先駆けて設置した渋谷の看板広告を見たことはありますか?  前回はそのデザインについて深堀りしましたが、今回はデザイナーの川崎美波に焦点を当てます。

川崎は東京藝術大学の卒業生ですが、『ブルーピリオド』の主人公・矢口八虎が目指しているのも同じ藝大です。また、川崎がDMMに新卒入社した2017年は、『ブルーピリオド』の原作漫画がスタートした年でもあります。

共通点の多い『ブルーピリオド』に関わる仕事がしたいという希望を叶えた川崎は、幼い頃からの夢も少しずつ叶えているようです。

前回の制作サイドストーリー③はこちら↓

inside.dmm.com

 

『ブルーピリオド』にも登場する東京藝術大学に入ったのは、「絵を仕事にしたかった」から

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川崎美波(かわさき・みなみ)

 DMM.com エンターテインメント本部 ライツ管理部 デザイナー

東京藝術大学出身。2017年、WEBデザイナーとしてDMMに入社。アニメ作品のパッケージデザインを中心に、印刷物やグッズ、キャラクター開発など多岐に渡るデザインを担当している。


ーー『プルーピリオド』の看板広告を担当することになったのは、自らの希望だったそうですね?

川崎:母校の東京藝術大学が登場するマンガはほかにもありますが、そのなかでも『ブルーピリオド』はとくにおもしろくて好きな作品なんです。予備校や芸大受験の内容には懐かしさも感じました。

DMM picturesでアニメ化すると聞いた時に、早い段階から「何かしらのデザインに関われないですか?」とアニメプロデューサーにお願いしていました (笑)。担当できることになったのは、そう言い続けていたことが大きいと思います。

ーー言い続けて希望が叶ったんですね。『ブルーピリオド』の主人公・矢口八虎も東京藝術大学を目指していますが、川崎さんの場合も絵を描くのが好きで選んだ進路でしょうか?  さらに、卒業後も絵やアートを仕事にしたいと思っていたんですか?? 

川崎:そうですね。そこは迷いなく。ほかの仕事だと普通の社会人になれない気がしていたので (笑)。今こうやって会社員になれているのが不思議なくらいです。

大学ではデザインを専攻していました。学部時代はグラフィックデザインや絵画など与えられたいろいろな課題をこなしていましたが、大学院生になってからは空間演出研究室に入りました。その中で、なぜか絵を描いていましたね(笑)。

ーー空間演出研究室で平面を??

川崎:簡単に説明すると、空間におけるイラストやアニメーション作品を制作する研究です。その場所で自分の作品を見ること、触れることによって、人の感情や動きにどんな影響を与えられるかを常に考えながら制作していました。

そういう意味では、渋谷のスクランブル交差点に設置している『ブルーピリオド』の看板広告でも、やってきたことが生かされているのかもしれません。規模はぜんぜん違いますが。

 

WEBデザインからキャラクター開発まで。幅広い業務を楽しむ日々 

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ーーDMMに入社した理由も、藝大で学んだことが活かせると考えたからでしょうか?

川崎:DMMには「WEBデザイナー」として入社しました。院生時代にコンピューターを使ってプログラミングで動かすような作品を制作していて、デジタル表現に興味が湧いたんです。その結果、就職活動ではWEBデザインの職種を志望していました。

そのなかでも自社サービスに関わるようなWEBデザインができたらと考えて就活を進めていて、DMMも受けたという流れです。DMMは働いている人たちがすごく優しくて、その雰囲気で入社を決めてしまったというのが本音。間違ってなかったとは思います (笑)。

ーー最初に配属されたのはデザイン本部で、現在はエンターテインメント本部のライツ管理部の所属に変わっていますよね。部署を移った理由はアニメが好きだから?

川崎:いえ、実はアニメはまったく見ない人でした。今の部署への所属が決まった時は「なんか、すみません…」という気持ちでしたね (苦笑)。部署に所属してからは、担当する作品や話題の作品は見るようになりましたけど。

ただし、異動は私の希望です。DMMの中でもライツ管理部は、作品ごとにいろんなデザインができて業務の幅を広げやすいですし、いろいろと挑戦できる部署だと思ったので。

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©︎もふぽん。研究所

ーーでは、これまで担当した作品などを具体的に教えてください。

川崎:仏をイケメンに擬人化したアニメ『なむあみだ仏っ! -蓮台 UTENA-』や、男性向けラブコメアニメ『彼女、お借りします』、子ども向けキャラクターものアニメ映画『すみっコぐらし』など、幅広いアニメ作品のDVDやBlu-rayなどのパッケージデザインをメインに担当してきました。その周辺の印刷物やグッズデザインも。

最近は、恐竜モチーフのゆるキャラ『もふぽん。』のキャラクター開発にも携わっています。WEBデザイナーとして入社したのですが、WEBデザインの仕事は1割に満たないかもしれません (笑)。ただ、タイトルごとにまったく色の違ったデザインができるので、とても勉強になっています。

ーーキャラクター開発のお仕事というのは?

川崎:従来やってきたアニメ関連のデザインの場合、制作サイドが何をつくりたいか要望を聞いて、それに応えるために動きます。一方、キャラクター開発はこちらから何をつくりたいか、どういうイラストにするかなどの提案から関わることができます。

ーー川崎さんがキャラクターデザインをすることも?

川崎:『もふぽん。』はキャラクターデザイナーさんがいるので私が担当することはありませんが、このキャラクター開発に関わるようになったお陰か、私がキャラクターデザインを手がける案件のお話もいただけるようになってきました。

小さい頃は漫画家になりたい夢があって、自分でキャラクターをつくったりしていたので、その夢の一部が叶えられたのはうれしいですね。

 

「これでお金をもらっていいの?」と思えるほど今の仕事が好き

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ーーWEBデザイン、パッケージデザイン、キャラクターデザイン、そして看板広告……本来はそれぞれ違う職種ですよね? 関連するデザインをここまでいろいろ担当するのは特殊な環境じゃないですか??

川崎:そうかもしれません。部署や職種が変わらなくても業務が流動的に変化していくのはDMMならでは。私はおもしろいと思ってます。

ーーでも、おもしろいことやうれしいことだけではないですよね?

川崎:そりゃあ、辛いこともありますよ (笑)。仕事となると、1人で完結できるプロジェクトはありませんから。同じチームでもデザインに対する意識や考え方の違いがあれば、全員が納得できる進め方ができないこともあります。

デザインしたものに対する周囲の反応がありますし、売り上げに関わる仕事だとダイレクトに数字が可視化されます。そうした結果を見て、自分の至らなさを実感することも少なくありません。自分の「好き」ばかりを追い求めるだけではいい結果は残せませんし、結果とのバランスを取るのは簡単ではないですね。

それでもやっぱりモノをつくることが好きですし、好きなことを仕事にできている喜びは大きいです。正直なところ、「この仕事でお給料をもらってもいいんですか?」と思うくらい楽しいです (笑)。

 

「自分が作ったキャラクターが自分の手を離れて大きく育つ」のが最終目標

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ーーこれまでさまざまなデザイン業務を担当していますが、今後DMMでやりたいことはありますか?

川崎:まずは、『もふぽん。』のようなゆるキャラ系タイトルの「かわいい」をたくさんの人に知ってもらいたいですね。デザイン的なかわいさだけでなく、それ以外にもこだわれる部分はあると思ってますし、「かわいさ」を広めるためにできることを考えていきたいと思ってます。

ーーキャラクターの「かわいさ」を広めることのなかに、川崎さん自身がキャラクターを生み出すことも含まれているのでは?

川崎:そうですね。自分でキャラクターをつくりたいとは思ってます。

『すみっコぐらし』のパッケージデザインに関わったとき、キャラクター系コンテンツは子どもだけでなく大人のファンも多いと気づきました。実はいろいろな世代にも届くと感じたんです。

理想のかわいさを突き詰めたいと思う一方で、幅広い人たちから愛されて手に取ってもらえるものをつくりたいという思いも強くなりました。

ーーキャラクター開発からグッズのデザインまで、すべて担当するチャンスもありそうですよね。

川崎:そうなったらいいですよね。最終的な目標は、私がデザインした作品が、自分の手から離れていけるところまで育って大きくなること。DMMなら、それを叶えられる可能性があると思ってます。

 

構成・編集/平 格彦  取材・執筆/阿部裕華  撮影/馬渕悠人