「何をするかではなく誰とするか」スタートアップの転職
最初のテーマは「スタートアップへの転職について」。
なぜ大手からスタートアップに転職したかの背景を交えてお話しいただく中で、ノバセル・田部さんによる「何をするか」より「誰と一緒だったら失敗しても後悔しないか」の選択をするべき、という言葉が印象的でした。
特にスタートアップの場合、事業が1年後に変わることは普通に起こりえます。
事業は変わり行く可能性があるものと捉え、この会社や人と働いたときにどんな成長が期待できるのかという観点で意思決定をした方が良いというお話でした。田部さんは、そのような基準を持ってキャリアを積まれてきたそうです。
ノバセル・楠さんも、ラクスルの「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」というビジョンに強い魅力を感じファーストキャリアを決めたとのこと。
転職活動を続けていると自分の意思決定の軸がブレてしまうこともありますが、迷ったときはシンプルな考え方に立ち返りたいですね。
まさに今アツいBizDevとは
最近注目されることも増えてきた「BizDev」について、もっと深掘りしていきます。
まずはなぜ今BizDevが注目されているのか、というテーマでディスカッションが行われました。さまざまな見解が飛び出しましたが、BizDevに求められる要素とはどのようなものでしょうか。
ここでの太田のピックアップキーワードは
- 自走
- オーナーシップ
求められたり与えられたミッションを、自分の力でやり切る根性はどんな環境であれ大切です。
その上で、仕事における「味方」を増やすことの重要性についても触れられました。味方を増やすための手段としては、若手の時であれば飲み会などを通じたコミュニケーションで交流を深めるのはもちろん、かわいがられるための「弟力」も必要とのこと。
周りから幅広くインプットを受けやすい状況を作っておくことも、ビジネスパーソンとして大成するためには必要です。業務内外問わず、先を見据えた立ち振る舞いも改めて意識したいですね。
田部さんが、立派な事業開発のスキルを身につけるためにピックアップした行動指針は
- 課題設定能力を高めるために解像度を上げる
- 量でカバー
「その領域において、日本で一番詳しいんじゃないか、というぐらい調べ上げることができたら、事業開発ができる立派な人材になれるはず。解像度を上げられるか否かで、全てが決まると言っても過言ではない」
というお話でした。
たしかに課題の方向性を間違えてしまうと、どんなに頑張っても成果は出ません。そして、正しく課題設定をするためには、その業界や分野に対しての知識が必要です。
その上で、もう一つのポイントが「量でカバー」。
仕事の成果を上げるポイントは、課題設定が正しいかどうか×仕事の質×仕事の量。
正しい課題設定のもとで、量をこなし質を上げることの重要性に言及されていました。
量でカバーした先に質が生まれてくる……活躍するビジネスパーソンになるためには体力も必要ですね。
“どれだけ自分事でやれるか”若手が伸びる成長環境
次なるトークテーマは「若手が伸びる成長環境」について。
若手が積んでおくべき経験や、事業責任者・事業開発のポジションに就くためにはどのようなステップを踏むべきか、気になっている方は多いのではないでしょうか。
DMMの太田曰く、
- 経営者や投資家などの上層部が知らない情報を持っておくこと
- その業界の解像度が一番ある状態に持っていくこと
の2点が成長に繋がるポイントとして話していました。
前述の課題設定でも登場した「解像度」に繋がりますね。
例えば、電子書籍業界で働いている場合は「書籍の出版社のキーマンは全員知り合いです」状態を作るようなイメージです。上層部が持っていない情報を日頃から準備仕込んでおけば、いざ経営者が「新しくこんな事業をやりたい」と言ったときに、実現の可否が瞬時に判断できるようになります。
さらに、情報があればより良い事業提案も思い浮かぶでしょう。
また、その境地に至るまでのプロセスは、自分なりの型をつかんでおくことも大切です。
セールスが得意なのか、サプライヤーとの折衝が得意なのか……人によって得意な分野やキャリアアップの方法は違うはず。
今のキャリアと連続性があるプロセスはどんな方向なのか、今一度考えたいと思いました。
ノバセル・田部さんが考える必要要素は、PLに対して責任を早く持つこと。
PLとは、プロフィットとロスのことを指します。PLが見れるようになると、売上利益を作るという方向性とコストを考慮して、営業利益が出ているのかを考えられるようになります。
事業部の中の一つのセグメントとしてのPLでもいいので、支出と収入を両方ちゃんと見ること。どんなに小さい領域でも、早い段階からやっておくと成長に繋がるとのことでした。
ちなみに、筆者もPLを読む・書いてみる研修に参加したことがありますが、たしかにPLが少し分かるようになるだけで、事業への視座が一段階上がった実感がありました。
目先の売上だけでなく、コストを加味して利益を意識する。
そしてそれを他人事ではなく自分事でやれるかということは成長に欠かせないようです。
経営陣と距離が近い企業であれば、実際の数字がより近くに感じられるのがメリットです。
トークセッションを通して
他にも、社風が違う会社から転職してきた野田、堀切から見たDMMの印象、楠さんの新入社員時代に指導された中で覚えているエピソードなど、多角的な面から20代・30代のキャリアについてトークセッションが行われました。
Q&Aタイムでは「解像度を上げるための時間はどうやって捻出してるのか」という具体的な質問から、人を見極めるときのポイントなど積極的にご質問をいただきました。懇親会ではフードとドリンクを片手に、参加者同士の交流も!
ちなみに、このレポの筆者も30代を目前に控えた年齢ということもあり、非常に刺激を受けました。今回のイベントを通して、自身のキャリアも今一度見つめ直していきたいです。
イベントのアーカイブ映像も下記にございますので、ぜひご視聴ください。
アーカイブ「若手事業開発人材の成長環境と持つべきスキルとは」
DMMの電子書籍事業部では、一緒にDMMブックスをグロースしていく仲間を募集しております。ご興味のある方は下記募集要項をご覧のうえ、ぜひご応募ください。
※登壇を予定しておりました林川晴大さんは、体調不良のため残念ながら欠席となりました。